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毎日食事はしても、料理ができるわけではない 『We are lonely, but not alone.』
比喩ジャックマンvol.23
持続と熱狂が両立するコミュニティとは
「人間誰しも何らかのコミュニティには所属している、あるいは所属していたにも関わらず、新しいコミュニティをつくることは一筋縄ではない。それはちょうど”毎日食事はしていても、料理ができるわけではない”ということと同様。」
佐渡島庸平さんの新著『We are lonely, but not alone』はそんな内容から始まります。
ザ・ハイロウズ時代の甲本ヒロトがとあるインタビューでロックンロールのことを、
何で塩いれるのかわかんないし 何で胡椒するのかわかんないし それが何でこの塩で、何でこの量なのかも知らねぇ。だけど、味見してうまいと思うかどうかだけは自信がある。
と喩えましたが、それはコミュニティも一緒。所属してみればよいコミュニティかどうかははっきりわかるけれど、それを一から作れと言われると悩んでしまう。
料理の場合はそうとう研究が進んでいるけど、コミュニティはまだまだそうではないということを考えると、より一層難しい。
では、どうするか?
この本には、その点について佐渡島さんが考える現時点の解が書かれています。胡椒と塩をどのタイミングでどのくらい突っ込むか、コミュニティ作成・運営のレシピのような本です。
安全・安心、からの熱狂
この本でいちばん興味深かったのは安全・安心と熱狂の関係で、安全・安心の確保が先に来るようにデザインしなければコミュニティは持続しないということです。
安全・安心とは、「波風が立たないこと」のように思われがちだけれど、この本では、
それぞれの人が、どんな行動をするのか予想できるようにすること。
と定義しています。そして、以下の記事ではその状態を作るために「コミュニティには旗印が必要」と言っています。
また、5/11に行われた佐渡島さんのトークイベントでは、「コミュニティが提示すべきなのは、ミッションでなくあり方」と少し言い方を変えて話しています。
※以下のレポート執筆担当したのでそちらもぜひご覧ください!
少し前まで私も所属していたHIU(堀江貴文イノベーション大学校)では、堀江さんからの厳しく的確なツッコミを、ガシガシ行動するメンバーたちが楽しみながら波風立つことなんて気にせず猛烈に活動していました。その結果、世に出たプロダクトやプロジェクトは数知れずという状態です。
HIUは、「バカになるくらい行動する人間に価値がある」、「Give &Give &Give」などがコミュニティのあり方で、それは堀江さんの普段のツイッターやメディアでの言動を見てれば予想がつく。つまり、安全・安心が確保され、それからメンバーの中に熱狂が生まれていると言えるのです。
「熱狂から始まるといっときのブームで終わってしまうが、安全・安心から始まって熱狂をデザインできればコミュニティは持続する」。これは、これからの時代、あらゆるビジネスを進める上でのカギになる考え方のように思います。
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