落書きをされた日
その日は、弟が熱を出し幼稚園をお休みしていました。1番下の子も熱が出ていて、私は家で2人の看病に追われていました。
最近、A子ちゃんに放課後よく一緒に遊ぼうと誘われていた小1娘は、ちょくちょくA子ちゃんと放課後遊ぶようになっていました。
でも、その日は下の2人が熱を出してるから今日は家では遊べないからね!と娘に朝言っていたのに、その事をすっかり忘れていた娘は、A子ちゃんに誘われて「いいよ。」と言ってしまったようで、A子ちゃんが家へ遊びに来てしまいました。
娘がA子ちゃんに「玄関で待っててね」と言って、2階のリビングへ行こうと階段を登っていたら、その後ろを、勝手にA子ちゃんが付いて来ていて、娘が「ダメよ!」と言っているのが聞こえました。
その後も、勝手に一階の他の部屋に入っていたみたいですが、私はその時、熱でしんどそうな下の子2人が2階のリビングで丁度寝た所で、私は2歳の娘を抱っこしたままだったので、身動きが取れず、流石にイラっとして小1の娘に少し怒りながら
「今日は、ダメって言ったでしょ?!A子ちゃんを勝手に上らせちゃダメよ!遊ぶんなら、近くの公園で遊びんさい!」
と言いました。娘は
「玄関で待っとって!って、こはなはちゃんと言ったんよ!」
と、言っていました。A子ちゃんが勝手にした事なら、娘にそれ以上は言えないなと思いました…。
それから、2人は家の近くの公園へ遊びに行きました。窓から見えるくらいの距離にある公園でしたが、娘が何度も家と公園を往復していました。
と言うのも、A子ちゃんに「あれとって来て」「これとって来て」…と、どうでもいい物を家に取りに帰らされて、娘は1人ゼーハーゼーハーと振り回されていました…
公園行っては、また直ぐ帰って来ての繰り返しで、5時の帰る時間になった時は、最後A子ちゃんも家の玄関まで来て「ジュース持って来て」と言われたらしく、娘は、コップにジュースを注いで階段でジュースをこぼさないようにそーっと気を付けて降りて、A子ちゃんにジュースを渡していました。
そんな姿を見て私は、ただのパシリじゃん!!と思いました。
娘も、
「A子ちゃんだけ公園でゆっくりしてるのに、私だけ行ったり来たりで疲れた…」
と言っていました。
そして、A子ちゃんが帰った後
うちの玄関に置いてある、木で出来た飾り棚に、たまたまその時、娘が他のお友達からもらった石が置いてあって、その石を使って何か書いたような跡がチラッと見えて、
「えっ?何?」と思い、よぉーく見てみると、
『めいな』と言う文字の落書きがされていました。
うちの子は、壁とか家具に落書きをする子ではなかったので
これは絶対、A子ちゃんの仕業だな…!
と、思いました。
でも、一応娘にも
「これ、誰が書いたん?」
と聞くと、
「こはなじゃないよ!…あっ、A子ちゃんかも…」
と、言っていました。
もしうちの子だとしたら下の2人は、まだひらがなを書けないので、書いたとしたら、小1の娘しかいません。でも、娘は書くような子ではない事は分かっていたし、本人も違うと言っているので、A子ちゃんに間違いないだろう…と思いました。
その飾り棚に書いた落書きは石で木を削って書いていたので、消せませんでした。
この棚は別に高いものではなかったけれど、私にとっては思い入れのある物でした。
東京で貧乏生活をしていた20代の頃、確か¥5,000くらいのものだったけど、当時はそれを買うのも躊躇するくらいで、何度も吉祥寺にあるインテリアショップへ行って、やっと手に入れた物でした。自分の部屋に置いて、その上に植物を飾って、毎日癒されていたものだったので、それに落書きをされて、傷付けられたのは正直、悲しかったです…。
わざとじゃなく、傷付いたり壊れたりしたのであれば、何も思わないけど、わざとやったのがあからさまだったので、怒りは無かったけど、何か複雑な心境でした…。
私もどう対応したらいいのか分からず、その件に関しては、しばらく放置していました…。
でも、『めいな』って一体何なんだろう…?A子ちゃんの名前でもないし…めいなちゃんって言う同級生の子もいなかったので、すごく謎でした。
しかし、しばらく経ってからその謎は解けるのでした…
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