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トラウマというものを自覚していく

カウンセラーさんにトラウマのトリガーを探そうといわれたのはずいぶん前だった。

何がきっかけになって発動するのか。
それがわかればそこから離れたり、手放したりできるから巻き込まれなくなると。

そんなことを言われても全然わからなかった。
その頃は自分はずいぶんマシになってる。よくなってきているような気になっていたから。

今思えば全くそんな事はなくて振り回されてすぐ疲れてヘトヘトだったのに。

やっと最近になってそのことに気がついてきた。

起こったことと感情がそぐわない。
まるで止めようのない激流のようなものに巻き込まれていく。

そのことにやっと気づけるようになってきた。

夫がクール便が午前中に来るから受け取っといて と私に言う。
それで待っていたら来ない。
荷物が多いから時間もかかるのかと14時半まで待つ。
でも来ない。

おかしいと思ってアプリで確認したら12時に不在で持ち帰りましたと。

この時点でさっさと諦めてほっとけばよかったのに、つい不安に駆られて、あれこれ考えてしまって、確認のために再配達を依頼してしまう。

もちろん一番に思ったのは夫のことだから荷物の配達先が違うものなのではないかという不安。
しかし、まずは自責が第一選択の私は不在になってしまっていることが自分の落ち度のように感じてしまう。
不在の上に再配達でも違う住所に行かせてしまうかもと思うと罪悪感しかない。

とりあえず夫に現状を報告。
住所が違うものなのではないかと。

でも返信は
電話してみたら?

どこに。
私もできるなら確認する術を知りたい。
けど不在連絡票はもちろんない。
違うところにある荷物をどう確認するのか?

指定して配達してもらってるのは夫だ。

夕方まで待った。

でももちろん来ない。

また夫に連絡する。
電話した?

腹が立つ。
しばし怒りを抑えて
住所が違う荷物だと思うので確認して欲しいと依頼する。

どうやって?

そんな事はお前が考えろ!

恐ろしい怒りに巻き込まれる私をしっかり自覚する。
腹の底から煮え繰り返るような
吐き気のするような怒りが湧き上がり止まらない。

この怒りはトラウマからくる怒りだとはっきり自覚した。

さっさと荷物のことなんかほっといて昼からは出かけたらよかったのだ。

私が頼まれたのは午前中に来る荷物を受け取ることだけだったのだから。

でも、これはミッションだから。
指令だから。
私は完璧にやり切らないと大変なことになると勝手に暴走する思考を止められなかった。

それは私の癖だ。

恐ろしい大人たちが勝手に私に命令してできなければ責めて怒りをぶつける
その恐ろしさが離れず、やりすぎてしまう。

とにかくできる限りの事をやらなければ怒られる。責められる。
恐ろしくてやめられないのだ。

その事を自覚した。

夫が帰ってきてからも怒りは止まらず
夫にぶつける。

夫は俺は仕事中やから連絡なんかできない
という。
ならどうして電話しろって返信するんだ?
何かしないと思ってという。

そう。この人は自分のことしかわからない。
俺が思うことだけをいうだけ。

相手が不安になるとか 相手が困るとかそんな事はまるでわからない。
俺の頭に浮かぶことをいうだけ。

そして何かあれば相手が悪くて
周りが悪いのだ。
連絡してきた配送元が悪い。
宅配便が悪い。

そうやって自分の勘違いを全て周りのせいにして人を振り回す。

そんな人によって言われたことが命令になって必死で遂行しようとする哀れな私。
やめたくてもやめられないのだ。
恐ろしくて。

可哀想に。

狂ったように湧き上がる怒りはトラウマだ。
幼い頃から私を縛り付けて使い続けた大人たちへの。
それと同じことを私にさせようとする夫に対して発動される怒り。

後から思う。
さっさと諦めて自分のことをやればよかったのに。

それが恐ろしくてできない私は本当に哀れな可哀想な子どもだ。

久しぶりに吹き荒れたトラウマの嵐は本当なら私が止められたはずだった。

荷物が午前中に来なければそれで終わり。
あとは夫のこと。

そう割り切れたら済んだこと。

それを自責や使命感でやめられず勝手に暴走して怒りを噴き出して自滅する。

やれやれ。

やっと慣れてきて気楽になったと思ったら、こんなことで自滅かなぁ。

でもこの嵐は一日で終わった。

前なら三日は引きずっただろう。

そしていろんなことが少しずつ私をまた戻してくれる。

夫は私に悪かったと謝った。
もう荷物なんか頼まないからと。

馬鹿みたいだった。

お気楽な夫婦なら

荷物来なかったよー!
間違ってたよー!
あれー?
おかしいな。
本当だ。
違う住所のものだったわ〜!

って笑って終わりだったようなことで

こんなに怒りを使って疲れ果てて
可哀想すぎる。
うんざりした。
吹き荒れるトラウマの荒らしに翻弄されてヘトヘトで反吐が出るほど怒りを噴き出してる自分に。

わかっているのに止められなかった可哀想な私に。

こんなにも恐ろしいのだ。私は。
わかっていても止められないほどに身体に染み付いているのだ。恐怖が。
あの家にいたから。
あの家で育ったから。
私の周りは悪魔ばかりだったのだ。

本当に可哀想で哀れで惨めな子どもでしかなかった私。
わかっているのにやめられない哀れな子ども。

染み付いたものは本当に剥がれない。
やっと少し引き剥がしたと思えばまたまい戻る。

うんざりする。
吐き気がする。
反吐が出る。

今度はどうなるのか。
また慣れていくしかない。
今度はもっと上手くやる。
きっとマシにできる。

そう慰める。

仕方ない。

あまりにも長く囚われていて剥がせないのだから。

二度と近づかない。何度も誓うのに
何かが私をそこに近づけていく。

逃げてるのに追いかけてくる。

もううんざり。

心の底からうんざり。
こんなにもこんなにもまだ残ってるヘドロのような怒りにうんざりする、


だから私は決して帰らない。
あそこに。
あの人たちと会う事は出来ない。

もしかしたら帰れるかもなんて思っていた。
時間が経てば。

そんな事は幻想なんだろう。

よく思い知った。

一番近い身内が最悪の悪魔では仕方ない。
哀れで可哀想で惨めな私はどうやって進めるだろうか?
どこに行き場を作れるだろうか?

やれやれ。

今年の年末はのんびりなんて思ってたのに。

それでも まぁマシになってるんだろう。
なんとか普通な顔して生きてるのだから。

またやり直していけばいい。

何度も何度も繰り返し積み重ねていけばいい。

仕方ない。

何十年積み重ねてきたのか、無理だと思っていたことを捨てるなんてなかなか出来ない。

それでもずいぶんマシになった。

それだけはわかる。

年末に向けて気持ちがユラユラ揺らいでいろんな小さなことが重なって決壊したのだ。

前よりずっとわかるようになった。

まるで自覚できなかったのに これはヤバいと気づけるようになってきた。

それでいい。

前よりずっとマシならそれでいい。 
可哀想な私をただ慰めて、またやっていく。

そんなに悪いことばかり続かない。

昨日のことはさっさと忘れる。

反省会なんてしない。

終わったことはさっさと忘れる。

また違う一日をやっていくだけ。

その繰り返し。

私が私を潰さないように。

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