「ツイスター」(1996)牛が飛んで、そして帰ってくる
続編のツイスターズが今月公開されたので前作を見直してみた。
随分と前にテレビで一度見たきりだったから内容も全然覚えていなくて、なんか竜巻を追いかけてよくわかんないボールみたいな機械を飛ばして理屈はわからんが竜巻を退治!アメリカに平和が訪れた!みたいな話だったとぼんやり思っていた状態での鑑賞だった。
まず、竜巻を退治する話じゃなかったのでいきなり「あれ?」となる。マジで内容覚えてなかった。
実際のストーリーは、竜巻の中にボールみたいなセンサーを飛ばして竜巻のデータを収集、その動きを予測する、というものだった。
それ自体は理解できるんだけど、竜巻の動きを予測するために竜巻の動きを予測して車で先回りする……ってところで「???」となる。
ある登場人物が同じ疑問を口にするんだけど、ストームチェイサーの面々が誰も答えてくれなくて笑った。
実際のアメリカはどうか知らないけど、登場人物みんなが竜巻の話しかしないし、映画やってる間ずっと竜巻が乱発し続けるしで、同じ世界の話に見えなかった。異世界の話みたいでこれはこれで楽しい。
牛が2回飛んできて「多分さっき飛んできたやつだな」って言うけどその話いるか?とか
主人公が巨大竜巻を前にして親の仇のような因縁を感じるシーンがあったけど、いや竜巻だからアンタの親殺したのとは別物だよ?とか
ライバルのストームチェイサー嫌なやつだったけど死ぬほどか?とか
クライマックスで竜巻の中心に入ってドラマチックな音楽がかかるけど、状況が絶体絶命すぎて全然ドラマチックに見えねえ!とか
ツッコミどころというか「そうはならんやろ」みたいなものが盛り沢山なんだけど、そこがまた楽しいポイントでもあった。
勢いと演出の妙で
「なっとるやろがい!このまま行くぞ!!!」
と押し切っていくパワフルさがこの映画の魅力なんだと思った。