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ツラい運動は必要なし!「NEAT」で楽々ダイエット
※この記事は約10分で読めます
みなさん、「NEAT(ニート)」という言葉を聞いたことがありますか?実は、この「NEAT」を意識するだけで、手軽にダイエットができ、健康も手に入る可能性があるんです。今回は、そんなNEATについて詳しく解説していきます。日々の生活の中で簡単に取り入れられる方法なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
この記事がおすすめの人
運動が苦手だけど、健康的に痩せたい人
忙しくて運動する時間がない人
座りっぱなしの生活を改善したい人
注意してほしいこと
この記事の内容は健康・疾患・医療に関する一般的情報と個人の見解を提供するものであり、実際に診療する医療者が行うアドバイス・治療に代わるものではありません。必ずしも全ての方にあてはまる訳ではないのでご留意ください。
NEATとは?その重要性と現状
NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis)とは、運動以外の日常生活での活動によるエネルギー消費のことを指します。立つ、歩く、家事をする、仕事をするなど、私たちが普段何気なく行っている動作全てが含まれます。
実は、このNEATが1日のエネルギー消費量の中でかなり大きな割合を占めているんです。
研究によると、NEATは1日の総エネルギー消費量の15〜50%を占めているとされています(Levine, 2004)。つまり、運動をしなくても、日常生活の中での動きを意識するだけで、かなりのカロリーを消費できるということなんです。
そんな中、現代の日本では座りっぱなしの生活が問題になっています。2011年の世界20カ国の「座っている時間」を比較した研究によると、日本はワースト1位の『平均7時間(420分)』という結果でした (Bauman et al., 2011)。また、2024年に発表された三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)を対象とした調査によると、平均座位時間は8時間以上という報告もされています (Yoshida, 2024) 。つまり、現代の日本人はとにかく座りすぎなようです。
特に日本人を対象とした研究では、座位時間が長い人ほど2型糖尿病のリスクが高まることが報告されています(Honda et al., 2016)。この研究では、1日の座位時間が6時間未満の人と比較して、10時間以上座っている人は2型糖尿病のリスクが約1.8倍高くなることが明らかになりました。
座る時間を減らしNEATを意識することで、どんな効果が期待できるのでしょうか?
NEATの主要なポイントと詳細説明
1. エネルギー消費量の増加
NEATを増やすことで、1日のエネルギー消費量を大幅に増やすことができます。研究によると、NEATの差によって1日最大2000kcalものエネルギー消費が生まれる可能性があるそうです(Levine et al., 2006)。
これは、1時間のジョギングで消費するカロリーの約3倍!NEATを意識するだけで、こんなにも多くのカロリーを消費できるんです。
2. 代謝の向上
NEATを増やすことで、代謝が向上する可能性があります。特に、インスリン感受性の改善や血圧の低下など、生活習慣病予防の効果が期待できます(Hamasaki et al., 2013)。
インスリン感受性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きの強さのことです。インスリン感受性が高いほど、血糖値を効率よく下げることができ、2型糖尿病のリスクが低下します。
3. 肥満予防と体重管理
NEATは肥満予防や体重管理に大きな役割を果たします。メイヨークリニックによると、体重管理のためにNEATを促進することを勧めています。反対に、激しいエクササイズのダイエット効果は期待はずれだったとのことです(Villablanca et al., 2015) 。
日本人を対象とした最新の研究では、1日の歩数が多い人ほど肥満のリスクが低いことが報告されています。実際、1日12,000歩以上歩くことで肥満を予防できることが示されています(Aoyagi & Shephard, 2013)。
4. メンタルヘルスの改善
身体を動かすことで、ストレス解消やメンタルヘルスの改善にもつながります。NEATを意識して日常生活に取り入れることで、心身ともに健康的な生活を送ることができるでしょう。
約13万人を対象とした研究によると、座りっぱなしの生活はうつ病リスクを上げることが報告されています。またテレビの視聴もうつ病リスクと関係があることが指摘されています (Huang et al., 2020) 。休日の過ごし方を見直した方がいいかもしれませんね。
NEATを増やす実践的なアドバイス
では、具体的にどのようにNEATを増やせばいいのでしょうか?日常生活の中で簡単に実践できる方法をいくつかご紹介します。
立ち仕事を取り入れる: デスクワークの際、立って作業する時間を設けましょう。スタンディングデスクを使うのも良いですね。1時間に10分程度、立って作業するだけでも効果があります。
歩く機会を増やす: 近距離の移動は車やエレベーターではなく、歩きましょう。通勤時に一駅分歩くのも効果的です。例えば、1日の歩数を1000歩増やすだけでも、十分な健康効果が期待できます。
家事を丁寧に: 掃除や洗濯など、家事を丁寧に行うことでNEATを増やせます。例えば、床拭きを念入りに行うだけでもカロリー消費量が増えます。家事を「エクササイズだ」と認識することでより効果的になります。
テレビを見ながら体を動かす: テレビを見る時間が長い人は、その間にストレッチや軽い運動を取り入れましょう。CMの間に足踏みをするだけでも効果があります。
デスクでの小さな動き: 足踏みやストレッチなど、デスクに座ったままでもできる小さな動きを意識的に取り入れましょう。このような足の運動もおすすめです。
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これらの方法は、特別な時間や場所を必要とせず、日常生活の中で簡単に実践できるものばかりです。皆さんの生活に合わせて、できることから始めてみてください。
まとめ
NEATを意識することで、運動が苦手な人でも、忙しい人でも、健康的に痩せられる可能性があります。日常生活の中の小さな動きが、実は大きな効果をもたらすんです。NEATを意識して、それを習慣化することに全力を注ぎましょう。例えば、この記事を読み終わったら、立ち上がってストレッチをしてみるのはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの健康的な未来につながります。一緒に頑張りましょう!
参考文献
Levine, J. A. (2004). Non-exercise activity thermogenesis (NEAT). Nutrition Reviews, 62(7 Pt 2), S82-S97.
Bauman A, Ainsworth BE, Sallis JF, et al. The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med. 2011;41(2):228-235. doi:10.1016/j.amepre.2011.05.003
Honda, T., Kishimoto, H., Mukai, N., Hata, J., Yoshida, D., Hirakawa, Y., ... & Ninomiya, T. (2016). Objectively measured sedentary time and diabetes mellitus in a general Japanese population: The Hisayama Study. Journal of Diabetes Investigation, 7(6), 857-864.
Levine, J. A., Vander Weg, M. W., Hill, J. O., & Klesges, R. C. (2006). Non-exercise activity thermogenesis: the crouching tiger hidden dragon of societal weight gain. Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology, 26(4), 729-736.
Hamasaki, H., Yanai, H., Mishima, S., Mineyama, T., Yamamoto-Honda, R., Kakei, M., ... & Noda, M. (2013). Correlations of non-exercise activity thermogenesis to metabolic parameters in Japanese patients with type 2 diabetes. Diabetology & Metabolic Syndrome, 5(1), 26.
Villablanca, P. A., Alegria, J. R., Mookadam, F., Holmes, D. R., Wright, R. S., & Levine, J. A. (2015). Nonexercise activity thermogenesis in obesity management. Mayo Clinic Proceedings, 90(4), 509-519.
Huang, Y., Li, L., Gan, Y., Wang, C., Jiang, H., Cao, S., & Lu, Z. (2020). Sedentary behaviors and risk of depression: a meta-analysis of prospective studies. Translational Psychiatry, 10.