11年11月23日 大田原マラソン
21回目のフルは、初めての大田原。制限時間4時間レース、48歳の挑戦!普通の市民マラソンはファンランランナーも多いが、ここは違う。趣の異なるガチなレースを楽しめた!でも完走なるもSUB4ならずで生涯勝敗7勝14敗。
「走れる幸せをかみしめろ!」
大田原マラソン36km地点、沿道の応援者が掲示していた応援メッセージである。既に失速してふらふらの体と脳味噌とはいえ激しく刺激され、この言葉がストンと心に落ちた。
この夏に訪れた被災地の旧知の皆さん、ガンと闘病中の母の顔が頭をよぎる。「走れる幸せ」、まさにその通りであろう。我が身は48歳、老いを感じることがあるとはいえ、健康で、余暇を楽しむ余裕があり、今日もレースに出られている。今日ここを走れていることを神に、まわりの皆に感謝しなければならない。
36km地点。ここ3kmは完全な失速状態。@7’00ペースまで落ちている。制限時間4時間の厳しいレースだから、やっぱり前半に若干強く押してしまった。その結果が33kmからのド失速である。疲労困憊状態。そこで目にした「走れる幸せをかみしめろ!」という言葉。ストンと心に落ちた後、繰り返し頭の中でリフレインする。
この少し前35kmを過ぎたところで、同じように失速しているランナーから「38km過ぎの関門まで行きましょう。それをクリアすれば4時間過ぎてもゴールまで走らせてくれます。」とアドバイスを受けていた。「それなら行けそうですね」と返すと「いやいや、あと25分ですから油断はできませんよ。ただ走り続けられれば大丈夫でしょう」とのこと。
その直後に見つけた応援メッセージ。体は苦しいが「走れる幸せ」と肝に銘じながら進む。そろそろ関門かと思っていたら係員から「あと800mほどで最終関門があります」と声がかかる。「まだそんなにあるのかよ~」と思いながらも必死に足を運ぶ。関門が見えてきた!実際には800mもなかったな。ふ~っ。2分を余して関門を通過。その際には思わずバンザイ!制限時間4時間のレースにものすごい緊張感があったわけだが、「ゴールまで行ける」とわかった瞬間に大きな喜びを得た。
でも足は動かない。「走れる幸せをかみしめろ!」と自らを鼓舞しながらトタトタ走る。関係者の無線から「最後尾はタイヤショップを通過」と聞こえた。「タイヤショップって、ついさっき通過したばっかじゃん!本当に直後で打ち切られているんだ~」と僅差で通過した自分の幸運さをかみしめる。抜かれる抜かれる。一方で歩いているランナーをポツポツと抜く。
37.2km(残5km)から38.2kmまでの1kmは幾分リズムを取り戻し6’19なのに、関門を通過した次の1kmは7’16まで落ちる。さらに39.2kmから41.2kmまでの2kmは15’27。実に@7’44!!トタトタトタトタ・・・・
40km通過がN3:49’32。歩かないぞ!ラストスパートなんて利くわけもない。トタトタトタトタ足を運ぶ。ラスト1km でN3:58’50。この1.195kmに9’17かかり、「あ~、4時間切れなかった・・・」。あきらめるが歩かない。トタトタトタトタ。競技場への取り付け道路を進む。歩き出しているランナーに「最後、走りましょう!」と声をかける。陸上競技場に入る。トラック1周が長い!最後200mで一応スパートと思いペースを上げる。ビキッ~!と左足大腿裏に電気が走る。おぉ!あっぶねぇ~、またやっちまうところだった。それでも若干ペースが上がり、さらに最後100mの直線で足を伸ばすようにスピードアップ。
で、GOAL!ラスト1kmは6’59。そしてゴールタイムG4:05’49、N4:05’28!
最後の関門のことを教えてくれた名も知らぬランナー、今日はアナタに大感謝です。お陰さまでゴールインができました。でも、この人、私に声をかけた後、歩き出す。また走り出して私に並ぶと歩き出す。それを何度も繰り返した。うっとおしかったな。
係員に「ありがとうございました」と礼を言いつつゴールエリアをふらふらと抜ける。ぶっ倒れたいところだが「ストレッチをしないと後からさらに苦しむ」ということがわかっているので、ふらふらしながら全身を伸ばす。その最中4:09位で「これで最後」という声が聞こえる。あとからプログラムを見たら「ゴールは4:20まで設置」とのことであったが、38kmの関門を通過した中での最終ランナーがゴールしたのだろう。即座にゴールの撤収が始まった。危なかったな~。
体育館に入るともうランナーの半分くらいは帰ったみたいだ。ゆっくり着替える。凍結タオルで全身を拭って、両膝にサロンパススブレーをブッシュー。その上から湿布を貼付。これだけゴール後迅速に膝をケアしたのは初めて。
15:00頃体育館を後にする。西那須野駅までバスで送ってもらい15:21発。宇都宮乗換え16:15発で上野着17:58。ふ~。その後自宅そばのマルエツでステーキ肉を購入し自宅で独り打ち上げを行った次第。
そもそもこのレースを申し込んだ契機はなんだったか・・・
まともな判断力があれば「制限時間4時間」「栃木県」かつ「祝日とはいえ週の真ん中の水曜日開催」のフルに申し込むはずがないのだが・・・。11月27日開催の「筑波フル」の申込みが締め切られたことに腹を立てた勢い、さらにアルコールに後押しをされ、その近辺のレースということで申し込んだのではなかったか?正確な記憶がないのが情けない・・・
それでも申し込んだ以上はそれに向けて動くのは当然のこと。例年以上の距離を踏んで今日を迎えた。
6:48上野発の新幹線で那須塩原へ。送迎バスで会場入りが8:20位。まぁ、新幹線代はかさんだが3時間弱で着いたのだから距離はたいしたことはない。
予報では気温13℃ということで長袖を選択したのだが、陽射しもあり半袖でよかったかもしれない。まぁフルは歩く可能性もあり、やっぱり長袖なのかな?
