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Francis Onyeka 〜天才の系譜を継ぐ者〜

 カイハヴァーツとフロリアンヴィルツ。もはや説明不要のタレントへと成長した両選手。前者はレヴァークーゼン史上最高という看板を引っ提げ、イングランドへ渡り、チェルシーをCL優勝に導き、現在アーセナルの中心選手として活躍している。後者は史上初の無敗優勝という大躍進の立役者として、現サッカー界でも最高と名高い才能を遺憾無く発揮し、多くのビッグクラブが獲得に名乗りを上げている。そして今、レヴァークーゼンの下部組織にその天才の系譜を継ぐ攻撃的MFが誕生しようとしているのだ。

 その名はフランシスオニェカ(Francis Onyeka)
2007年4月29日生まれの17歳だ。身長は186cmと大柄。利き足は左で、主にトップ下で起用されている攻撃的なプレーヤーだ。ドイツとナイジェリアの国籍を所持しているがU世代ではドイツ代表を選択している。

 現在レヴァークーゼンU19に所属するオニェカは昨季からゴール、アシストと結果を残し今季もUEFAユースリーグ(U世代のCL)では2戦2発と好調である。現在のドイツ、レヴァークーゼンのU世代は多くのタレントと共に結果を残している黄金世代であり、07世代での筆頭格が彼なのだ。

 彼の魅力は何と言ってもそのテクニックにある。左足でボールを持つ姿とその高い身長は先輩ハヴァーツに似ており、自信たっぷりに少しゆったりとしたペースでボールを握る姿はまさに"天才"のそれである。高い空間把握能力とプレービジョンは創造性溢れるプレーでゴールを生み出している。

右サイドで受けたオニェカ
敵を3~4枚引きつけることはザラである
逆サイドまでの広い視野と質の高いパス
完璧なクロスで先制点をお膳立て

直近の試合でもアシストを記録し、チャンスメイクに長けるオニェカだが、得点力やミドルレンジのシュート能力も抜群である。私は個人的に彼はデレアリに近い選手だと思っている。

プレスも厭わない献身性も彼の魅力
危険なエリアにスルスルと侵入
少し角度をつけて振り抜いた
GKの手の届かないファーを打ち抜くセンス

 決して守備が上手い選手という訳では無いが、守備意識は高く、エネルギッシュである。高身長で身体能力も高く、パワフルさとエレガンスを兼ね備えており、ここはハヴァーツに近い。またチームやUの代表でセットプレーを任されるなど、キックの質も文句無し。あまりにも多くの才能を持ち合わせている。
 とはいえ、まだまだエゴを出してしまうシーンやボールロストするシーンもあり、課題も十分ある。
しかし、チャンスメイク、得点力、創造性、身体能力とワールドクラスへの資質を備えていることは確かである。実際、チェルシーがスカウトを派遣するなど早くもビッグクラブが調査している程だ。トップチームのデビューは10月3日現在果たしていないが遅かれ早かれバイアレーナのピッチに立つことになるだろう。フロリアンヴィルツという稀代の天才の去就が問題となり、彼の代役が必要になる日は刻一刻と迫っている。ユース産の天才の系譜は受け継がれていくのか。類稀な才能を持つオニェカから今後も目が離せない。

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