香川県さぬき市でのイチゴづくり
栽培している品種
【宝交早生】(2023年自家採苗2回目)
…露地栽培に向くといわれる品種。
成功のコツ
栽培のポイント
・バラ科キジムシロ属
・クラウン(株元の茎のつけ根の部分)が太い苗を植える。
・2年目以降は苗づくりに挑戦し、丈夫な苗を育てる。
おすすめ品種
家庭菜園は露地栽培が基本なので、宝交早生やカレンベリーがつくりやすい。ハウス用品種は受粉昆虫がいない冬から開花するため、実をつけるには人工授粉が必要。→のんびりガーデンでは、宝交早生を栽培する。
必ず2株以上、できれば4株以上ほど植えられると受粉率がよくなる。多年草で、自然菜園ではたいてい病気も出ないので、親株と長男・次男はそのままにすれば翌年も花を咲かせ実をつける。ただし年々花芽が多くなり摘花しないと実が小さくなる。1~2年に一度は三男・四男を植え替えて更新する。
「三男・四男を苗とり後、長男・次男は庭石の縁などに植えて、庭どりイチゴを楽しめます」
混植
ニンニクやネギで病虫害予防
畝の中央か両わきを高畝にしてイチゴを植え、30cm以上離してユリ科のニンニクやネギを植えると、イチゴの病虫害予防になる。
「ただし間隔が30cm以下になると根が競合してイチゴの実が小さくなるので注意してください」
ユリ科のなかでもニラはヒゲ根がイチゴと競合するので避ける。
畝の両側を高くしてイチゴを植え、間にニンニクやネギを植える。
イチゴの株間30cm、ニンニクとイチゴの株間30cm、ニンニクの株間15cm。
畝中央の高畝にイチゴ、両側にネギやニンニクを植える。
畝の準備(9月中旬)
植え付けの1か月前に、腐葉土2:籾殻くん炭1を混ぜたものを植え付け場所に入れておく。
植えつけ(10月中旬)
クラウンを半分出して浅植え
ポット苗は前日からストチュウ水を底面吸水させ、よく晴れた日中に植える。
ポイントは浅植え。クラウンと呼ばれる株元の茎は埋め込まず地上に出し、ポット苗は根鉢の上面が地面より低くならないようにする。
水はけが悪い畑では病気が出やすいため高畝に。果実は親株側のランナーの反対側につくので、植えつけのとき親株側を畝の内側に向けておくと収穫しやすく、果実への日当たりもよい。
草マルチと補い(10月中旬~12月下旬頃)
植えつけ後は株元を空けて
植えつけと同時に周囲に敷く草マルチは、10月中は周囲15cmほどを空けておく。こうすると昼間地面が暖まりやすく、夜は冷えるため根が寒さを避けようと深く潜る。
草マルチの上から米ぬかを一握り補うと実の甘味が増す。タヌキなど獣の害が多い場所では被害を増やすため春まで補いはしない。
11月に霜が本格的になったら株の周りに籾殻をまく。紅葉して枯れた葉は自らの寒さ避けなので、冬の間はとらずにおく。
冬の管理作業(12月下旬~2月下旬)
稲わらや遮光ネットを畝全体にかける。風で飛ばないように、はじは金具などでとめる。
わらをかぶせる場合は全体を軽く覆うようにのせ、風で飛ばないように麻ひもをぴんと張って、3~5mおきにクイなどでおさえる。
乾燥しすぎるとアブラムシが出やすいので、保温の意味がある。また、冬の間に光をさえぎると、春以降の花つきが順調になる。
1~2月に咲いた花は受粉しないので除く。収穫前に伸びる季節外れのランナーもとる。
マルチング(2月下旬)
蕾をつけたら草マルチと米ぬかを
2月下旬、ウメの花が咲きイチゴが蕾をつけ始めたら、遮光ネットやワラをとり除く。枯れた葉や老化した葉も除き、しっかりと草マルチを。実の甘さが増すよう草マルチの上から米ぬかを一握りまく。
米ぬかは実をつけた後にはまかない。実が傷む原因になる。
収穫の準備(3月中旬ごろ)
茎葉が伸びてきたら、1株ずつ茎葉を束ねて麻ひもで軽く縛る(花茎も一緒に縛る)。茎が垂直に立つことにより植物ホルモンが活性化し、実が甘くなり、病害虫も減る。
人工受粉・摘果(3月下旬ごろから)
自然菜園ではハチなどの虫が多いので一般に人工受粉は必要ない。ただし、開花しても実がならないときや、いびつなイチゴがつくときは受粉が不十分。やわらかい筆などで雄しべの花粉をなぞり、ほかの株の花の雌しべにまんべんなく受粉させる。
株元の小さい実や、奇形果は早めに摘果する。
葉かきと麻ひも直し(4月下旬)
収穫(5月上旬から下旬まで)
へたが反り返ったら収穫のサイン
花が緑の実になったら、さらにしっかりと草マルチをして、実を泥の跳ね返りなどから守る。
この時期に雨が降らないときは、たっぷり水やりすると実が大きくなる。ただし、実が赤くなった後の水やりは、味を落としてしまう。
実が赤くなり、へたが反り返って実から離れたら完熟。収穫する。
上にひもを張るか、ネットのトンネルで鳥の食害を防ぐ。ベタ掛けでは逆にネットに鳥が止まり、食べやすくしてしまう。寒冷紗など目の細かいものは虫が入れず受粉できないので避ける。
枯れた葉はこまめにとり除くことで、灰色カビ病など病害虫の予防になる。
収穫している間に、よい実がたくさんつく健康な株を確認しておく。
翌年の苗を育てる(収穫が終わった6月ごろから)
簡単な苗とりは、伸びるランナーを放置し、植えつけ時に次男、三男をランナーを切って掘り上げる。
病気が出にくく根つきがよい方法は、根が伸び始めた次男をポットに受けて育てる。ポットの土は畑土か、病気気味なら市販の培土を。
長男は、親株の病気を受け継いでいる可能性が高いため除く。しかし、家庭菜園レベルではそこまで気にしないでもよいかもしれない。
8月下旬、本葉3~4枚になったらランナーを切る。親株側のランナーは目印に2~3cm残す。10月の植えつけまでポット育苗か苗床に仮植えする。
ポットは受けた孫株、ひ孫株は浮き上がらないようにランナーをピンでとめて根つかせる。ポットは土に埋めると水やりに気を遣わずに済む。
2024年
2023年
様子
畝の準備(9月下旬)
子株の植え付け(10月下旬)
上に戻る。