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猪木vs.ボック第二戦、またも決着つかず
1978年11月12日、西ドイツ・ベルリン・ドイチェランドホールで行われた猪木vs.ボック第二戦は、非常に情報が少ない試合です。ここでは、当時の東京スポーツの記事を紹介します。(プロレス専門誌にも写真の掲載がないので、このnoteで引用した写真は、月刊ゴング'79年1月号からの引用で11月8日の試合です)
西ドイツ・ベルリン・ドイチェランドホール
観衆6,000人(超満員)
4分10ラウンドマッチ
A猪木(5R1分11秒 両者リングアウト)ローラン・ブルック
第1ラウンド)
ブルックはいきなり片足タックルから寝技の速攻で、猪木の関節をグイグイ決めてくる。初戦の対ルスカで痛めてしまった足がいうことをきかない。
ブルック執念の集中攻撃、猪木ピンチの連続だ。
第2ラウンド)
1Rをなんとか乗り切った猪木に最大のピンチが訪れた。2R、ブルックがレッグロックから恐怖のトーホールドスピンを爆発させた。足首をヒネリながら一回転。猪木の口から「ウォーッ」苦痛の声がもれる。なんと猪木は、ここまでに4度のフォールチャンスを与えてしまった。
第3ラウンド)
連戦の疲れが感じられる猪木が決死の反撃に移ったのは3Rからだった。ハンマーロック、アームロックでブルックの腕を徹底的に攻めつけ、こん身の力を込めてお返しとばかりに関節を決める。
「ギブアップしろ。お前の腕が折れるぞ」猪木が叫ぶ。しかし欧州最強の男といわれる怪豪ブルックは耐える。凄い根性だ。
猪木は一転作戦変更。ボディープレスで投げつける。フォールだ。しかし、カウント2で逆に大きくはね飛ばされた。その瞬間、麻縄がムキ出しになっているロープにしたたか顔を打ち付けてしまった。猪木の額から鮮血がしたたり落ちる。
「ロープだ」猪木のアピールは無駄だ。欧州ルールにロープブレイクはない。
第4ラウンド)
4Rに入るや、猪木は空手チョップと張り手の猛攻で突破口を開こうとするが、ブルックも負けじと蹴りで対抗してくる。意地と意地がブツカリ合う。猪木が2度ダウン。ブルックも4度ダウン。壮絶なスタンド攻防戦は痛み分けのまま5Rに入る。
第5ラウンド)
ブルックの頭部にはられたバンソウコウにも血がにじむ。猪木の張り手、空手チョップ、猛攻はさらに加速。ブルックもナックルで応戦。ロープ際で猪木は体を入れ替えた。
「出た!猪木のバックドロップ!」だが位置が悪かった。ロープ際から二人は、もんどり打って場外へ真っ逆さまに転落。両者はしたたか頭を打ってピクリとも動かない。レフェリーのカウントが始まった。
全く動かぬ二人に遂にカウントアウトが宣せられる。またも決着はつかなかった。”欧州No.1”のブルックは、猪木が前日ラサルテーズを静めた関節殺しにギブアップの「ギ」の字も発しなかったのだ。恐るべき敵である。
しかし、猪木が弱音を吐く事は許されない。まだまだ先には長くて凄まじい”格闘大戦争”が待っているのだ。
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