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喫茶へようこそ②「どんな情報の正誤も断定できない、ということ」

扉を開けると、秋を知らせる風が吹く。
少し冷ややかな風で、今日はそれに加えて雨が降っている。

店主「いらっしゃい。今日は…その姿でいらっしゃったんですね?」

男性客(和服の男)
「この世界は僕の考えを出力するために書き出されているからね。姿
 は自由自在だよ。今日は紺の和服を着ている想定。イメージでデザ
 インは保管してくれて構わない。あと、文章の書き方も少し変えて
 いる。そして、君の脳みそと僕の脳みそは変わらない。」

店主
「ええ、その通り。この世界は貴方の感情の掃き溜めです。創作というには
 あまりにずざんで、言葉も思想も生々しい。確かな、取材に基づくわけで
 はないですし。実体験は入っていますが、貴方は世界の全てを知っている
 わけではない。」

和服の男
「信頼させるためのエビデンスがクソの役にもたたないことを知っているだ
 ろうに…。」
「店内の想定はこの前、僕が書き込んだ通りで頼むよ。席はカウンターじゃ
 くて1階の丸い席として…、ランタンを持ってきてくれ。フクロウのデザイ
 ンで頼む。モチーフだからね。電気は暗めにして、音楽はそこの君が決め
 てくれないかい?」
「そう、そこの君。いつもの通り話を聞いている貴方。貴方の想像力も貸し
 て。僕が仮に設定したけど、好きな情景を浮かべてくれも構わない。いい
 かげんだろうけど、雰囲気を感じることが重要だから。ただ、僕的に今日
 は雨なんだ。やむかわからないくらいに辛い。誰かにとっては晴れ、だっ
 たかも?この2024年9月27日は。これは創られた空間だけど、僕が生きる
 のは紛れもなく現世、だからね。
 とりあえず、君も椅子に座って。一息ついて、、、そして好きな飲み物を入
 れよう。僕は和服の想定にしちゃったから、お抹茶じゃないと変かな?」

店主
「日本酒にしたらどうです?酒名を言うと場所が分かりそうですから。」

和服の男
「いいね。辛口でいこーや。完敗っ、乾杯!」
「酔ったらどーでも良くなってしまいそうだから。本題に入ろう!」
「今日は店主じゃなくて、俺が話すのがメインで行こうと思う。」

店主
「ど〜ぞどうぞ、私も休みの日が欲しいので。」

和服の男
「では早速。君は情報を信じるかい?媒体は問わない。ちなみにだが、僕は
 世間一般に言わせると『陰謀論者』と言われる類の人間だと思う。ただ、
 別にそこは重要じゃない。誰かがこの言葉を作ったのは間違いないけど。
 とりあえず素直に自分のことを吐露するよ。君はきっと身構えてしまうか
 もしれないけど、聞かない選択肢は常に君が持っている。だから、意識
 を強く持って、自分の頭で考えて。意見の押し付けは対話ではなく、押し
 つけを産んでしまう。それが急を要する内容であっても、今はホワイト社
 会だからね。」

「僕はこの陰謀だとか云々というのは、情報戦の一つと捉えている。正誤の
 判断はできない。
 多くの情報を集めて整合性をとるしか方法はない。けどこれを覆して正し
 いと見せかけるための魔法が文献とテレビ、新聞もそう、最近はSNSも危
 ないね。というかほぼ全てだね。世界には魔法がいっぱいある。」

「まず、テレビ、文献、新聞から話そうか。
 この三つに情報が記載されている。君はそれが正しいと思うか?間違って
 いると思うか?考えたこともないんじゃないかな?
 正しいと答える人が大半だと思う。どちらの回答をした人にも自分がなぜ
 そう思ったか、感想でいいから考えてみてほしい。信じないやつはバカと
 思う、国や公共の信頼のある誰かが発信してるから、そんなの正しい情報
 がないって言ってるようなもん、などが僕の想定。」

「いつの間にか主語が僕になってるけど気にしないで。
 まずバカと思われたら、それはもうどうしようもないです。はい、バカで
 すと、そんな感じだね。次に、信頼のある誰かが書いている。信頼のある
 エビデンスを出している。ではさらに問答法。なぜそれが正しいのか?ズ 
 バリこの信頼とは公共性という権威でしかないのではないか?そしてエビ
 デンスに関して、これはいくらでもでっちあげができる。バレるでしょ?
 って思うでしょ?相手は公共性を担保にできる力の大きな団体だよ?一般
 の話をしてるわけじゃない。一番うそがつけそうななのは誰だろう?みん
 なお金があればなんでもできると思うよね?その通り…なんでもできる
 よ。」