お稲荷さん1つを食し、9:30にはスタートの陸上競技場に入り、ゆっくりJOG。スタートラインには9:45頃並んだ。
10:00Dong!陸上競技場を3/4周して路上に出るのだが、競技場出口で詰まり、一度停まってしまった。「停まるか?ふつう・・・」とつぶやいたら隣のランナーがうなずきながら笑っていた。
陸上競技場から出ると、すぐに右足の締め付けがきついと感じる。ストレスを感じながら4時間を走るのは無理。即、コースアウトして緩める。ロスは5秒程度だろう。ウォームアップでのチェック不足は何度も後悔しているのにどうしても穴がある。情けない。
渋滞の中、市街地を進む。2km位でやっと落ち着いてきたのかな。今日のコースは前半下って、後半登り。高低差88m!!これだけの高低差があって、かつ、制限時間は4時間と厳しいから、下りの前半に貯金を作りたい。「前半ハーフは1:55。後半粘って2:05で戻りたい」というレースプラン。
km表示は5km毎にしかないようだ。最初の5kmはN27’13。スタートの混乱でロスしたことを考えるとこんなものか?おしゃべりしながら進む3人組がいる。「予定より17秒遅れ」とか言っている。5km27’00というペースで行くのなら私にも丁度いい。付いていくことにした。
そのまま素直に田園地帯を付いていって、10km通過。この5kmは28’03。3人組は「遅れているけどこのまま行こう」とか言っている。う~ん、どうしよう・・・前半は下っているから28’00ペースではな・・・12km過ぎたあたりで自然と3人組の前に出た。右に曲がって下る。自然とストライドが伸びる。どんどん抜く。「調子に乗っているわけではないよな~」と自問自答。ただ明らかに抜く方が多いからペースはかなり上がったのだろう。15km通過。この5kmは26’43。「下りだからこんなもんだろう」と自らを納得させる。
18km位かな?このレース唯一の折返しがある。
20kmまでは5km26’44。中間地点をG1:54’55で通過!「予定通りじゃん!」と気を良くする。ちょっとずつ登り始めた25kmまでは26’50。安定したペースといえばそうだが、登っている分ちょっと息が上がってきた。
30km手前。やばい!息が上がり、ピッチが伸びなくなってきた!!30kmまでの5kmを27’49、N2:43’46で通過。残り12.2kmを1:16で行けばいいのだから@6’00ちょっとの勘定。ただ今日の自分には全く自信が持てなかった。
ピッチがさらに落ちていくのがわかる。本日2個目のザバスピットを注入する。簡単に復活するわけがない。抜くより抜かれる方が多くなる。33km位で完全に足が止まり@6’00を大きく超過したことを自覚。35kmまでが31’37でN3:15’23。残り7.2kmを44分。難しいな~。と思っていたときに隣のランナーから「38km関門」の話を聞いた次第。
今日は後半ド失速したが歩かなかった。一つは冒頭の「走れる幸せをかみしめろ!」。もう一つ頭の中をよぎっていたのは「行列のできる法律相談所」の菊地弁護士。佐渡トライアスロンでの脅威の粘り。テレビを見ながら涙を流していた私は「あの人にも負けていられない」と思っていた。何事にも刺激を受けて走っていこう。
この大会の参加資格は「制限時間4時間」。実際は38.3kmの関門を3:40で通過したら、4:20までゴールは開いているということだった。RUNNETによる今日の順位は、22○○位/2263人。私の後続はわずか20人弱。何人が足切りにあったのかなぁ。
今日の総括。
タイムはこんなもんかな~。この10月から正味1kg体重を落としたがまだまだだな。
一方、歩かなかったので満足感は得られた。
「走れる幸せをかみしめろ」は今後も肝に銘じて走り続けたい。
あと、今日のレースは栃木県開催。これで1都1道2府13県のレース(ハーフ以上)に参加したことになる(北から北海道、青森、岩手、秋田、宮城、栃木、埼玉、東京、千葉、神奈川、山梨、京都、奈良、大阪、和歌山、兵庫、徳島)。
後日談。
レースの翌日木曜日は、仕事で懇親会、翌々日も「日本酒銘酒が飲み放題4,000円」という店で懇親会。しこたま飲んだら、土・日は内臓がSOSを発信したようで、だるくて動けなかった!やっぱり膝も痛むし・・・漢方か何かのCMで「男性は8の倍数の年に体が変わる」とか言っていたけど「これのことか?」って感じですわ!
以上