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#23 お盆は帰りたくない帰らない

〇帰省すると必ず話題になること

不妊治療をしていると、やっぱり周りの言動に敏感になります。

たとえば、お盆に実家に帰省した時、
親戚などから「そろそろなんじゃないの(こども)?」
なんていう会話の流れになりそうになるだけでトイレに籠りました。

その感覚はいまでも背中を冷たくします。

そんなことが数年続き、
夏の帰省が気が重くなる行事になってしまっていました。

なので、あるとき、ふと「もう、夏は帰らない」と決めました。

「部活で忙しい」
「進路指導で忙しい」
「高三の担任でそれどころじゃない」

どれも本当です。
「教員の伝家の宝刀言い訳」と心の中で名付けていました。 

それから数年間…夏は帰らなかった。

母親の作った大好きなご飯を食べられないけれど、
顔をみて何気ない話できないけれど、
お墓参りができないけれど、 

自分の気持ちを守るため。
自分を大切にするために。

〇母がかけたねぎらいの言葉

母は治療していることを知っていたので、
電話口で寂しそうにしていましたが、
夏に帰らなくても特に何も言いませんでした。
実際に忙しいことも知っていたということもあります。 

そして、教員生活が15年を過ぎるころ、
急にぽつりと「おまえは本当によく頑張っている」
ねぎらいの言葉をかけてくれました。

それは、仕事も治療も頑張っているという意味合いでした。

親からあまり褒められたことのない私は、
ちょっとビビった(笑)。
親のために頑張ってきたわけじゃないけれど、
素直に嬉しかった。

で、それからこの先のことをよく考えよう と
思えるようになったのです。
認めてもらえるって大事だな。

 

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