It's a piece of cake! 長尾彰著『「完璧なリーダー」はもういらない。』
『宇宙兄弟』好きならみんな知ってる「It's a piece of cake!」という英語表現。直訳すると「ケーキ一切れ」。ケーキ一切れくらい簡単に食えるぜ!ってところから発展して「楽勝だよ!」という意味で使われます。日本語の「朝メシ前」と意味は一緒。英語だとケーキが比喩に使われるようです。
長尾彰さんの『「完璧なリーダー」はもういらない。』は、マンガ『宇宙兄弟』の登場人物を例に、次世代リーダー論についてまとめた宇宙兄弟好きビジネスマン垂涎の一冊。著者の長尾さんの対談イベント(NewsPicksアカデミア)にも参加してきたので、宇宙兄弟大ファンの私が本とイベントで気になった内容についてサマります。
Want思考でリーダーシップを磨く!!
shouldよりwantで語れ!とのメッセージ。宇宙兄弟の中にはwantがいっぱい。「宇宙へ行きたい」、「月へ行きたい」、「ISSを存続させたい」など。このwantに惹かれてフォロワーがうまれ、チームができる。こうしてできたチームは強く、魅力的なチームになります。
注意すべきは、「相手にもwantがある」ということ。押しつけではなく、「私はこうしたいんだけど、あなたはどう?」という発展的コミュニケーションに持ち込みたい。
ゴールデンサークル
共感を呼ぶリーダーシップを発揮する人には必ず「why」がある、という話。whyとは目的。「目的を理解せずに、すぐに手法や作業に入ってしまう」のは、やってはいけないとわかっていながらやってしまうことの代表格。セカオワさんもRPGの中で、
「方法」という悪魔にとりつかれないで、
「目的」という大事なもの思い出して
と言っています。そして、whyの答えこそがいわゆるモチベーションというやつなのです。
whyを丁寧に、粘り強く。
1.1の法則
「今の倍頑張れ!」というと「うわーきっついなぁ」でめげてしまいがちですが、1.1倍ならなんとなか気がするものです。筋トレも、決められた回数の10回バーベルを上げ終わったときに、「あと一回行ってみようか!」とか無邪気に言われると意外と頑張れます。この1.1倍を積み上げれば大きな差になるよ、という話です。
そして、そんなときに大切なのが周りからの言葉です。「それはちょうどいい。楽勝だよ!」と言い続けて、「ちょっとだけ、無理なことに挑戦してこーぜ」というリーダーシップなら、一ヶ月後、一年後にはとんでもないパワーになっていることでしょう。
It's a piece of cake! はそんなときにうってつけの言葉。
他にも、愚者風リーダー、チームの発達の話などが、宇宙兄弟のシーンとリンクしながら進む「あーわかるわかる!あの話ね」が満載の書籍、イベントでした。
Fin.
マガジン『比喩ジャックマン』は、さまざまな書籍や音楽、映画などで使われる一流の比喩表現をフックに、ウィットな表現を獲得していくマガジンです。