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<事例紹介>高校生向けのセールストーク
こんにちは、favyのしげさんです。
私は以前、高校生向けのアウトバウントを業務委託で実施していました。
某専門学校からの委託で、「入学資料の請求をしてくれた生徒さんに架電して予約制オープンキャンパス(以下OC)への来場予約を受け付ける」という内容です。
「百戦錬磨の経営者を相手にしている自分には関係ないぜ」なんて言わずに、ぜひ最後までお読みいただけると嬉しいです。
インサイドセールス(BDR)との共通点
語弊があることは承知の上で書くと、「生徒募集」は「営業活動」に他なりません。学校にとっての「売上」は「学費」であり、生徒募集をすることは売上を作ることに直結します。
営業活動のプロセスに合わせて考えると、OCは合同商談会です。
デモなどを交えながら実際のサービスを体験してもらい、契約を検討していただく機会です。もちろんその場で契約締結する事もあります。
OCには先生や在校生はもちろん、生徒募集の主管部署のスタッフが参加しており、自分が担当する生徒さんにアプローチをします。
つまり、我々が担っていた「OCへの誘致」は「商談セット」に該当します。
従って、追っていたKPIも「誘致数(=商談セット数)」でした。
商談セットした後はフィールドセールスが決めてくれる事を信じ、架電時にヒアリングできた項目はフィールドに共有します。
そして「リードナーチャリング」もしていました。
高校1年生から問合せが来ることもありますが、すぐに入学は出来ません。
定期的に連絡を取り、進路決定タイミング(=導入時期)までフォローを続けます。
まさにBDR業務でした。
高校生ならではの難しさ
商談セットまでのトークの流れを一般的なインサイドセールス業務と比較して見て行きたいと思います。
■受付突破(難易度☆☆☆)
架電先は「資料請求してくれた人」なので、プル型に近いイメージです。
そのため、受付突破のハードルは低かったです。
これは「高校生だから」ではなくリードソースの問題ですね。
資料請求の際に電話番号を書いてもらっているのですが、自宅番号しか書いていない場合と、携帯番号も書いてくれている場合があります。
架電して話すべきKPは「生徒本人」なので、携帯番号があれば受付突破はハードル無しです。
自宅番号の場合だけであっても、「◯◯さんから資料請求していただいたのでお電話しました」と言えば大抵の場合は問題なく繋いでもらえました。
■アイスブレイク(難易度★★★)
通常のインサイドセールス業務以上に、対高校生の場合はアイスブレイクが非常に重要でした。
例えばtoBのアポ取りのトークスクリプトのような言い回しで話しても、大抵の高校生は警戒してしまってマトモに話してくれることはありません。
「部活は何かやっているのか?」「(その専門学校の)ジャンルには昔から興味があったのか?」など、比較的答えやすい話題から入って長めにアイスブレイクをするように心がけていました。
長い時は10分ほどアイスブレイクに時間をかけていました。
だって想像してみてください。
自分が資料請求したとはいえ、会ったことのないオトナから突然電話がかかってきた時の高校生の心境を。
我々社会に出て色々な事に慣れてしまったオトナが考える以上に警戒心は強いです。
また、ある程度空気が温まった時点で徐々にタメ口に移行していくのもポイントです。
これはクロージングの時にも効果を発揮します。
■確度・興味の確認(難易度★☆☆)
基本的にプル型のリードではありますが、「資料請求」にも様々なパターンがあります。
WEBから学校のサイトに来て資料請求をしてくれたものは確度が高いですが、書店などで配布・販売している「専門学校比較媒体」のハガキからだと興味の度合いが読めないケースもあります。
「◯校分の資料請求をしてくれた人にはQUOカードプレゼント!」とかもやっていたので、それ欲しさに適当に請求したという高校生も少なくありませんでした。
請求経路はもちろん見えた上で架電していますが、アイスブレイクと交互に少しずつヒアリングして、確度がどのぐらいなのかを見極めるようにしていました。
