不確実な未来に向けて堅実な投資をする方法とは?
人が、不確実な状況下に陥った時の
心理状況を分析・理論化したプロスペクト理論。
プロスペクト理論によると、
人は、逃れられない損失を前にした時、
それを避けようと、自らリスクを取りに行く
という、不合理な選択をすると言います。
事例を見てみましょう。
2021年、アメリカの小さなファンドの破綻が、
名だたる名門金融機関であるゴールドマン・サックスや
モルガン・スタンレー、クレディ・スイス、野村證券などに
甚大な被害を与えました。
ファンドを運営していたのは、
アルケゴス・キャピタル・マネジメントのビル・ファン氏。
実は、この人物は2012年にもインサイダー取引で
処罰の対象となり、ファンドを閉鎖した過去がありました。
ファン氏は、アルケゴスを設立後、
一極集中型の高いレバレッジ、つまり借金をした
ハイリスク投資を繰り返すことで、
資産を8年で100倍に増やしていました。
ところが2021年3月下旬、
出資していたメディア株の下落が始まると、
アルケゴスは資金不足に陥り、瞬く間に崩壊。
ファン氏は、金融機関から追加の担保を求められても
応じない一方、株価の下落を止めようと、
部下に株を買い支えるよう指示しました。
これが、プロスペクト理論でいう
不合理な選択なのです。
では、私たちが資産運用をする際は、
一体どうしたらいいのでしょうか。
それは、感情ではなくルールに則って行うことです。
人は、基準があれば「そこからずれていないか?」
と自問することができます。
基本となるルールは、以下の2つです。
1、目的と目標を決める
2、資産運用を10年以上継続する
選択肢を間違えないためにも、最初に目標を決めます。
次に、「長期保有しても良いと思える商品はどれか?」
という視点から商品を選択し、保有します。
長期保有と言っても、実際は適度な見直しが必要ですが、
少なくとも、数ヶ月や1年単位での売買は
極力、避けるようにしてください。
基本となるルールは、これだけです。
運用成功の鍵は、長く続けることにありますから、
まだ始めていない人は、さっそく目標を決めることから
始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『ファスト&スロー』(ダニエル・カーネマン他著、2012年、早川書房)、Bloomberg:2022年4月27日、28日、REUTERS:2021年4月5日、他
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FANGS Group【ファングスグループ】
HP:https://www.fangs-g.com
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