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なぜ「さしすせそ」なのか

料理の「さしすせそ」。

これは料理に入れる調味料「砂糖、塩、酢、醤油(せいゆ)、味噌」の順番の事である。

料理を美味しく作る為のこの順番だが、なぜ美味しく作れるかご存じだろうか?

それは化学的に説明が可能だ。

■さしすせそ①


それは大きく二つの理由に分かれる。
一つ目は「広がりやすさ」にある。

広がりやすさの指標である拡散係数とは「媒質中での粒子の拡散の速さを表す比例定数を表す」が、この拡散係数はその「分子量」に反比例している。

つまり、分子量が大きければ大きいほど広がりづらく分子量が小さければ小さいほど広がりやすいのである。

ここでさしすせそそれぞれの分子量を見てみよう。
 砂糖:ショ糖(スクロース)=342
 塩:塩化ナトリウム =35.5(Cl-) ※23(Na+)
 酢:酢酸 =60
 味の素:グルタミン酸 =146
 酒:エタノール =46

よって砂糖と塩では10倍もの分子量の差があり、砂糖より食塩の方が遥かに「広がりやすい」為、染み込みにくい砂糖から入れるのである。

スクロース

「さしすせそ」とは、砂糖、塩、酢、醤油、味噌のことである。

 なぜ砂糖を最初に入れるかというと、砂糖と塩の分子量と拡散係数の違いから生じる。砂糖(ショ糖)(化学式:C₁₂H₂₂O₁₁)は分子量342、塩(塩化ナトリウム)(化学式:NaCl)分子量58・45、約6倍の差がある。分子量が大きいほど、味が素材の中までしみ込むのに時間がかかる。

https://ameblo.jp/sawai-eisaku/entry-11511222320.html

■さしすせそ②

「広がりやすさ」だけでは「酢、醤油(せいゆ)、味噌」は説明が難しい。

なぜなら醤油や味噌は複数の混合物からなり、純粋な「広がりやすさ」の比較はできない

ここで二つ目の理由「揮発性」が出てくる。醤油や味噌はその香りもあわせて楽しむものだが、長い時間火にかけると香りが飛んでしまう
よって、調理時は最後の方に入れるのである。

この「さしすせそ」の様に料理において慣習として行っている事でも、
経験則だけでなく化学的根拠を示す事が可能である。

バイキンマンもビックリである。「さしすせそ~」。

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