私のお母さんは、本当のおばあちゃんを知らない。

私のお母さんは、本当のおばあちゃんを知らない。

なぜなら戦時中、満州から引き上げる時に命を落とし、30代という若さで亡くなったからだ。

私のお母さんは、おばあちゃんがいるという感覚を知らないまま、生涯を閉じるだろう。

けれど、血筋は引き継がれていると思う。

本当のおばあちゃんの出身地は、長崎県の佐世保市だそうだ。

そして、我が家は大阪人だけど、お好み焼きやたこ焼きなどの、どんな粉もんよりも、長崎名物のちゃんぽんが好きだ。

長崎県のお菓子の、白くまアイスや、ボンタンアメや長崎カステラも我が家ではよく食べる。

長崎県へ一度も行ったことがないけれど、長崎県のような海のある港町が好きだし、神戸の中華街も好きだ。

本当のお母さんのおばあちゃんは、どんな人か知る由もない。

けれど、一体どんな人だったのだろう？