不登校の子の保護者は、過保護になっていないか振り返ってみてほしい。
不登校の子の親御さんと面談するときに、最初に確認することがあります。それは、保護者の子どもとの距離です。子どものことを大切に思うあまりに、子どもの自立を阻害していることがあります。その一つが、保護者が過保護になってしまっていることです。
保護者さんの多くは、子どもが不登校になったとき、最初に目にするのがネットの情報だと思います。ネットの情報を見て安心感を得られたらよいのですが、人間はそれほど強くありません。以前に私は、講師業をしておりました。50人の受講者がいれば、一人くらいは批判的なコメントを書くものです。本人は批判したつもりはないかもしれませんが、「~~したほうがいいですよ」「〇〇してほしいと思います」などのコメントでも結構、傷付くものです。49人が「最高によかった」と書いてくれたとしても、1人でもマイナスを匂わすコメントがあると、どうしても引っ張られてしまいます。私は、仕事としてやっておりましたので、意見は参考として頂き、ぶつけられた感情はスルーしてきました。しかし、一般の保護者の方がいつでもメンタルを強く保たれるのは至難の業だと思います。自分のことならまだしも、大切な子どものことです。どうしてもマイナスの情報に引っ張られてしまうでしょう。
マイナスな情報に引っ張られた保護者の多くは、「自分ががんばらなければならない」「もっと子どものために時間を割かなければならない」「私が、子どもの代弁をしなければならない」と否が応でも奮い立たされてしまいます。そうすると過保護、過干渉になりやすい状態になることがあります。もちろん、全部の保護者がそうなるとは思っていませんが、、、。
ある不登校の子の保護者は、子どもを大切に思うあまり朝早くからキャラ弁を作ったり、友達の輪に入れるようにとゲームやスマホを与えたり、忘れ物をして恥ずかしい思いをしないようにと教科書、ノートの準備をしてあげたり、時には、重いからとかばんをもってあげたりしていました。
保護者も人間ですから、準備を完璧にしているつもりでも、お弁当の箸を入れ忘れたり、教科書、ノートは入れたけどドリルを入れ忘れたりしてしまいます。その時、子どもは親のせいにしてしまうのです。「もぅ、お母さんまた入れ忘れている」など。
私の持論として、自己肯定感をあげるためには自分のことは自分でできるようにならないといけないと思っています。忘れ物をしたときに、次から気を付けようと思ってほしいです。へたくそなお弁当でも自分で作れたほうが、自信になると思います。
人が成長するには、致命傷にならない程度の失敗を繰り返すことだと思っています。失敗を許容できる親であり、支援者であり、人でありたいなと思っている今日この頃です。