別れ即出会い
別れ即縁
出会い即縁
だから別れ即出会いとなる。
出会いはとてもワクワクドキドキする。異なるものとの遭遇で、どうやって、異質を同質に変えてゆくのか? 自分にとって新しい縁を構築してゆくことだからだ。一方で、新学期で五月病にかかったり、不登校になったり、それが苦につながることもある。
別れは悲しい面が大きい。今までの縁がなくなる。身近で大切な人の別れは、そのショックが大きい。恋愛に関してもそうである。もちろん、逆に別れて嬉しいとか清々することもあるかもしれない。それは、縁に執着すれば、苦が生まれるからだ。
人間は、孤独には弱く、助け合って生きてゆく動物なので、出会いや別れは人生の一大事である。一生誰にも頼らず生きてゆくような、ゾウガメのような人生とは違う。だからそれがもたらす変化を直視せずに、逃げることもある。自分の人生を振り返っても、出会いにも別れにも逃げていたことがよくある。ただその反動は必ず来て、また縁を作ることを欲して、行動するようになる。
一方で生まれた時は、両親以外は縁がないわけだし、死ぬ時も基本は自分だけで死んでゆく。だから出会いや別れに執着してもしょうがないし、出会いや別れも無自性と言える。
別れが悲しくとも、別れるからゆえまた新しい出会いもある。新しい縁に目を向ければ、そこから広がってゆくであろう。3月、4月はそう言う時期だ。人生の節目を、別れ即出会い、出会い即別れの考えで、今に集中し、執着はしないが、そこから目を背けずに、逃げずに過ごしてほしい。後から考えれば、よかったなと思うに違いない。
ただ逃げてしまった人も、そのうち、また縁を求める時期が来る。今の時代は、一人で過ごすのが簡単になるよう、おひとり様グッズは揃っている。最後は一人と思えば、孤独を愛することも必要なのだ。出会いや別れへの執着は、対象が人間からモノに変わることで、減っていく世の中なのかもしれない。