演奏会時の楽屋口からの入場者と業者
防犯のため、事前にホール側へ楽屋口から入場する人と業者のリストを提出する必要があることが多い。残念ながら今でも、「楽屋泥棒」がいる。演奏中は楽屋のセキュリティーが低くなることを狙った窃盗犯罪である。お金が盗まれるなら一人当たり数万円で済むのかもしれないが、楽器を盗まれることもある。そうなると桁違いに被害額が大きくなる。そのため警備員が、楽屋口を通してもいい人物かどうかを判断するために楽屋口から入る人の氏名リストを事前にホール側に知らせておく。そのようなシステムがないホールでは自衛するしかない。楽屋口はオートロックで閉まり、連絡を受けたら自分たちで中から開けるというシステムのホールもあるし、朝の最初の集合時刻以外は通常のお客さん用の正面入場口から入ってもらうシステムの場合もある。
団員にプラスして、下のような人たちが楽屋口から入る可能性がある。
・団員、指揮者、トレーナー、エキストラ
・ステージマネージャー、舞台袖の待機要員、影アナ担当者
・受付担当者、ドアマン、誘導係、楽屋担当者
・録音業者、録画業者、カメラマン
・弁当配達業者
・花屋
・楽器貸し出し業者、楽器屋、調律師
・部活の顧問、学校関係者
・団関係者が特別に招待した人
・チラシ挟み込み要員
・報道関係者
警備の都合上、リストを提出するときは人名だけでなく業者名を含めて提出する。業者で、実際に来る人の氏名が不明の場合は、「〇〇会社何名」と人数を書くことを求められることが多い。氏名リストを提出する場合、提出したことを入場者にも知らせるべきである。またホールに入るシステムはどのようになっているのかを事前に説明しておく必要がある。一度ホールに入った後一時退出をする際に、警備員に声をかけなければいけないシステムとなっていることもある。業者によっては2回ホールに来ることもある。例えば、弁当配達員は、お昼前にお弁当を届けて皆が食べ終わった頃合いをみはからって空容器を引き取りに来ることがある。花屋も受付やステージに飾る花輪やスタンド花を演奏会終了後に回収にくることもある。そのような場合は何時頃取りに来るのか、業者と団とホールで情報共有しなければならない。ホールに来る全ての人と業者について、ホール側スタッフとステージマネージャーは時間と人数を把握しなければならない。業者が来場した際はお金を払うことがあるので、誰がいくら払うのかについても事前に情報共有しておくべきである。
楽器屋は、団からの依頼で舞台袖に待機してもらう場合と、営業のために来場する場合がある。団が懇意にしている楽器屋なら問題ないが、過去には楽器屋に成りすました楽器泥棒もいたので注意を要する。楽器の修理と称して堂々と楽器ケースを空の状態で持ち込み、物色した楽器をそのケースに入れて持ち帰るのである。コンサートホールでの話ではないが、過去にはピアノの窃盗事件も存在する。小さいものや現金だけが盗まれるというわけではないので気を付けなければならない。
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