「本当に情報が正しいかじゃなくて、謎の信頼を無意識に寄せている。東京
 大学教授、海外でビジネスを展開。20年間テレビ業界で活躍。テレビでし
 かみたことがなくて、話したことはないけれど。あるいは、テレビで見た
 ことすらないけれど。こうした肩書きを書いて、本当の情報も混ぜつつ、
 とびきりの嘘をひとつ紛れ込ませたら、君は多分信じるよ。嘘はたった一
 つでいい。次の嘘は、次の書物でつく。あるいは文章を長くして、適当に
 嘘の数を増やす。そりゃそうさ、君はこの分野知らないだろ?ってなふう
 でね。営業マンしてる誰かならわかるんじゃないか?
 メディアだから大きく捉えるけれど、本質は人と人の関係性と変わらな
 い。
 100%なんて到底ないけど、大きな事柄に関して、特に国や国際レベルの事
 柄ね。それについてはものすごく不審な点が多いんだよ。
 僕らの住む環境は豊かになったっけ?日本って本当に借金大国なの?税は
 毎年最高記録なのに、金がなーい金がなーい。でも人口は減っているは
 ず。どれどれ国家予算でも見てみるか、特別会計の会計間のやり取り?は
 て?そもそもちゃんと書いても書かなくても裁かれない立場が完成してい
 るという事実を見れば、僕は嘘に塗れていると捉える方が妥当だと思うわ
 けさ。
 無論、それに対し、憶測です!陰謀論です!と言えば、『勝ち確』です。他
 にも国際的な事件があって、それをフェイクニュースと報道すれば、その
 真偽を民は確認のしようがない。現地に行くしかない。SNSは真偽の判別
 をできないから。
 どんな根拠を出しても、自分が信じたくなければ、そんなの嘘だね、とな
 ってしまうほどに情報の信用というのは脆い。こんなものにメディアリテ
 ラシーなど通用するわけがない。僕らは所詮、すでに何者かが用意した知
 識を並べ立てているだけ。その中で、正しかった情報は花開く。でも僕ら
 は絶対的にこの目で見ることはない。
 映像をやれば、余計にわかること。編集、編纂とは人の意思が関わるこ
 と。選んだものだけをあなた方に見せる。さらに言えば、予算があれば大
 規模な映画が作れる。つまり、大規模な作り話を制作できる。
 前回、個人主義の話をしたけど。その点が繋がるんだよ。僕らは政治や社
 会的な視点ではずっと鎖国してる。このよくない悪循環がいつからやって
 きているのか。それを紐解こうとした結果、気がついたら『陰謀論者』扱
 いというわけだ。
 否定ではなく、一緒に考えてみたい…全力で全ての国民が真実を暴こうと
 したらどうなるのか?勿論そうならないために僕らに労働してもらうんだ
 けどね。疲弊した君が娯楽に走ることも制御、できそうじゃない?個人レ
 ベルじゃなくて、大衆のレベルでね。実は個人を誘導するより、大衆ご
 と動かす方が簡単そうだよね。資本がある人なら。」

「話がぶっ飛んだけど、次に、SNSの情報の正誤について。これは言うまで
 もなく、みんなが好きに情報を発信していいから厳しいね。現地と繋がっ
 ているなら、現地の人が発信している情報も紛れているはずだけど、現地
 の人かも分からないし、正直、検閲し放題だと思うんだ。
 みんなが『世界で一番最初に金持ち』になって、その権力を手放したくな
 いと思ったら絶対するはずだよ。今は株とかいっぱいあるでしょ?株を持
 った人が実質、その会社を掌握する。株は本来、その企業さんを応援する
 ためにあるはずだけど、全ては表裏一体というわけだ。実際は、支配構造
 が見えてくる。全ての株を逆に辿ればいい。
 ある意味どこに繋がるかで、正誤の判断がつくかもしれない。」

