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◆話のネタ◆ No.1 『No.1ホストがスーパーの店長になった話』

 知人に聞いた話。 ある大都市の有名なホストクラブのNo.1 ホストの処に、客として女性弁護士が通っていた。 その弁護士は、そのホストに熱をあげ、ついに、「私と結婚しない? 一生、食べて行くのに苦労させないから!」と言って、そのホストを口説いた。 
 
 口説かれたホストは、弁護士との結婚を決意、その時の弁護士の条件が、「ホストを辞めること」だったので、ホストを、辞めて、家庭に入り専業主夫となった。
 
 しばらくして、2人の間に、女の子が生まれた。(ここでは、A子ちゃんとします) 家事全般とA子ちゃんの世話は、夫が、生活費は、妻が稼ぐ生活が続き、A子ちゃんが、小学4年生になった時、夫の祖父が亡くなり、遠方だった為、葬儀に、夫一人で、出かけ、結婚以来初めて家を3日空けた。
 
 妻が、初めて、家事とA子ちゃんの世話をしたのだが、とんでもない事になった! まず、食事は、ケンタッキーフライドチキンを買ってきてお皿に盛るでもなく、箱のまま食卓にドーンとおいて、そのまま食べるという具合だった。 一事が万事この調子で、A子ちゃんは、非常に、いや~な思いをした。 

 極めつけは、毎日、パパが、A子ちゃんの登校前に、きれいに髪を編込みにしてくれていたことだった。 仕方なく、ママが編込みをしたところ、とんでもない髪型になり、A子ちゃんはそのまま登校する事となった。
 
 学校に行くと、友達が大騒ぎ「え~、A子ちゃんその髪どうしたん? 」「何があったん?」と皆に聞かれ、A子ちゃんは、半ベソをかきながら「あのね、あのね、いつもは、ママが編込みしてくれるんだけど、今日は、ママがいなかったので、パパがしたの、ウェ~ン・・・・・
 
 A子ちゃんは、パパとママが別れることになったら、「絶対パパと一緒に行く!」と言っているとのこと。
 
  しばらくして、A子ちゃんにも手が掛からなくなり、家で時間を持て余すようになった夫は、妻に、「暇なので、パートに出ようと思う」と相談したところ、妻は、「ホスト以外の仕事ならOK」と了解した。
 
 夫は、広告に出ていたスーパーのパート募集に、応募して採用された。
スーパーでは、「あなたは、何ができますか?」と聞かれたので、「料理は、よく作っているので、できます」と答えたところ、惣菜売場の担当となった。
  
 勤務が、始まって、元No1ホストの夫が、毎日、惣菜売場で、商品を並べていると、おばちゃま(いや、お姉さまか?)が毎日どっとやって来て、いろいろ声をかけてくるようになり、しばらくすると、惣菜売上が爆発的に伸びた。
 
 それを見た経営者は、「明日から君を “店長” に任命する!」 「え。僕、何も店長の仕事は、分かりませんが・・・・」 「いいんだ、名前だけの店長とするから、その代わり、惣菜売場で、私が指示した惣菜に この “店長一押し” のシールを貼って、お客様にすすめるように」との事だった。
 
 それ以来、元ホストは、店長という名札をつけ、惣菜売場で自分としては、一押しとも、思わないが、経営者の指示通り、毎日、数種類の惣菜に “店長一押し” のシールを貼っていった。するとおばちゃまがやってきて「店長さん、これ、あんたの一押し? 美味しいの?」「僕の一押し、美味しいですよ!」と爽やかな笑顔で答えると、更に、惣菜売場の売上が、上がっていった。

 ちなみに、名前だけの店長に昇格した元ホストには、店長手当として、月3万円の手当がつくようになったとのこと。 めでたし、めでたし・・・・

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