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金柑蜜煮

January 2, 2019

今朝の手仕事、金柑蜜煮。
Bread + something good(パンと何かいいもの)は、一時期、わたしの執筆のテーマだった。
15年ほど前は、フレンチスタイルのパン屋さんが話題になっていたころで、ハード系のパンが注目され、粉と酵母と水と塩でつくる、最もシンプルなそれらのパンをわたしはとても好ましいと思い、そのことを、さまざまなメディアで発信した。けれど、食べ方が一般消費者に浸透しておらず、思うように売れないというパン屋さんの声も聞いたので、自分がおいしいと思う食べ方についても書くようになった。シンプルなパンをおいしくつくる職人が増えてほしかったし、季節ごとに新しいパンを考えるのに頭を悩ませるのだとしたらその時間を、睡眠時間や原材料の選択や製法のトライアルなどに費やしてほしかった。もちろん、料理のセンスのある職人さんが、自分も楽しみながらつくる季節のパンは、それは素敵なんだけれど。もし悩むのであれば、季節の愉しみは、食べる側が自分で+something goodしたらいい、と思ったのだった。その「なにかいいもの」のひとつが金柑で、毎年この季節になるとつくる、金柑蜜煮は、この本にも書いた。
日々のパン手帖 パンを愉しむ something good

実家の庭でとれた金柑を蜜煮にした。これで美味しいタルティーヌができる。美味しいという言葉に、それをつくる過程への想いがプラスされる。光の記憶、生まれた土地の匂い、金柑を籠に収穫する母の手。できあがったばかりのジャムは冬の庭の、日の名残りを宿していた。
(『日々のパン手帖 パンを愉しむsomething good』より)

半分に割り、種をとり、茹でこぼし、半量のグラニュー糖でさっと煮るだけです。とっても簡単です。簡単なのに、市販のジャムよりおいしくできます。


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清水美穂子
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