「そしてSNSについて、もっと身近に捉えられる例がないかと思って考えて
 みたんだけどね。恋愛がいい例かもと思って。
 大学のクラスで男子と女子がいました。二人は恋愛してたけど、別れてし
 まいました。男子の方は見た目が金髪でチャラそうな見た目、女子は黒髪
 ロング清楚系としましょう。あなたはどちらとも関わったことがありませ
 ん。別れたという噂が出回り始めます。みんなは男子の方が出会い系アプ
 リで浮気をしたという噂を耳にします。その現場を見たと証言する人もい
 ました。当事者に話を聞くのは難しそうです。
 黒髪ロングの女子は日頃から誠実な行いをしていたために、みんなはその
 子に信頼を寄せていました。
 しかし、ある時、黒い噂が流れ始めます。彼女はパパ活しているらしい。
 少女に信頼を寄せている人々は、パパ活の噂を流した人間を陰謀論者のよ
 うに扱いました。真実は誰にもわかりません。
 盲信は危険だけれど、この真実が恋愛で止まるものでない事案の時は怖
 いよねって。そんな身近でも僕らは正誤を見定められない。あるいはそこ
 に無関心が隠れている。
 恋はプライベートだからわかるけど、世間的な事案において、無関心でい
 て、後から問題が起きたら遅い。一体誰が真実を世に出してくれるのか?
 それとも全てを捨てて、我が道をいく?全部どうでもいい?
 いいかい?こんなものはごく一部なんだ。たった一国でこの有様。世界で
 は何が起きているのか?
 そもそも陰謀云々なんて、どうして最近話題になってる?テレビは言って
 ることが二転三転する。外部の情報との齟齬も多くないか?これを情報
 戦、フェイクと言われたら納得できるのか?気にならないか?俺はもう
 だいぶ吐きそうなんだ。君が思うヤバいと俺が思うヤバいは異なってい
 る。
 人は正しいと言われると疑い、間違っていると言われると確かにと思って
 しまう傾向がある。アンチを生みやすいのもよくない。真実に辿り着けな
 い環境では、常に揚げ足をとるスキがある。
 例えばデモが起きて、それが正しいことを主張していても、たった一人狂
 人が混ざっていたり、スパイだったりした時はもう終わり。そいつが銃を
 持ってどこでもいいから発砲する。
 その集団を終わらせることができる。この無関心がまかり通る世の中で
 は特にそれを実行しやすい。下準備は完了というわけだ。」

「いつものことながら長々と話してしまった。こんなことをしていたらいつ
 かBANをくらいそう。俺は押し付けはしない。意見は置くことができる
 が押し付けることはできない。強く叩きつける分、相手を怖がらせてしま
 う。その怖さが理解できてしまう。僕も若いからね。
 いつも思う。嫌な思いをさせたらすまない。だけど、言わずにはいられな
 い気持ちもあるんだ。」

「次は、お金への疑問についてでも話そうか。映像のことを載せずに、読む
 専でもなく、意味のわからん文章を書いているとは。」


「そうだ最後に。結局、何が真実か分からないものを紐解くためにはどうし
 たらいいのか?だが。直近の事案なら、いい噂と黒い噂両方を羅列すべき
 だ。どちらかの情報が極端に少ない時は統制されている可能性が高い。あ
 るいはどちらかのコミュニティが攻撃されうる。その場合、なぜ叩かれて
 いるのか、冷静に捉えてもう一度調べる。
 次に、関わった人物を深掘りする。やり方は変わらない。まず、メインの
 メディアで情報が出たらすぐに、SNSで調べる。いくつ使っても良い。む
 しろできるなら複数。それを踏まえて、もしそいつがきな臭い場合、黒い
 噂を辿ってみる。繋がっているやつが芋づる式に出てくると、悪い噂の信
 憑性は高い。良い噂が感情論だけなら、余計にまずい。
 続いて、その本人の実際の映像や話している意見などがあれば集めてみ
 る。できる限りでいい。思想が見えてくる。立場が見えてくる。
 また、情報媒体は実際言うと、僕らが知っているもの以外もあるはず。だ
 から、本来、あらゆる事柄で双方に話を聞き、どこから情報を得ている
 か聞けると幾分か調べやすい。俺が何かしらのスパイなら、情報を話した
 時点でマズイけれど、一般レベルでそれは起きないと信じたい、ないとは
 言えない。
 常に心に探偵を飼う、みたいなことだろうか。君はいつでも名探偵になれ
 る!小説よりもきなりとはよく言ったもので、全てが可愛く思えてくる日
 がくるかもしれない。
 信じるかどうかではなく、考えて見たほうがいいという提案になる。いや
 分からんけどという前に、できることなら信じたいから始まってほしい。
 これは上手い話と違って話し手にはメリットがなさすぎる。キーワード
 を言ってもまず調べてくれる人なんてほとんどいなかった。
 大切な友達もそうだったけれど、一度言ったらそれ以上は何も言えない。
 調べてみてから答えを聞かせてほしかったんだ。
 でもみんな生活がある。僕は生活に直結する話のつもりだったけど、だい
 ぶ感じ方は異なるようだった。
 僕も始まりは同じだったのだけれど‥‥。全てがただの陰謀なら、それが一
 番幸せだ。」


「今日はここまでだ。すべての灯を切って。
 いや、やっぱり‥‥消さないで。」


「このまま寝酒にもう一合飲む。
 君は眠たいだろう?今日も聞いてくれてありがとう。十分ありがたい。
 まだ寝ないなら、もっと軽い趣味の、君の話を聞かせてくれ。
 寒くなってきたから、毛布を持ってこようか。ここの店主なら用意でき
 る。ここは創造の世界だから。」



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