ルソー「社会契約論」実践の書
ルソー 『ポーランド統治論』 1782年 ロンドン [パリ]刊
Rousseau, Jean Jacques, Considerations sur le Gouvernement de Pologne, et sur sa Reformation Projettee. Londres [Paris], 1782 <R20-99>
<12mo, 274pp, modern half cloth binding with red board, gilt edges, joint cracked, stamped by former owner on title page>
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本書はジャン=ジャック・ルソーが晩年に取り組んだ政治著作です。ルソーによると本書執筆のきっかけは、近代ポーランド史における最初の反ロシア組織であったバール連盟より、ポーランド・リトアニア共和国の分割を目論むプロイセン王国、オーストリア帝国、ロシア帝国の内政干渉に対抗し独立維持をするための政治改革案作成の依頼を受けたためでした。
ルソーの代表的著作「社会契約論」があるべき国家観を示した理論書であるのに対して、本書「ポーランド統治論」はそのあるべき国家観を現実の国家に応用させようという実践の書と位置付けられています。「ポーランド統治論」の初版は1771年、第一次ポーランド分割(1772年)の直前に発表されました。
本書はルソーの死後である1782年、ルソー全集と同年に出版されたものです。第一次分割が行われた後も、第二次分割、第三次分割と傍観されていたわけではなく、やがてヨーロッパで最初の成文憲法を生み出すことになるポーランド・リトアニア共和国の改革の動向がヨーロッパで注目されていたことを物語る書籍です。
参考文献:西川純子「ジャン=ジャック・ルソーの「内面の統治」論につちいて 『政治経済論』から見た『ポーランド統治考』の序章」、『年報地域文化研究』16号 2013年 174-194頁
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