デジタル・ミニマリストを読んで:スマホデトックスチャレンジ
本の紹介
デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方
著:カル・ニューポート 訳:池田真紀子
ハヤカワ・ノンフィクション文庫
この本を読んだきっかけ
この本を読む前に、「スマホ・デトックスの時代 金魚をすくうデジタル文明論」を読んだのだが、スマホがいかに人間に影響を及ぼしているかはよくわかったのだが、ではそのスマホからどう脱却すれば良いのかの記述は薄かった。
そういえば、スマホデトックスみたいな本が昔流行っていたことを思い出し、この本を手に取った次第である。
私なりの簡単な解釈だと、「スマホデトックスの時代」は警告書であり、「デジタル・ミニマリスト」はスマホ依存から脱却するための処方箋である。
感想
正直言って、早くこの本と出合いたかった。私はSNSもスマホゲームもやらないのだが、それでもスマホの使用時間は平日4時間、休日は7時間に及ぶこともあった。明確な目的でスマホを触っているわけではないのに、スマホを触るのをやめることができない。それがどうにも気持ち悪かった。
この本を読んですぐに、衝動的に暇つぶしでしかなかったアプリを消した。Yahoo!と漫画アプリ、いくつかの直通のWebサイトブラウザだ。アンインストールまではいかないが、デスクトップにもアプリを極力おかないようにした。
また、仕事用のメッセージアプリだけ通知がくるようにし、他のアプリの通知を切った。
効果はてきめんだった。仕事がひと段落してふとスマホを起動するのだが、デスクトップにあるのは天気予報のアプリ、電卓、Gmail、電話アプリだけ。私はそのままスマホをしまい、次の日からひと段落してもスマホを触ることは無くなった。
休日も外に出るときは必ず本を持っていくようにし、スマホはポケットにいれずバッグの底に眠っていてもらうことにした。電車の中での読書が捗り、いつもなら聞き逃していたであろう電車の事故情報をキャッチできるようになった。
今では休日に3時間、平日の使用は2時間程度になった。それでも2時間というのだから、隙間時間は侮れない。
なんとなくスマホを使ってしまう人に、ぜひこの本を読んでほしい。
実践したこと
必須ではないアプリの消去
詳しくは本に書いてあるのだが、私が実践したデジタル片付け(この本におけるスマホ脱却プログラムの名前)を紹介していく。
まずは、必須アプリとそうでないアプリをわけること。私の場合、仕事で使用するアプリはすべて必須とした。
天気予報アプリ
メモアプリ
メッセージアプリ
Gmail
Timetree
Brave
楽天Pay
暇つぶしのアプリはほとんど消した。YouTubeはほぼ暇つぶしではあるが、勉強に使用することもあるため時間制限を設けた。必須ではないが残したアプリも記録しておく。
YouTube (勉強のため:40分の時間制限あり)
Disney+ (これも英語の勉強に一部使用している)
楽天市場 (ブラウザでもよいがアプリでのポイント付与率が高いため)
楽天トラベル (ホテルを使用することが多いため)
楽天銀行 (頻繁に使うアプリではないため)
ISpeed (上に同じ)
楽天kobo (読書のため)
乗り換え案内 (これは便利だから、、)
各種アプリ会員証(デスクトップには絶対おかない)
必須ではないアプリは今後消すのも検討していきたいところ。
だが完全にアンインストールしなくても、デスクトップから消すだけでも多少の効果はある。
アプリの通知は基本的に消す
メッセージアプリ以外の通知はすべて消した。だいたいのアプリの通知というのはすぐに見なくてもいいものであるし、本当に大事なお知らせというのはプッシュ通知だけでなく他の方法でも通知される可能性が高い。
通知というのは人の集中力を削ぐ簡単な方法の1つである。メッセージアプリも、仕事以外の相手の通知は切ってしまってもいいかもしれない。すぐに連絡しなくてはならない時は皆電話を使用するのはわかりきっている。
ポケットにスマホをいれるのをやめる
