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潾二郎のことば

2024年は長谷川潾二郎生誕120年ということで、私が感じている長谷川潾二郎の魅力について書いていきます。

潾二郎は膨大な文章を残しているそうで、1978~1979の制作日誌の内容が、夢人館4長谷川谷川潾二郎 岩崎美術社の中に記載されています。
彼のことばは、ひたむきな生きざまそのもののように感じます。

四月
 いよいよ四月。仕事の季節。これから大馬力を出さなくてはならない。いそがず、あせらず、たとえ少しでも着実に進めて行くこと。
 今まで描いた画を、過去の絵を、全部忘れること。これから生まれ変って、新しく第一歩をはじめること。中学を卒業して、これから油絵を専門的に勉強しようとした時の気持に立ち帰って第一歩をはじめること。私は今七十五歳だが、これからの五年間を、第一期として、第一歩をはじめること。

この葡萄の絵は79歳、潾二郎曰く、第一期の作品です。老いを全く感じさせず、ひたすらに瑞々しく、美しい。時間を超越し、明るい空間がどんどん広がっていくイメージを抱きます。
いまは2024年の3月になったばかりですが、私の気持ちはもうすぐ4月。
さあ仕事の季節です。


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