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ヴァイマル共和国の精神を体現した政党“ドイツ民主党”による共和制政治の総括書
エルケレンツ 『10年間のヴァイマル共和国の政策』 1928年 ベルリン刊
Erkelenz, Anton, Zehn Jahre Deutsche Politik. Ein Handbuch fuer republikanische Politik. Berlin, Sieben Stabe, 1928 <R13-474>
<First Edition. 8vo, 570pp, original boards>
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本書は、ヴァイマル共和国の精神を体現したといわれる政党「ドイツ民主党」が共和制成立から10年目の総括として発行したものです。ドイツ民主党はドイツ帝政期の自由主義政党である進歩人民党と国民自由党左派が、ビスマルクによるドイツ統一以来の自由主義政党の分裂克服を目指して1918年に結成した政党です。党関係者に関して、ドイツ史のなかでも著名かつヴァイマル共和制の設立に関わった人物が多数含まれていました。
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ドイツ自由主義政党の協調に尽力した初代党首フリードリヒ・ナオマン(Friedrich Naumann)、社会学者マックス・ヴェーバー(Max Weber)、ヴァイマル憲法を起草したフーゴ・プロイス(Hugo Preuss)、外務大臣を務めたAEG会長ヴァルター・ラーテナウ(Walter Rathenau)、哲学者エルンスト・カッシーラー(Ernst Cassirer)、歴史家でノーベル平和賞受賞者ルートヴィッヒ・クヴィッテ(Lutwig Quidde)、平和主義者ヘルムート・フォン・ゲルラッハ(Hellmut von Gerlach)、国際法学者ヴァルター・シュッキングなどが挙げられます。
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また、後にドイツ自由民主党の党首となり、ドイツ連邦共和国の初代大統領を務めたテオドア・ホイス(Theodor Heuss)も同党に所属していました。
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尤もドイツ民主党はヴェルサイユ条約をめぐる党内対立から退潮傾向に歯止めがかからず、この書籍が発行された時期には、連立相手であった社会民主党やドイツ中央党だけでなく、自由主義の競合政党であったグスタフ・シュトレーゼマン(Gustav Stresemann)率いるドイツ人民党にも議席数で圧倒されていました。そうした時期にあってもドイツ民主党は本書にて「共和国の国家建設は我々の思想に基づいて行われた。中央党と社会民主党はその思想実現のために実現のために尽力したが、その思想や実現形態自体は我々に由来するものだ」と述べ、共和国を体現する政党としての姿勢を崩していませんでした。
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本書が発行された1928年は事実上ヴァイマル共和国最後の議会制内閣である社会民主党のヘルマン・ミュラー(Hermann Mueller)率いる大連合内閣が成立し、ドイツ民主党も政権に参加していました。そういう意味で、本書はドイツ民主党のヴァイマル共和国への最後の心情告白であったといえます。
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