電車が来るまでの少しの時間、信号待ちの少しの時間、トイレに入っての少しの時間。あらゆる隙間時間をスマホは狙っている。すぐに手にとれ、起動できてしまう故の弊害である。
そこで、すぐ手に取れなくしてしまえばいい。
バッグの手前のすぐとれるポケットではなく、大きい部分の底に入れるようにした。
すぐ手にとれないとわかると、人間は面倒くさがりだ、案外触らなくなる。
本を持ち歩く
スマホを触れないとなると、隙間時間はとにかく退屈だ。そこで読書をする。電子書籍ではなく紙のほうがおすすめ。紙の本はスマホのようにすぐに手に取れ、すぐ読める。電池を心配する必要もない。文庫本であればコートのポケットに入らなくもない。
実践して困ったこと
アプリを削除して困ったことも少なからずあった。
ニュースアプリを削除したため、世の中の動向がまったくわからなくなった。それでも問題ないだろうと思っていたのだが、災害などの情報は速報性が重要だと感じた。
こちらに関してはYahoo!の地震速報をいれようかと考えている。他の大雨警報などは天気アプリで対応している。
またニュースをどのようにして取り入れるかだ。Yahoo!のアプリはノイズが多いため使用したくない。他のニュースアプリも似たような感じ。そこでメールマガジンを取り入れようかと思っている。
時事問題などは特に速報性は必要ない。むしろ早すぎる情報・不確定情報は混乱を招く。1日に1回まとめて確認できれば十分だ。
朝、前日に届いたメールマガジンをまとめ読みする方法をとってみたいと思う。
実践記録
スマホ片付け1週間目
やったことは基本的にこれだけだ。私の場合、スマホゲームやSNSをそんなに利用していなかったため、ほとんど禁断症状なるものは無かったが、本の例にもあるように1週間ぐらいはきつい人もいるかもしれない。
また本には、片付け期間(30日間)に楽しくてやりがいのあることを見つけて実践するとある。私の場合、読みたい本が溜まっていたのでひたすら読書を進めている。スマホを触っていた時間を読書に回せるようになり、本を短い期間で読むことができるようになり、さらに次の本を読みたい衝動を刺激されるようになった。さらに読んだ本をアウトプットしたくなり、こうしてnoteの記事に起こしている次第である。
参考までにデジタル片付けを始めてからのスマホ使用時間を記載しておく。
月曜日 3時間7分 (Disney+:60分 英語学習)
火曜日 2時間50分 (youtube:38分 娯楽動画)
水曜日 2時間19分 (youtube:37分 娯楽動画)
木曜日 1時間46分 (Brave:38分 調べもの)
金曜日 2時間51分 (Brave:2時間6分 調べもの)
土曜日 3時間16分 (youtube:39分 娯楽動画)
日曜日 3時間41分 (Brave:1時間30分 調べもの)
こう見ると動画ももちろんだが、ブラウザで何かを調べることに時間を使っていることがわかった。あまり自覚はなかったので新しい発見である。特に金曜日はクリスマスも近かったことから自分へのプレゼントを物色していた。少しの調べものなら構わないが、正直携帯での調べものは効率が悪いと思っている。まず画面が小さいため1つの画面に映し出せる情報が圧倒的に少ない。画面が小さいために複数のページを移動しなければならないこともままある。やはり調べものはじっくり座ってやるものだ。となると、ブラウザに時間制限をつけるか、、
パソコンがあればそれで充分、むしろパソコンの方が効率は圧倒的に良い。部屋でないと調べものはできないが、むしろ片手間で何かを探そうという方がいろいろ目移りしてしまう。と自分に言い聞かせることにした。
スマホ片付け2週間目
1週間目は意識してスマホを触らないようにしていたが、2週間目となると、逆に1週間あれだけ使用時間が減ったのだから少しぐらい触っても合計は多くならないだろうとの考えがでてきたような気がする。と思ったが、結果的にこの週が一番平均使用時間が短かった。おそらく、この週は移動等も少なく、人に会うことが多かったためスマホを触る時間も減ったのではないかと思われる。だが、この週でどうしても見たい動画シリーズを見つけてしまい、制限時間を解除するという禁忌を犯してしまった。そしてその制限をもとに戻すことなく、スマホデトックスをしているという意識もほぼ忘れてしまっていた。
