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【教えて! のりこさん】 vol.1 発酵調味料の楽しみ方 ②発酵調味料と麹

発酵と調味料

 今、発酵調味料は体にいいって言われていますよね。今日は、自分で作れる発酵調味料の作り方をお伝えするんですが、実は、私たち日本人の昔からある調味料は、全部発酵調味料なんですよね。

 お醤油や、味噌、酒、みりん、お酢、 これらは全部、発酵してできています。発酵って、日本人の食文化の本随というか、中心にあって、自然と人間のコラボレーションというか、英知や知恵がすごく詰まったものなんです

 なのでこの基本の調味料を、余計なものが入らないシンプルなものに変えていくことで、心と体とか、感じ方、人との付き合い方、それに先ほどの話のように、命との関わり方も変わってきます。

 だから、おいしいだけが目的じゃなくて、 全てのことにこの調味料で繋がっていくっていうことを、私は感じています。

 さて、日本の調味料にはすべて〈麹〉が関わっているので、ここで少し麹の話をしておきますね。

麹のはなし

 〈こうじ〉という漢字は一般的には〈麹〉が使われることが多いんですが、米に花つまり〈糀〉、この漢字も〈こうじ〉なんですよね。米にコウジ菌っていう微生物を繁殖させたものを、〈こめこうじ〉といって、「発酵することで、ふわふわとお米に花が咲いているようなイメージ」から、この字なのかなと思うんです。

 大体、ひと括りにされているんですが、今日、私が使っている調味料は、お米の、米麹です。他にも、大麦や大豆を発酵させたものも、〈こうじ〉と言われます。

 栄養素については、もうご存知かもしれないんですが、米麹には、アミノ酸とか、ビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれています。ミネラルは一番人間に必要なものなのですが、それが、びっしり詰まった、栄養豊富な食べ物ということで、米麴が注目されています。コウジ菌がお米のデンプンを糖に変える過程で生み出される抗酸化物質の1つに〈コウジ酸〉というのがあります。これがとても体に良く、腸に良いと言われています。

 米麹だけじゃなくて、 大麦も大豆もそうなのですが、大体45℃から60℃で、一番活発に働くんですよね。だから、発酵させるときは、そのぐらいの温度帯を保つと、麹の力を目一杯引き出せるんです

 私はお家で手軽に取り入れやすい、ヨーグルトメーカーを使って、いろんな麹の調味料を作ったりしています。 このヨーグルトメーカー、とっても便利です。甘酒とか作る方は、炊飯器とかでもできるし、昔はこたつの中で、毛布やタオルに巻いて入れて作っていたそうです。

 麹の特徴として、60℃くらいがベストで、70℃を超えると、だんだん麹菌の働く力が弱くなります。例えば、お料理で麹の成分をめいっぱい取りたいなと思ったら、加熱したものの最後に加えるというようにした方が、栄養素自体はすごく取れるんですよね。パスタに麹の調味料使おうかなっていう時は、パスタが出来上がったら火を切って、最後に和えるとか。お野菜も、蒸した最後に和える。そうすると、麹の栄養素もしっかり取れると言われています。

 ただ、もし加熱して、今日スープとかにするから、70℃以上とかになるんですけど、そうなったとしても、タンパク質とかアミノ酸に変える力は残っているので、食材を美味しくしたり、柔らかくしたり、まろやかにしたり、そういう部分は消えないので、もちろん加熱調理にも使えます。

 あとは、保存ですね。今日、あいがもんくらぶのなほちゃんが、出来たての麹を販売してらっしゃって、それは生糀で、常温だとカビが生えてしまうので、すぐに冷凍庫に入れてもらうと、何か月も使えます

 一般的にスーパーとかに売ってある乾燥の麹は、もう水分が飛ばしてあるので、結構日持ちがします。でも、中にいるコウジ菌自体は死んでないんですよね。なので、水分を含んで温度上げると、また働き出します。乾燥コウジの方が水分が少なくなっているので、作る時に少し水分を補ってあげる、ふやかしてあげるイメージで作られるといいと思います。

 麹買ったけど、意外にたくさんは消費していないから、冷凍庫の中で、黄色くなっていた場合があります。黄色くなった米麹、つまり(老糀っていうのかな、)古くなったものは、アミノ酸の生産力がとても強いので、塩糀を作るのに向いています。

 若い麹は、(なほちゃんが、出来たての麹を持ってきてくれているんですけど)糖化力が強いので、甘酒作るのに向いています。だから、もし今日せっかく手に入ったら、ぜひ甘酒作ってもらうとすごくおいし美味しい甘酒ができます。

【教えて! のりこさん】 vol.1 発酵調味料の楽しみ方 ③塩麹の作り方 へ続く


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