”ファンベースなデザイン”をアウトプットするコツ
ファンベースな取り組みをはじめるにあたって、時間やコストをかけなければならないと思っていませんか。そんなことはありません。
日々の小さな積み重ねこそが肝心ですし、誰でも簡単に始められます。
ファンベースコラムでは、ファンベースカンパニーの中の人が、ファンベースな事例とそこからの学びや気づきをみなさんにご紹介していきます。
こんにちは!ファンベースカンパニーのプランナー、あぶちゃん(安達)です。
前職では制作会社に勤務で、デザイナー業に長く関わってきたのもあり(実はファンベアや弊社WEBサイトのデザイン、メルマガの漫画執筆などもやっています)、その経験に基づいて今回は「ファンベース×デザイン」をテーマに、「ファンベースなデザイン」をアウトプットするコツをお伝えしたいと思います。
「ファンベースなデザイン」とは何か
ファンベースカンパニーでは、「機能価値に加えて情緒価値や未来価値を感じてもらうことが、ファンの愛を高める」と今までお伝えしてきました。「デザイン」は、ファンと企業の間に立ってファンに価値を感じてもらうサポートをしてくれるもの。
言い換えると「情緒価値」や「未来価値」をより感じてもらえるデザインをすることが、「ファンベースなデザイン」とも言えます。
私たちがファンベースなデザインのご提案をする時は、ファン分析に基づいて“ファンが感じる価値”や“ファンタイプ”を明確にしてから組み上げるのですが、今日はファン分析をしなくても取り入れられるポイントをお伝えしていこうと思います。
「人は人にしか共感しない」ということ
ファンベースの話をする時によく出てくる「人は人にしか共感しない」という言葉があります。人はモノや事柄にではなく、その裏にある“人間味”や“人の思い”などに対して共感したり、情緒価値を感じるということです。
つまりデザインで「情緒価値」を伝えるには、ファンにとって「人間味」や「人の思い」などを感じるデザインにする必要があると言えます。
今日はその「人間味」を感じてもらえるデザイン手法を3つお伝えします!
❶ キャラクターを使う
『ファンベース』の書籍では「人(社員)を前に出しましょう」ということが書かれていますが、なかなかそうはいかないシーンもありますよね。
そんな時はキャラクターの出番です。
キャラクターは企業の代弁者として、パーソナリティや人間味を感じさせながらも柔らかく企業の思いや理念などを伝えてくれるため、ファンにとってはとても感情移入しやすい存在となることがあります。
例として、ファンベースカンパニーの「ファンベア」というキャラクター。彼は「ファンベースを楽しく」伝えるために生まれました。
ファンベースにおいては「押し付けがましくなくファンの感情に寄り添い、楽しく伝える」ことも重要であるため、ファンベアにはそんなパーソナリティをまとわせています。
ファンベースは考え方であり、一見すると形のないものなので、難しいと思われることもあるのですが、ファンベアを通すことで分かりやすく楽しく伝わったりします。
自社でイベントなどを企画する時は、デザイン素材としてもメンバーから重宝されています(笑)。
もし今みなさんの会社で使っているキャラクターが、伝えたいことや大事にしている価値と離れた存在の場合は、見た目や人格をリデザインするのもよいかもしれません。
❷ 中の人の手書きの文字でメッセージを伝える
手書きの文字で書かれたものは、そこに書かれた内容以上にさまざまな情報を伝えることができます。
例えばこちらはどうでしょう。
両方とも私が使用している化粧品ですが、ひとつは送られてきた段ボールに書かれている、作り手のサインと一言メッセージ。もうひとつは、パックを使い終わったあとに出てくる、手書きで書かれた文字です。
これだけで作り手の想いを感じながら商品が使えますし、手書きの文字の印象から「ちょっと明るいお姉さん」の声で脳内再生され、そういう人に励まされた!といった想像を巡らせることができます。
手書きの文字は、「人」が見えるし、「人」が伝わる。
情緒価値を感じてもらいながら情報を伝えてくれるデザインなのです。
どうも硬いな~と思う制作物があれば、ぜひ手書きの文字や文章に変えてみることをお勧めします。
❸ 特定の人にしか伝わらないところにメッセージを書く
紙パックを畳んだ時に現れる「たたんでくれてありがとう」の表記があります。
わりといろいろな商品で見るのですが、たたんだ人しか見れない箇所にこの文言をかくこと、それだけで「環境を大事にしたい」「ゴミを減らす活動を推進したい」「活動を一緒にしてくれる顧客への感謝を伝えたい」といった中の人たちの姿勢や人間味が伝わる仕掛けです。
例えば写真の『キッコーマン豆乳』はパッケージを開いた時に「あたためてくれてありがとう」と書いてあり、商品の楽しみ方を提案しています。
『スゴイダイズ』は文言の中に“スゴイ”を入れるなど、目に留まるような工夫が感じられます。
こうした小さなデザインや文言の差でも他社との違いが生まれ、ユーモアやポップさをまとった感情を伝えることができます。
同じようなことをしていても差がつけられるのがデザインのいいところですね!
まとめ
いかがでしょうか?❶や❷は明日からでもすぐに使える簡単な方法かなと思います。❸は少し難しいかもしれませんが、ファンに傾聴したり、ファン分析をしたりするとこういったアイデアも出てきやすいです。
大きなファンベースの施策もとても大事ですが、デザインなどから取り組む小さなファンベース施策も、積み上げていけばファンからの大きな支持を得ることへ繋がると思います。
サービスや商品のアウトプットを考える際のヒントになれば幸いです。
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