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◆ 話のネタ ◆ No.51 半沢直樹の世界3:被接待

 銀行員時代、お客様との接待も課長職になってからは、発生することが
ありました。 

今回は、ある地方都市での取引先課長時代の被接待の話です。 
銀行員は、酒の強い人が多いのですが、お客様で、それを潰すのが生きがいという方がいらっしゃいました。

 その社長は、映画館等のアミューズメントを経営されている方で、定期的に支店長を接待して下さる方でした。 しかしながら、お酒を進めるのが
非常に上手で、銀行員をベロンベロンに酔わせ、潰すのを、趣味
とされていました。

 東京から新支店長が着任されて暫くして、そのお客様(これ以降は、A社長と記載) からご招待がありました。 新支店長は、九州男児の恰幅のいい東大卒で、酒豪でした。 

参加したのは、支店長、副支店長、融資課長、融資のサブの4人でした。
融資のサブ(やしきたかじんにそっくり)だけ、酒に弱く、それ以外の3人は、酒も好きで相当強いメンバーでした。  

 最初にA社長がセットした割烹で、ビール、日本酒を進め上手なA社長にのせられ結構な量飲んだ後に、A社長行きつけのラウンジで2次会が始まります。

ラウンジに着くやいなや、たかじんは、意識を失いソファーに仰向けに
寝転がって、ピクリとも動かない状態になり撃沈。  

このラウンジに、A社長がキープしている、泡盛の大きな甕がありそこからひしゃくで泡盛を汲んで、超濃いめの水割りを作り銀行員にドンドン飲ませるのでした。  

 2次会が終了した時点で、しこたま泡盛を飲まされた3人は、ギリギリ意識を保って大破、A社長にお礼を言ってお開きとなったそうです。

その後、副支店長と融資課長が支店長の両脇を抱えタクシーにのせ、マンション迄お送りし、マンションの入り口付近で両脇を抱えられた支店長は、ついに力尽きて、そそうをしてしまったそうです。(嘔吐) 
今まで、人前で1度もそのようなことのなかった支店長がA社長の勧め上手に破れてしまい撃沈

翌朝、3人からものすごい酒の匂いがするとともに、3人とも顔が赤鬼のように真っ赤かでした。 8時前に全員出社したのですが、その日の朝会は中止、支店長は、支店長室にこもりきり、副支店長は、副支店長車に乗り、河原に停め寝ていたそうで大破

 かわいそうなのは、同期の融資課長でした、どこにも逃げ場がなく、勤務時間中、自席に赤鬼の形相で、強烈なアルコール臭を全身からまき散らし鎮座しており大破。 部下のたかじんは、飲んだ量が少なくダメージは、なく戦闘回避。 その姿をみて、A社長、えげつないほど飲ませるんやなぁ~と驚きました。


 それから4ヵ月後の4月、またもA社長から、桜の名所の外苑で夜桜見物の招待がありました。


夜桜見物のお誘い


支店長
「A社長 先日は、大変ご馳走になりありがとうございました。
 夜桜見物のお誘い誠にありがとうございます。 残念ながら、私は所用が
 あり参加できないのですが、当店、最終秘密兵器のS取引課長(私の事)
 を、代理で参加させて頂きます
ので、宜しくお願い致します 🎵」 

結局、副支店長、融資課長、融資サブ、私の4人でリベンジすることになったのです。

 融資課長に、
「どうして、A社長にドンドン飲ませて、先に潰さんのや?」 
「そういうが、A社長に注ごうとすると 『いやいやいや、まず、課長さん
 からお飲みください!』と言って、先にこちらに注ぎ、『そのまま、グイ
 っといって下さい』 いうて、ドンドン飲ませるんや。 その後、A社長に
 注いでも一口飲むだけなんよ」
「う~~ん、そうか~」

 接待の日、幸い雨となり、外苑での夜桜見物しながらのバーベキューは、中止だと、私達は、一安心しました。 

A社長から、夕方電話があり
「折角ご招待頂いた夜桜見物とバーベキューは、この本降りの雨では、残念
 ですが、中止となりますよね~」と融資課長が言ったら、
ご心配なく予定通りバーベキューしながら夜桜見物と行きましょう 💛」

えぇえ~? この本降りの雨の中でできるんですか?」 
もちろんです! 外苑に面したマンションの1Fを手配しており、灯り
 を絞り窓ガラスを外せば、外苑の桜は、ライトアップされているので、
 部屋からよ~く見えますよ!」 
「でもバーベキュー・・・」 
お任せください。その部屋に七輪を持ち込みましたので、部屋の中で
 バーベキューをしましょう 🎵」

 ということで、マンション1Fの部屋で七輪をいくつも置いて、バーベキューが始まりました。 温度センサーが鳴らないように全部の窓を開け広げ、換気扇も回しながら、ガンガンお肉を焼くとともに、猛烈な勢いでA社長がビールを注いで回るのです。 

特に、支店長の代理且つ最終秘密兵器と紹介された私については、A社長は、”絶対に潰す”との強い思いからか、ニコニコしながら注いで注いで注ぎまくりました。

 私も注がれるビールをドンドン飲むと同時に、A社長にもお注ぎし、飲んでもらおうとするのですが、一口飲まれるだけで、10対1くらいの飲む量の差となりました。

私は、注がれるビールをすべて飲み干し焼肉もガンガン食べまくりました。

夜桜バーベキューがお開きになるころ、トイレに行って、自ら口に手を突っ込み、飲んだ酒をお肉と一緒に出来るだけ出しました。

 それから、場所を移して、2次会のラウンジです。 
カラオケでデュエットしたり曲に合わせて踊ったりのどんちゃん騒ぎです

もちろん、たかじんは、ソファに仰向けに横たわり、既に、ご臨終!
彼は、歌も上手く、たかじんの ”東京” が十八番でした。 

ラウンジには、大きな泡盛の甕がキープしてありひしゃくでA社長がドンドン泡盛の超濃いめの水割りを作って進めるのです。 

私も負けじとA社長が横向かれたすきにA社長の水割に泡盛の原液を何度も
継ぎ足しておきました。


かめに入った泡盛、無尽蔵・・・あな、おそろしや💀



 踊っていると、融資課長が、「取長、これ飲め!」 と言って、小さい
グラスに入ったあめ色の泡盛を出したので一気飲みをすると、お姉さんが「あっ、それ一気しちゃだめ!!」と言っていましが、手遅れでした。 

それは、とろりとした60度の泡盛の古酒だったのです。 
ゆっくり味わって飲めば、本当は、美味しいのでしょうが、一気だったので、味も強さも分かりませんでした。

 A社長にも泡盛の原酒を、こっそり何度も継ぎ足していたので、いつもと違い、かなり酔っ払ってこられたようでした。 当然、ラウンジでもトイレに行って自ら処置を行い、飲み続けました。 

 結果、最終秘密兵器としてのミッションは、クリアでき、A社長に勧められるまま、酒を飲んでも、崩れることは、ありませんでした。

 ただ、家に帰っても同じ処置をしたのですが、何度もしたため、胃から
出血してました。  

翌日の勤務は、二日酔いは、ありませんでしたが、異常に胃が痛み、若くないのに、あんな無理をしては、いかんなと強く反省しました。 

その後、私がその支店に勤務している間は、A社長からのお誘いは、二度とありませんでした・・・・ めでたし、めでたし(笑)


◆ 毎週、金曜日に発信予定です。
次回予告:No.52 ’24年の振返りと’25年の目標

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