ゲーテに代表される「教養小説」に対するアンチテーゼ
ギュンター・グラス 『ブリキの太鼓』 初版 著者サイン入り 1959年 ベルリン刊
Grass, Guenter, Die Blechtrommel. Berlin: Hermann Luchterhand Verlag, 1959<R18-56>
<First edition, 8vo, 736pp, singed by author on the title page. clothbound with dust jacket. dust jacket chipped>
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1999年ノーベル文学賞受賞者ギュンター・グラスのデビュー作品です。第二次世界大戦前のダンツィヒ、生まれながらの天才的な頭脳を持ちながら、3歳の誕生日の時に地下室に転落して体の成長を止め、ブリキの太鼓を叩きながら叫び声でガラスを破壊してまわるオスカル。この3歳児の視点から国民社会主義が広がっていく大人社会を観察し、その偽善を暴いていく子供の視線から描かれた小説です。
ゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』に代表されるような、主人公が心身ともに物語の中で成長を遂げるドイツの伝統的な教養小説に対して、成長をとめてしまう子供のオスカルはそれらへのアンチテーゼといわれています。
参考文献:柴田翔『はじめて学ぶドイツ文学史』ミネルヴァ書房、2003年
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