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♯8 つながりのイメージ
不登校児童生徒への支援を担任だけで行うのはなかなか難しい。
学校全体で支援をしたとしても、十分な支援が行き届かない児童生徒もいる。
令和5年に出された「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」には、つながりのイメージの図がある。
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学校と行政と民間がつながりながら支援をするイメージである。
もちろん学校の中においても、教室やSSR(校内教育支援センター)、保健室、その他の別室等、複数の部屋を利用する児童生徒もいるので、情報共有や連携が必要になる。
SCやSSWといった心理面や福祉面の専門家の視点での見立ても大切な情報になるだろう。
苦手な教科等はSSRで過ごして、得意な教科等は所属する教室で過ごすという児童生徒もいる。
給食は教室で食べると言って、4時間目終わりに急に教室に行く児童生徒もいる。
教師は、児童生徒が困ったり不安になったりしないように、すぐに連携を取ったり、事前に会議を開いて様々な想定をしておいたりしなければならない。
また、学校と市町の教育支援センターやフリースクールを併用している児童生徒もいる。
私が知っている子の中には、所属する小学校の教室、中学校のSSR、県の教育支援センター、放課後等デイサービスを併用していた。
何曜日はどこで学ぶと決めて毎週規則正しく生活している子もいるし、午前中は教育支援センターで過ごして午後から学校に行く子もいる。
中学生であれば、学校には部活動だけをしに行く生徒もいるのではないだろうか。
このように、もはや学びの場は学校だけではない。
子どもたちは、自分で学ぶ場所や学ぶ内容を選択していくのである。
学校は学校の立場で支援をすればよいし、教育支援センターは教育支援センターの立場で支援をすればよい。
ただ、大切なのは連携して情報共有を行うことである。
様々な場所で過ごす様子をもとに、それぞれの立場でできそうな今後の支援の方向性を決めていく。
学期に1回、学校と保護者と教育支援センターが集まって様子を伝え合い、今後の方向性を一緒に考えていく場を設けている学校がある。
その一方で、保護者に教育支援センターを紹介したら、その後は全く情報を取りに行かない学校もある。
学ぶ場は多様にあるが、児童生徒の所属はやはり学校である。
学校の業務の忙しさは十分に理解はしているが、それでも学校が中心となってつながりをつくっていきたい。
誰一人取り残されない学びの保障に向けて。