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不登校の保護者の気持ちの変遷

 不登校のお子さんと関わる中で、登校する/しないに関わらず、うまくいった事例には、保護者の気持ちの変遷があることに気付きました。大きく3つの段階に分かれると思っています。

1)パニック期
 不登校状態が始まった最初の頃は、不安でパニック状態になってしまいます。焦りから、子どもに登校できない理由を問い詰めたり、学校に過度に連絡し対応を求めたり、といったこともあるでしょう。また、その一方で、イライラしてしまう自分に気付き自己嫌悪に陥ることもあるかもしれません。
 いろいろな機関に相談に行くのもこの時期だと思います。藁をもすがる思いで相談するも、期待したアドバイスや結果を得られず、孤独を感じてさらに落ち込んでしまいます。
 この時期で必要なことは、まずは落ち着くことです。以前に投稿した3つのデメリットを知っていただくことで、落ち着くきっかけになっていただければと思います。

2)支援(スタート)期
 いろいろな情報を得て、支援がスタートすることで、一度は保護者の気持ちも落ち着くでしょう。最初から、よい支援者と出会えることもありますが、時には、ビジネスに巻き込まれてしまうかもしれません。
 今までの投稿でも書いている通り、不登校支援は単純ではないので「〇〇をしたら大丈夫」というものはありません。ある子にうまくいった支援が、我が子にも効果があるとは限りませんのご注意ください。うまくいく根拠がない段階で、多額な費用を支払いは、充分にご注意ください。
 よい支援者に恵まれたとしても、必ず紆余曲折あります。再登校できたと思ったら、何かの拍子で再び行けなくなることもあるかもしれません。信頼していた支援者に裏切られた思いになるかもしれません。
 この時期で必要なことは、支援者を増やしていくことが重要だと思います。信頼できる支援者がいたとしても、一人の言葉だけを信じるのではなく第三者の意見を聞いたり、学校やネット、ママ友などとの情報交換を進めていくのがよいと思います。

3)羽ばたき期
 いろいろな支援者に囲まれて、自分の進む道が見えてくることで保護者の支援は一段落します。もしかしたら、義務教育が終わることで、この時期に入ることもあるかもしれません。
 保護者の中には、子どもに依存してしまったりすることがあるかもしれません。子どもが学校や社会に出て、学習や仕事の人間関係など、不登校とは別の悩みが出てくるかもしれません。
 この時期では、保護者が保護者自身の人生を歩んでいくことや不登校に悩む後輩保護者のサポートに回るなどがよいと思っています。

 以上、不登校の子をもつ保護者の気持ちの変遷について書いてみました。不登校の子と同じように、全ての保護者が必ずこの変遷を辿るわけではありません。このように気持ちの変遷を知ることによって、今現在悩んでいる保護者が、孤独ではないこと、必ず解決があることを知って、パニック期を脱出してほしいと思っています。


 

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