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香川県さぬき市での食用ホオズキづくり
【キャンディランタン】
基本情報
糖度の高い完熟果にはアンチエイジング効果も
世界中に多くの品種がホオズキ。昔ながらの日本のホオズキは有毒だが、最近は食用に適した品種が新たに知られてきた。袋状のがくの中の実はミニトマトのような形。淡いオレンジ色に完熟した実は、マンゴーのような甘味と上品な香り。糖度は12~15度もあり、生食のほかジャムやお菓子にもぴったりで、一度味わえば毎年育てたくなる。
実は含まれるイノシトールは抗脂肪肝ビタミンとも呼ばれ、コレステロールを下げる作用を持っている。アンチエイジングや美肌効果も期待できる。ビタミンA、βカロテンが豊富で、鉄分も含む健康野菜。
ナス科の野菜で枝はピーマンに似て、ナスの樹のように旺盛に育つ。乾燥・過湿に強く、やせ地や半日陰でも育ち、土質を選ばない。病気にも強く栽培しやすい野菜。
ミニトマトが育つほどの肥沃度が最適、養分が多い畑では、剪定などを工夫してつるボケを防ぐ。
栽培のポイント
・ナス科ホオズキ属
・プラグトレイやポットで育苗して、植えつける。
・開花後、結実し、袋が褐色になって熟したら収穫する。
肥料について
無肥料でも栽培できる。有機栽培の場合、元肥と追肥を行う。
種まき(4月中旬頃)
育苗は72穴のプラグトレイで。1穴に2粒ずつまく。薄く土をかけ、指で鎮圧。
むらのないよう、トレイの外側まで十分に水をかけたら、新聞紙で覆ってもう一度水をかける。トレイを保温ケースに入れ、2日後の朝に新聞紙を外す。その間は水やりしない。
本葉1~2枚になったら、よく育ち元気のある1本を残し、そのほかは根元からハサミで切り取って間引く。
本葉が2~3枚になったら10.5cmポットに寝かせ鉢上げする。
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生育に合わせ、葉が重ならないようにポットの間隔を空ける鉢ずらしをする。風を通して乾燥気味に育てる。水やりは控えめに。多すぎると生育が遅くなる。
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植えつけ・管理作業(5月中旬頃)
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定植は遅霜の心配がなくなり、最低気温15度を上回って地温が上がってから。本葉4~5枚で双葉が元気なうちに植えつける。前日の夕方にストチュウ水をたっぷりやり、当日はタライに深さ3cmほどにストチュウ水を張り、定植3時間ほど前からポットを浸して底面吸水させる。
定植する場所の北側に支柱を立て、草を地際から刈り、移植ゴテで根鉢と同じ深さに植え穴を掘る。植え穴の壁に混植するニラを立てかけ、根鉢を穴に入れる。
根鉢と植え穴の隙間に、掘った土を上下そのままに戻し、しっかりと鎮圧して根鉢と周囲の土とを密着させる。もともと生えていたかのように植えるのがよい。植えつけ時と、その後の3日間は水やりしない。
定植したら根鉢の周囲15cmほどを草マルチで覆う。ただし地温を上げるため、根鉢の上は日が当たるように草マルチせず、地面を出したままにする。
最初の花が咲いたタイミングで、花の下に出る強いわき芽を残し、それより下に出るすべてのわき芽を一斉に欠き取る。
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追肥する場合
花が咲きはじめた頃に追肥。
誘引する主枝から出る側枝は、実が2つついたら、その都度、その先の葉を1枚残して摘芯。ただし、極早生種ややせ地では、1番花後のわき芽欠きだけで、後は放任でよい。
風に弱いので生長に合わせて支柱に誘引を続ける。枝は4本に仕立てて、各枝に支柱を1本ずつ、垂直にしっかりと土に差して立てる。定植時に立てた真ん中の支柱のほか、外側に4本の支柱を立てて、枝を4方向に垂直に誘引していく。
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追肥はいらない。特にやせた畑で実が大きくならない場合だけ、月1度ほどのペースで草マルチの上から米ぬかを一握り、株の周囲にぐるりとまく。なお極早生は樹も実もそれほど大きくならないのが特徴。
真夏の暑さと少雨が続くと、樹勢が弱まって枝の先端に花がつくようになる。このときは草マルチをたっぷり敷いて根の乾燥を和らげ、夕方には土に水が十分にしみ込むよう、葉の上からジョウロでたっぷり水やりする。
収穫(8月上旬~11月下旬頃)
実を包むがくが緑色から淡い褐色に変わったら収穫時期。すぐに食べられるが、実が深い山吹色になるまで涼しい場所で追熟させると味わいが増す。
品種によってはがくに入った実が草マルチの上に自然に落ちるので、拾い集めて収穫する。
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10月は霜に数回当たる時期まで収穫できる。ただし完熟まで時間がかかるので、10月に入ったら、実がついた先の葉を1枚残して摘芯し、花をつけないようにする。残った実の完熟が早まる。
種とりについて
完熟果を収穫後、さらに1週間追熟させた後、実をつぶして種を出し、容器に入れてフタをする。2~3日常温で置いて発酵させ、その後、茶こしなどで水洗いする。こするようにして果肉を除く。これをだしパックなどに入れて吊るし、十分に乾燥させてから保存する。