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領海3カイリ説の先駆となった記念的著作
バインケルスフーク 『海洋主権論』 初版 1703年 ハーグ刊
Bynkershoek, Cornelius van, Ad L. Axiosis IX. De Lege Rhodia de Jactu Liber Singularis. Et de Dominio Maris Dissertatio. Hagae Batavorum, Joannem Verbessel, 1703 <R21-169>
First edition. 8vo, [24], 119, [5], 106, [2]p., contemporary vellum
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「自由海論」で知られたグロティウスと同じオランダ出身の国際法学者バインケルスフークは1703年に『海洋主権論』を公にしました。本書ではグロティウスに依拠して、「公海の一般的自由は慣行と条約によって、すでに確立している」とし、ただ海岸から大砲の弾丸の到達する範囲までの接続海域の領有のみが沿岸国に認められるにすぎないと論じました。
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バインケルスフークが「領域の支配権は武力の尽きるところに尽きる」という有名な言葉を用いて、着弾距離内で国家の領有権が主張できる沿岸海とそうでない外洋を分離した考えは、着弾距離説として知られるようなり、19世紀後半から20世紀初頭にかけて国際的な慣習法として定着しました。
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なお自国の海岸を防衛するための着弾距離を具体的に3カイリとし、それを沿岸国に属する領海の範囲としたのは、18世紀後半のイタリアの法学者フェルディナンド・ガリアニまたはドミニコ・アズニがその最初と言われています。
参考文献:松隈清『グロチュースとその時代』、九州大学出版会、1985年
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