【本職SBがいない。4バック全員本職CBがもたらす効能】マンチェスター・シティ戦術解説
ペップが新たに採用した新たな戦術。4CBの採用。そしてこの戦術がクライマックスに差し掛かっている欧州サッカーを大いに圧巻している。
4バック全てに。本職CBが4人並べられた時。あなたは何を想像しますか?
プレミアリーグ第27節。マンチェスター・シティ×クリスタル・パレス戦。そしてチャンピオンズリーグラウンド16。ライプツィヒ戦でマンチェスター・シティはまた興味深いフットボールを展開してくれた。
この2試合ペップ・シティのシステムはお馴染みの4-3-3。しかしいつもと違う要素が組み込まれていた。それが4バックに並んだ人選だ。
4バックに並べられたのは右からストーンズ、アカンジ、ルベン・ディアス、アケのCBの選手たちだ。本職SBの選手たちが一人もいなかったことだ。
4人のCBが最終ラインに並ぶことで守備はより強固に。高さや強さが増し、ソリッドな守備が手に入るメリットはある。今季のマンチェスター・シティは例年以上に失点も多いのが現状。そんなことも踏まえて4人のCBが並べられたのかもしれない(カンセロのバイエルンへの移籍に伴い、ウォーカー、リコ・ルイス、セルヒオ・ゴメスといった面々しかSBがいないのも関係しているはず)。
しかし、心配になるのはやはり攻撃面だろう。CBが4人並べられたと耳にするとどうしても守備的なのでは?ビルドアップ大丈夫?本来のSBがもたらすようなサイドの厚みは薄くならない?そんな懸念点も出てくるはずだ。
とうとうペップもハーランドの1発を引き出すようなカウンターチームになったのか…(まぁそんなことを1ミリも私は思うことはなかったですが…笑)
そしていよいよキックオフ。そしてゲームが始まると同時にそんな心配は一気に吹き飛んだ。
もしかしたらここ最近のどの試合よりも、この2試合のマンチェスター・シティのDFラインは、ボール保持の局面での流動性はあったかもしれない。そう思わせてくれるほど4人のCBはアグレッシブに攻撃に参加し、ゴールへ直結するプレーも連発して見せたのだ。
それでは4CBがどのような効果を発揮したのかもう少し詳しく解説していこうと思います!
▪️ストーンズの偽SB
まずは右SBに入ったCBストーンズのタスクから。チームがボールを保持すると、ペップシティお得意の偽SBのタスクを担った。
アンカーのロドリと共に中盤の底に並び、後方を3-2に可変しビルドアップを実行。
中盤に入っても涼しい顔してプレーしてしまうストーンズ。後方と前線を繋ぐパイプ役としてシティの攻撃を循環させていった。
そしてストーンズの偽SBはビルドアップ局面だけに止まらなかった。右サイド深くにボールが入ると、ストーンズは中央の位置から斜めにランニングし、相手の最終ラインの背後へ積極的にアクションを起こしていった。
プレミアリーグのクリスタル・パレス戦の後半には、中央(偽SB)からサイドに立つように。中央を固めるパレスに対し手薄のサイドから攻め込めるように。
また可変した3バック右のアカンジがマークに捕まると、中盤から最終ラインに落ちてヘルプに。アカンジのパスコースになるのはもちろん、このアクションでアカンジを外に押し出して、相手のマークを更に拡散させる役割も担っていた。
相手の立ち位置。試合状況に応じて。プレーする場所を変幻自在に変えられるストーンズ。チームにとっては大きな手札に。相手にとっては厄介な存在に。本当に本職はCBなも?と思わせる攻撃センスを見せるストーンズだった。
▪️ストーンズの偽CB
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