■テクニックのフル活用(難易度★★☆)
営業トークの本などによく書かれている「テクニック」はフル活用していました。
例えば「YESセット」。
「小さいYESを繰り返し言わせるような質問をすることで、最終的に大きなYESを言いやすくする」というテクニックですが、これを少しアレンジしていました。
YESを言いやすい質問をするということは、「誰でもYESと答えるような質問」をするということです。
入学可能性を引き出すのに「この学校に入りたいと思いますか?」ではなく「色々考えていると思うんですが、このジャンルの学校も選択肢には入っていますか?」と聞いた方が「YES」になる可能性は格段に高くなります。
そこで引き出した小さいYESはその後の大きなYESへの呼び水になると同時に、「興味・関心への質問に対してポジティブな回答をした」という既成事実を作ったことにもなります。
そうすると、「さっきこのジャンルに興味あるって言ってくれてたと思うんだけど」というように、小さいYESを少し膨らませてトークを誘導しやすくなります。
■最終的な「決済者」が架電のKPと異なる(難易度★★★)
これが一番特殊なポイントだったと思います。
OCに来てもらう(≒商談セット)ための架電をする際のKPは「高校生本人」ですが、実際に商談の場で最終的な意思決定をする人は高校生本人ではなく「両親」であることが多いです。
中には「あなたの好きなようにしなさい」と言って進路は本人に任せている、というご家庭もありましたが、百万単位の買い物をするわけですから、こちら側としてもしっかり決済者にも話しておきたかった部分はあります。
ビジネスの商談で例えると「担当者が決済者OKもらったって言ってたけど失注した」を避けたいからです。
そのため、本人と話してOC誘致が確定した後で、親御さんと一緒に来てもらえるように話します。相手の温度感や確度によってトークの内容はもちろん変えていました。確度が高そうな場合は「将来を決める大事な話なので、ご両親も来てもらって一緒に話した方がいいと思うんです」というように、敬語に戻してほぼストレートに訴求します。さっきまでタメ口で話していたお兄さんが敬語に変わると、彼らにも事の重大さが伝わりやすくなります。
また、事前に話すと断られるリスクが増してしまいますが、商談セット後であれば断りにくくなる、という事も考慮していました。
意外にここ(親同伴)のハードルが高かったのですが、そのハードルの理由は「恥ずかしい」です。高校3年生が自分の進路を決めるためのイベントに「親と行く」のが恥ずかしいというのは、確かにわかる気がします…。
■OC(≒商談)の進め方
ここから先はフィールドセールスの範疇なので、今回のテーマとは直接関係ないですがご参考まで。
OCのメインコンテンツは「体験実習」です。当然生徒さんは皆、体験実習を受けに来ています。そして生徒さん(≒担当者)が授業(≒製品デモ)を受けている間、生徒募集部署のスタッフ(≒フィールドセールス)は親御さん(≒主権者)と商談をするわけです。
まさに【THE MODEL】型の営業活動スタイルだと思いませんか?
偶然かどうかわかりませんが、この学校では入学希望者〜在校生〜卒業生といった生徒管理にSalesforceを使っていました。
まとめ
ちょっと無理やり感もありますが、「これって営業活動と同じ考え方じゃない?」って仕事って意外にあるんじゃないかな?と思いました。
実際この業務はかなり営業色の濃い仕事ではあったのですが、「教育機関」という側面があるからなのか、実際に働いている職員の皆さんには「営業職である」という認識は薄かったように記憶しています。
だからこそ、「営業職である」ととらえて行動していた人は成績が飛び抜けていました。
慣れない業務、特殊と思えるような業務でも、何らかのフレームワークに当てはめる事が出来れば成功しやすいと思います。
そう考えれば新しいチャレンジは怖くないし、むしろ「共通点探しゲーム」みたいな感覚で楽しめるんじゃないかな〜と。
ちなみにfavyではチャレンジを楽しめる人材を絶賛大募集中です!
(これすごく大事)
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