リモート開発でも持続的な成果を。FN流のモブプロとは
こんにちは。ファームノート編集部の秋山です。本日は、ファームノート開発グループにおける取り組みについてです。リモートでWeb開発に取り組む方のお役に立てればと思いご紹介します。
リモートでの開発業務における課題
一般的になったリモートワーク。リモートでソフトウェア開発業務に取り組んでいる方は多いのではないでしょうか。リモートワークの浸透で、黙々と作業できる時間は増えたように思えます。一方で、リモートでの開発において、課題があるのではないかと説明してくれたのは、ファームノート開発グループの永沼さん。
1. ヘルプが必要な時に適切な相手に気軽に相談しづらい
2. ヘルプを必要としているメンバーを察知しづらい
3. 気軽な会話が難しいので、ドメインやプロダクトに関する知識の流通しづらい
ファームノートではオンラインコミュニケーションツールとしてSlackでのチャット、meetやZoomでのビデオ通話を利用しています。これらを利用したコミュニケーションだけではオフラインでの会話が併用できた時と比べて以下のようなデメリットがあるんだとか。
・チャットでは言葉以外の情報を捉えづらい(例えば表情など)
・ビデオ通話では相手の時間を確保する必要があり敷居が高い
・明示的に発信されていない情報をキャッチすることが難しい
例)「あの人今日は調子悪そうだな」「あの人1時間くらい手が動いてないな」など
リモートワークが中心となる以前は、こういったような状況をオフラインで近くのメンバーにちょっと声をかけたり、様子を伺うことで解決や察知することができたそうです。
これらのデメリットは上に挙げた1〜3の課題につながってきます。特に社内でのつながりがまだなく、誰かに声をかける心理的障壁が高い新規参画メンバーにとっては非常に難易度が高い状況を作り出してしまいます。
また情報流通が少なく、会話の敷居が高い状況は既存のメンバーにとっても困った時の相談や意思決定を難しくし、不安を感じる状況を発生させます。この状況下では心理面のケアに関してもこれまでより注意を払う必要があります。
そして、開発グループが持続的に成果を上げることができる状況を作っていくためにはこれらの課題に対応していく必要があります。
それらの課題に対して、ファームノートのエンジニアグループでは、モブプログラミング(以下、モブプロ)という手法で対応しているそうです。
ファームノート流のモブプロとは
実は、以前から永沼さんのグループではモブプロを実施しています。約2年前、その様子を取材しました。
*モブプロについての解説はこちらの記事をご覧ください*
当社では2020年からリモートワークが解禁になったことで、オンライン上でモブプロを実践しているというファームノート開発グループ。
ファームノートでは、ほとんどのWeb開発でモブプロを導入しています。3人1組で、仕様検討段階から、実装、保守に至るまですべてをモブプロで実施しているとのこと。11:30頃から18:00まで実施し、それ以外の時間は各々のタスクをやっているそうです。
東京、札幌、帯広間をつないで実施しています。
一般的なモブプロでは、ドライバーとされる役割の人はコードを書く作業のみに集中しますが、当社ではドライバーも考えながら作業していきます。
また、短時間でドライバーを交代するのが一般的ですが、当社では行っていないんだとか。交代が多いと逆に疲労がたまるからだそうです。
常時接続で実施するのでネットワークの面で不安があり、誰かが回線不調になった際にテンポが悪くならないかなどが懸念事項だったとのこと。実際に始めてみると、懸念していることが起きましたが、会社からのリモートワーク手当のおかげで自宅の回線を契約し直し課題をクリアできたそうです。
PCのスペックの問題で、開発中のビルドに時間がかかるという場合は、一旦カメラオフにして対応したりしています。
そしてこのモブプロ、当社で大切にしているバリューの軸にも合致しているんだとか。
互いの特性を知り、高いチームワークを発揮(Connected)
設計や実装難易度が高い業務だと、重い腰が上がらないことがあるそうです。一人で取り組むと、こういった状況になることもありますが、モブプロだと進めていこうという気持ちになり、作業が捗ることがあるんだとか。
とある案件で、これまで期待されていることができないという課題があったそうです。その課題を解決し、実際に生産者様が利用していることを履歴からみたときにやりがいを感じたそうです。このとき、複数のシステムにまたがって改修をしたため、苦労したこともあってやりがいを大きく感じたとのこと。
また、体制に変更があった際に、すぐにモブプロを実施することでお互いの得意部分を活かし、不得意な部分を補い合い、体制変更後すぐに成果を出せるようになりました。
一緒にやるからこその、挑戦的な選択肢(Bold)
ある機能を実装検討しているときに、プランAとプランBがあったそうです。プランAは既存の実装に手をいれて、改良するというものでした。こちらはある程度実装の想像ができて、できるだろうという実装方法だったとのこと。プランBは、挑戦的で新たに作るものが複数あり大変だが、今後のFarmnoteのためにやっておくと良さそうな実装方法でした。かなり迷ったそうですが、後者のプランを選択し、リリースまでこぎつけることができました。「モブプロをしていたからこそ、挑戦的な方を選択できたと思います。」と語る、菅原さん。
仕事のプロセスを見せ合い切磋琢磨(Professional)
「新たな気付きがたくさんあります。そういうやり方もあるんだなと日々発見があります。」と語る、方川さん。
Macでコピペする際、デフォルトでは直近の1件しかペーストできないのですが、ツールを使うことで過去30件までできるというのをモブプロで一緒にやっているメンバーがいて新たな発見があったそうです。
また、キーボードのショートカットなども作業している人によって新たな発見があることがあります。
以前、北海道セールスチームを紹介した記事でも触れられているように、向き合う課題は専門性が高く、ドメイン知識が必要なケースが多いようです。
生産現場の課題は、そもそも専門性が高い場合が多いそうです。しかも、様々な問題が複雑に絡んでいることもしばしば。それが飼養環境の問題なのか、働き方の問題なのか、はたまた牛個体の問題なのかを紐解いていかなければなりません。
モブプロを行うことで、ナレッジのシェアと実装をほぼ同時に行うことができ、スキルレベルがぐぐっと上がるんだとか。
こういった効果があった、ファームノートでのモブプロ。モブプロの様子やファームノートでの開発に興味がある方は、以下Wantedlyのリンクからお声がけください。
この記事を受けて、当社エンジニアがnoteを書いてくれました。あわせてご覧ください。
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