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#18 嘘みたいな散文「おかえりなさい」

大阪出身のツレ

神奈川から大阪に帰り、西成にある焼肉屋さんに行くことになったときのこと。

「西成」なんて聞くと皆さんが想像していることがそのまま目の前に広がる。
曲がりたくない路地は多い。掃き溜め、失礼。家なき子が集う場所。
わけわからん主張をするシャッター。

そういえば大阪の外君より東京の外君の方が少し綺麗だ。
家もそうだし、東京には整理整頓が得意な外君がいる。
そもそも0円ハウスは最高である。
その主張に関しては、坂口恭平氏の著書をお勧めする。

外君(そとくん)の説明も必要だろうか。
ホームレス=外君と呼んでいる。
一人の男との出会いが大きい。

粗品が褒めるちぇく田さん

粗品のロケに登場したちぇく田さん。
ほんまにおもろい。4回見た。

見ればわかるだろう。化け物である。
粗品が言うようにこの短さが凄すぎる。7回見た。

この回で外君の説明をしている。

大阪出身のツレ2

西成の焼肉屋に向かう途中。

「はぁ、はぁ、ちっ。ちっ」

2回のため息に2回の舌打ち。
後ろから聞こえてくる。
私は決して振り返ってはいけないと思った。
その瞬間にはツレは振り返っていた。

「おぉ」

とだけ呟いたツレに合わせてわたしも振り返る。
すると、60代のおっさんがこめかみから血を流し、
そこをハンカチで抑え左足を引き摺っている。
うそやろ。ここ何年かでウクライナで見たそれに似ていて怖くなった。

「おっちゃん大丈夫?」

ツレはなんて優しいのだろう。

「家そこやねん」

それは大丈夫なのか?大丈夫になるのか?救急車とかお金かかるっけ?
そんなわけないよな。

「そか、気ぃつけてな」

おっちゃんは右手をあげて路地に入って行った。
おっちゃんにもツレにも言いたいことは山ほどある。
そんな戸惑う私に気づいたツレは

「西成ただいま」

とだけ言ってドヤ顔みたく私に微笑みかける。


もう何も聞くことはなくなった。




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