月曜日 1時間44分 (楽天:42分 プレゼント選び)
火曜日 1時間21分 (YouTube:22分 娯楽)
水曜日 2時間12分 (Brave:1時間19分 ブログ一気見)
木曜日 2時間36分 (YouTube:40分 娯楽)
金曜日 3時間4分 (YouTube:1時間6分 娯楽)
土曜日 2時間15分 (Brave:34分 調べもの)
日曜日 1時間46分 (Brave:34分 調べもの)
スマホ片付け3週間目
このころからスマホデトックスという意識は頭の奥底へ眠ってしまった。特別に外したはずの制限は元に戻されることなく、それを特に疑問に思うわけでもなく好き放題動画を漁ってしまった。そのためYouTubeの使用時間がすごいことになった。ここまでの傾向としてわかったのが、YouTubeとBraveの使用時間がほぼ大半だということだ。この週は仕事が少なかったという言い訳もあるのだが、そのせっかくの自由時間をスマホに費やしてしまっていたことに、今では後悔しかない。この週は気になるブログを複数見つけてしまい、ブログをさかのぼって一気見してしまった。YouTubeに関しては、何をそんなに見ていたのか覚えていない。これはブログ一気見よりも大問題である。目的意識なくダラダラと動画を受動的に流していた証拠だ。やはり、YouTubeは制限をかけなければと強く感じた。
月曜日 6時間19分 (YouTube:2時間28分)
火曜日 3時間24分 (Brave:1時間34分)
水曜日 2時間20分 (YouTube:1時間8分)
木曜日 2時間30分 (YouTube:1時間10分)
金曜日 2時間4分 (Brave:58分)
土曜日 4時間17分 (YouTube:2時間9分)
日曜日 2時間38分 (Brave:1時間14分)
スマホ片付け4週間目
やはりスマホというのは何か対策をしなければ使いすぎてしまう、ということが良くわかった週であった。ただ、仕事が忙しいとか、イベントがあるとか、スマホを触る環境になければ無理してスマホを触ることはない傾向にある。(当たり前か、、)使用時間が多くなってしまうのはやはり自由な時間が多いとき、さらに言うと、公共交通機関での移動など細切れの時間が多々あるときにスマホを触る傾向にある。隙間時間、手持無沙汰になったときに習慣のようにスマホを触ってしまうのだ。移動時間はすべてのアプリをロックできるようなアプリをいれようかと思ったが、電車の運転見合わせなどイレギュラーに対応できないのはきつい。
2週目の勢いはどこへやら、結果として、スマホデトックスに失敗した。
まとめ
1か月(4週)のスマホ使用合計時間
⇒ 85時間54分 (1日平均 3時間4分)
使用の多いアプリ
⇒ YouTube・Brave
振り返り
ということで、スマホデトックスの1か月が終わった。最後の方はもはやデトックスの意識は無くなっていた。1日平均でみるとそこまでではないものの、体感としてはデトックスできたとは言い難い。
だが、最初の方に消したアプリを再インストールしたいとは微塵も思わなかったし、アンインストールしたアプリのほとんどは忘れてしまった。やはり、私にとってスマホは暇つぶしの道具でしかなく、効果的に使うのが難しい代物だというのが露呈した。スマホを扱うにはまだ未熟なようだ。。
とりあえずYouTubeとBraveについては制限時間を30分とした。2つともフルで使っても1時間で収まる計算である。また、本についても常日頃持ち歩くようにする。これについては持っているバッグが小さいという問題にも関わっている気がするので、A5判までの本が入るバッグを新調しようと思っている。
とにもかくにも、自分がどれだけスマホを使っているかがわかっただけでも大きな収穫であった。そしてこれを書いている途中でリベンジを決意した。リベンジ編についてもまた記事にできたらと思う。
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