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西ドイツに生きた実業家の数奇な人生『ボック自伝翻訳出版』


 
前回のnoteの記事で、この自伝の目次を紹介しました。プロレスファンの方は、「第3章の“プロレス時代”だけでいいよ」と考える方も多いと思います。私もそうでした。しかし、第二次世界大戦後にドイツで育ったローラン・ボックの少年期・青年期に何があったのか、どうして“地獄の墓掘り人”になっていったのか、第1章・第2章にその伏線があります。

幼少期のボックと母・マリア(Gスピリッツより)

 身の回りに起こる困難に立ち向かうボック少年の成長、そして、レスリング、不良少年として暴れ回った時代、銀行員、教師、オリンピックアスリート、起業家へと向かうローラン・ボックの姿は、読者を惹きつけて離さないはずです。ボックの生き方は、ことあるごとに周囲との軋轢を生むことになります。しかし己の意志に忠実なボックの刹那的な行動原理は魅力的で、ある意味、羨ましくも感じます。

1970年、欧州選手権優勝(東ベルリン大会)

 このようにしてプロレスラー兼プロモーター“地獄の墓掘り人”ローラン・ボックが作り上げられていきました。プロレス時代に、多くのレスラーとの考え方の違いや、摩擦、リング上での“事件”が生じたのも頷けるのです。
 ボックは、野心的にプロレスに取り組み、ドイツおよび日本では“未知の強豪”、“最強”ともてはやされましたが、どちらかといえば成功したプロレスラーとは言えません。その未完成なところが気になって仕方がないのです。

 プロレス引退後の逮捕・収監のエピソード、獄中での起業、大成功したボックがどうなっていくのか。ボックは「自分が動くたびに抗えないチカラに潰された」と語ります。それは、少年時代、アマレス時代、プロレス時代、実業家時代、それぞれの時代での出来事の全てにおいて共通していて、興味深いところです。

 この自伝に描かれている西ドイツに生きた一人の男の生き様には、プロレスファンでなくとも、必ずや魅了されるはずです。

ローラン・ボック氏(2021年)

 昭和プロレスに興味がある方ならもちろん、プロレスには興味を持たない方たちでも、ローラン・ボックの数奇な人生にページをめくる手が止まらなくなるはずです。身の回りに昭和プロレスに限らず、オリンピック・アスリート、ドイツ社会に興味がありそうな方がいらっしゃれば、ぜひこのクラウドファンディングの紹介、オススメをしていただけると有り難いです。

 クラウドファンディング実施期間も、残り1か月とちょっとになってきました。目標達成まで、まだまだ厳しい状況です。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

クラウドファンディング支援ページ

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