転じる

様々な苦を、巴投げをすることでプラスに変える、具体的にはどのようにできるのであろうか

それにはまず自分にかかるマイナスな負荷をゼロにすることから始める。

一つ目はまず自ら解決不能なことを、自分の課題でなく自分以外、即ち他の課題であると分離するのである。解決不能だと苦しいこと、相手が自分の思う通りに動いてくれないこと、未来のことで予測不能なこと、誰かが問題ではなく、どうしようもないこと、例えば天変地異や病気や死などは、自分自身が解決する課題ではないはずである。それを自分の問題ではないと、分離してしまうのである。アドラーという心理学者が考え出したものである。

そうすれば、自分以外に起因する殆どの苦は、ゼロリセットされるであろう。解決できない苦を手放す感覚である。自分の課題でないなら苦しむこともない、と思うのである。苦を諦める感覚であろう。

例えば身内の死を例に取れば、苦を諦められない死直後は苦しむけど、それを諦めることで、時間が経てば人は復活する。それはどこかで課題の分離ができるようになるからだと思う。

これは巴投げで言えば相手の攻めをグッと堪えるところとなる。そうすれば攻められる力を反作用力として感じて、それをどうにか利用できる気になるであろう。

次はその反作用力を使って攻めに転ずる動きになる。

恋愛で言えば、失恋した苦を、まず課題を分離することで、その苦を諦めて、それを次の恋愛の原動力に転ずると言うことになる。

その力は失恋経験の無い人より大きいに違いない。ただそのように巴投げをするかしないかはその人次第なので、誰もがそうなるとは限らない。

上手く転じれば苦が大きいほど大きな喜びへ転ずる可能性がある。ただその喜びがまた転じて苦になる可能性があることも忘れてはならない。「巴投げ返し」という技があるなら、それにかかってしまうリスクがある。

では他人の課題と分離できない自分が原因で生ずる苦はどう対処するか。例えば自分が病気で苦しんでいる時に巴投げは使えるであろうか?

いいなと思ったら応援しよう!