ジョジョ七部を読み返して。
突然だが、私はジョジョが好きだ。
特に七部がお気に入りで、よく読み返す。
僕にとっては、一番キャラクターの魅力を感じられた部だからという所があるかも知れない。
基本的にジョジョのキャラクターは皆自分の意志に忠実に動く人間が多く見えるし、善かれ悪しかれ一つ信念を持っているのがデフォルトといってもいいかも知れない。
かっこよくて魅力的なキャラクターはどの部にもいる。
承太郎、ジョセフ、DIO、吉良吉影、露伴先生、康一くん…
七部の主人公の一人である、ジャイロももちろん魅力的なキャラクターだ。
一見ドライに割り切るタイプにみせかけて、結局は見捨てられずに助けてしまうタイプだし、人を導く能力にも長けているように見えるし、ユーモアの点でも飽きないキャラクターで、とにかくかっこよく友達に欲しいタイプの人間なのは間違いない。
しかし、僕が一番魅力的だなあと感じたのはジョニィだ。
ジョニィはジョジョシリーズの主人公としては珍しいキャラクターに思える。あまり恵まれない家庭環境にグレてしまったり、ともすれば悪役サイドのキャラクターにいそうな見境のなさとか…
基本的には、先ほど述べたようにジョジョのキャラクターの大半は一本筋の通ったキャラクターが多いし、精神の根の部分が「善」に根差すか「悪」に根差すかという所がフィーチャーされることはあっても、純粋に七部までは「自分を信じきれない所や精神のブレ」言うなれば「人間の弱さ」それから生じる「迷い」などがフィーチャーされることは少なかったように思う。(間田…とかはどっちかというと下衆って感じだし)
七部ではジャイロは「対応者」「半端物」と罵られるし、ジョニィはサンドマン戦で、「宿命」という言葉を用いて、自分が必死に足掻いてやってきたことも、そこから見出した一縷の希望も、結局すべてが「借りを返せ」と言われる結末に収束するのではないかとどこかで諦観していたような所も見せる。
しかし、ジョニィもジャイロも足掻きに足掻いて成長をし続けて、最終的にはジョニィの当初の目的である「マイナスをゼロに戻したいだけ」という目的も達成されることになる。
今までジョジョのキャラクターにはどこか遠くのスーパーヒーローを見るような感覚、そういうタイプの魅力が多かったのに対して、等身大のキャラクターが自分の人生に対して悪戦苦闘しながら自分なりの結論を出していく様を通して、見る側として勇気や親近感を受け取れるような魅力が多かったと感じた。
学生時代、僕は七部を通して多くの物を得た。
バスチアンがファンタジーの世界から現実に持って帰れる物が多くあったように。
読み返してやはり思うのは、繰り返しになるがそんな七部が未だに僕は大好きだということだ。
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