腸活の強い味方「ガラクトオリゴ糖」と「フラクトオリゴ糖」
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”健やかな毎日を送るためには腸内環境が大事”
これは、今や誰もが知る常識です。
今回ご紹介するガラクトオリゴ糖(GOS)とフラクトオリゴ糖(FOS)は、「難消化性オリゴ糖」という良い腸内環境を作る成分の代表例。日頃から積極的に取り入れたい成分として注目を集めています。
この記事では、これらGOSとFOSについて解説してきます。
この記事がおすすめの人
腸内環境を改善したい方
健康に気を使っている方
食生活を見直したい方
注意してほしいこと
この記事の内容は健康・疾患・医療に関する一般的情報と個人の見解を提供するものであり、実際に診療する医療者が行うアドバイス・治療に代わるものではありません。必ずしも全ての方にあてはまる訳ではないのでご留意ください。
GOSとFOSとは?
GOS(ガラクトオリゴ糖)
GOSはガラクトースという糖がつながった難消化性オリゴ糖の一種です。ヒトの母乳や牛乳にも含まれている天然物質で、誰もが食べたことのある安全性の高い糖質です。
FOS(フラクトオリゴ糖)
FOSも難消化性オリゴ糖の一種で、ガラクトースではなくフラクトースが繋がっています。野菜や果物、ハチミツなど自然の食品に含まれている成分です。
GOS・FOSの働き
GOS、FOSにはたくさんの効果が確認されています。中でも大切なものをピックアップしてご紹介します。
腸内環境の改善:消化管内でビフィズス菌など善玉菌を増やし、腸内環境を整えます。
短鎖脂肪酸を増やす:善玉菌が作る成分。多くの健康効果が確認されています。
便秘の改善:便のかさを増やし、便秘を解消する効果があります。
ミネラルの吸収促進:カルシウムはマグネシウムなどミネラルの吸収を助ける働きがあります。
ストレス、不安の軽減:以下で解説します。
GOS・FOSは精神疾患にも有効
「腸脳相関」という言葉を聞いたことはありますか?
腸内細菌の働きは腸だけにとどまらず、脳の働きにも影響するというものです。実際、腸内環境と精神疾患の関連性が多くの研究で示されています。
ADHDや自閉症、うつ病など精神疾患が、腸内細菌の種類や多様性と関連していることが示されています (Cheng et al., 2019) (Madan et al., 2020)。
さらにオックスフォード大学の研究では、GOS、FOSにストレスと不安を軽減する効果があり、その効果は抗うつ薬と同等だと示されました。
GOSとFOSの効果的なとり方
では、GOSとFOSはどのように取り入れたらいいのでしょうか。前述したように、これらの成分は食品に含まれているので、まずはこれらの食品を食べることから始めましょう。
食事からの摂取
GOS:乳製品(ヨーグルト、牛乳など)
FOS:野菜(玉ねぎ、にんにく、アスパラガス)、果物(バナナ、リンゴ)など
必要摂取量
GOSやFOSは少量では効果がなく、その効果を得るためにはある程度の量を確保する必要があります。
GOS:1日2.5gで腸内のビフィズス菌の増殖を促進。5g以上で排便回数が増加する。
FOS:1日1g以上で腸内細菌を改善。3〜5g以上で便通を改善する。
GOSやFOSは食品中に含まれる量がとても少なく、食事だけでこれだけの量を確保するのはかなり大変なんです。
たとえばFOSなら、これだけの量の野菜や果物を食べる必要があります。
このように、食品中に含まれる量はとても少なく、GOSとFOSの効果を確実に発揮させるならサプリメントを活用することをおすすめします。
ただし、食品にはGOSやFOSだけでなく、ビタミンやミネラルなど健康に欠かせない栄養がたくさん含まれています。
サプリメントだけに頼ってしまうと、これらの栄養をとる機会が減ってしまうことになります。特に野菜や果物は不足している人が多いので、意識して取り入れたいところです。
日々の食事を見直すとともに、サプリメントも上手に活用していきましょう。
まとめ
GOSとFOSはどちらも健康に良い成分で、特に腸内環境の改善に役立ちます。毎日の食事に取り入れることで、健康に大きなメリットをもたらすでしょう。この記事を日々の食生活を見直すきっかけにしていただけると幸いです。
参考文献
S. Cheng et al. "Identifying psychiatric disorder-associated gut microbiota using microbiota-related gene set enrichment analysis." Briefings in bioinformatics (2019).
A. Madan et al. "The gut microbiota is associated with psychiatric symptom severity and treatment outcome among individuals with serious mental illness.." Journal of affective disorders, 264 (2020): 98-106 .
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