24/7lavo「ナイゲン(にーらぼ版)」を観てきた感想
4月11日火曜日の19時、我がブラザーと呼ぶ男が出演するから観てくれという誘いにより観に行った舞台、24/7lavo番外公演「ナイゲン(にーらぼ版)」。
俺の知り得る限り最も演劇に真面目なアイツが太鼓判を押して俺にこういうの好きだと思うと伝えてきたその舞台はまさしく、俺の愚鈍で重たい筆を勢いよく走り出させる程エネルギッシュで、熱く、素晴らしいものであった。
このnoteは、そんな素晴らしい公演であった「ナイゲン(にーらぼ版)」の感想を述べさせていただく文章となっている。
※注意事項
・本文章はナイゲン(にーらぼ版)の内容について多くの言及があるためネタバレが気になる方はブラウザバックを推奨致します。
・本文章は筆者の主観故、大いなる想像や妄想、本来の設定にはないであろう推察が含まれています。解釈違いの場合でも目くじらを立てず、仏のような心で閲覧していただくことを推奨いたします。
・筆者は好きだが、普段劇を観る人間ではなく、演劇に関してズブの素人であり、感想文を書くのが昔から苦手な類の人類の為、構成がぐちゃぐちゃな文と、忌避感を覚える表現等発生する可能性が御座いますが、温かい目で見ていただければ幸いです。
・前置きが長くなりましたが、本文は結局如何にこの公演が素晴らしかったかを拙いなりにタラタラと述べるだけなので少しでも熱が伝わればいいなの精神でお読みください。
それでは対戦よろしくお願いします。
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①ナイゲンについて
ナイゲンとはアガリスクエンターテイメント様の代表作で、劇団やプロデュース公演、さまざまな中学高校大学演劇部にて上演されてきた、会議コメディである。
あらすじとしては、
『“自主自律”を旨とし、かつては生徒による自治を誇っていたが、今やそんな伝統も失われつつある普通の県立高校、国府台高校。
ある夏の日、唯一残った伝統にして、やたら長いだけの文化祭の為の会議“ナイゲン”は、惰性のままにその日程を終わろうとしていた。
しかし、終了間際に一つの報せが飛び込む。
「今年は、1クラスだけ、文化祭での発表が出来なくなります」
それを機に会議は性格を変え始める。
――どこのクラスを落とすのか。
かくして、会議に不慣れな高校生達の泥仕合がはじまった…!』
( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001109.000013972.html より引用させていただきました。)
青春ドタバタ群像劇で、135分という多分劇の中では長いのだろう長演で、シーン切り替えや場面転換のないまさにノンストップな会議が繰り広げられる。
まず観終わった初めの感想は、きもち良いーーーー!!!!!!であった。
サウナから出た時のスッキリとした様な、映画を一本見終えた時のあの感動感の様な、そして高校で文化祭を全力でやり切った時の熱の籠った清々しいあの感覚が、全部いっぺんに来て筆者の身体は本当に爆発するかと思った。
しばらくの間出てくる感想が渋滞しすぎて良かったしか言えない身体になってた。
高校生の頃ってなんかこんな感じでキラキラしてたんだなぁという幻覚を味わうと共に、人々が真剣に何かについて話し合う様は大人になった今だからこそ分かる良さなのではないかと思った。
演出も非常に良くできているなと素人ながらに思ったのは、時計の位置を正面に置く事で全員が時計を意識しながら時間の進みが気になるようにできていたり、どこの席の位置からでもそれぞれ違った良さが得られるような形になっていたのは感心した。
更に事前に配られたナイゲンの資料のお陰で、一緒に会議に参加してる没入感が高まり、〇〇ページをご覧くださいの言葉で一斉に確認するのは非常に楽しい経験だと言えるだろう。
筆者は今まで高校演劇部や大学演劇サークルの公演には幾度か観劇させていただいた経験があった為、そんな感じかなぁ〜とたかを括っていたら、完成度の凄さに吹き飛ばされた。手を伸ばせば届きそうなほどの至近距離で感じる人の演技の熱、圧巻だった。
目まぐるしく変わる投票先、迫り来る時間、次々と発生するトラブル(7割ぐらい海のyeahが原因な気がするが…)、さながらアメリカのドラマ24- TWENTY FOUR-を見ているぐらい切羽詰まりのドキドキがあった様に感じる。
観劇後、導かれる様にナイゲン(全国版)をyoutubeで検索しインターネットで色々調べたが、現代に合わせて改変が行われているらしく、言われてみれば確かになぁと感心した。
②登場人物について
全員が良い人であり、それぞれ何かを抱えてる高校生らしい人達であった。こんな感じの人いるよなぁ!!ってなる気持ちの連続で、存在しないはずの高校生活が脳内を流れた。ああ素晴らしき高校ライフ(妄想)
以下より一人一人印象や思ったことをざっくばらん且つ妄想詰め詰め&勢いマシマシでお伝えしていこうと思う。
(敬称略だったり、演じて下さった役者様には詳しくないので団体名で呼ぶ事をお許しください)
・1年1組 Iは地球をすくう
初めに見た時は、うわ絶対じゃんけんに負けたりして押しつけられてめんどくさいけど代表になったタイプの人やん…って思ってました。
でも凄いやる気じゃん!!1人で頑張ってんじゃん!!良い人じゃん!!ごめん!ジュース奢りてぇ!!!って心の中で謝罪した。
気になる事があったら先輩だろうがガシガシ噛みつくスタンスの後輩だぁ〜!!部活でも向上心高めのタイプぅ〜!後輩にいたら詰められそうでいやだぁ!!と1人で苦しんでしまった。
3148さんと仲良さそうで良いなと思う反面、行動の随所で漂うモテオーラで憎しみの炎が燃えあがっちまうよ俺は…
ツーショの時の顔良い×顔良いはマジでファンサですあざました!!
なに食ったらそんなスタイリッシュな身体で高校生活送れるんだ。サラダチキンか???
討論してる時の瞳孔ガン開きメンチビームマジで面白かった。
癒着の時の顔マジ好き。
友達になりたいけど多分趣味あわねぇんだろうな…
1年2組 3148(サーティーワンフォーティーエイト)
うわっ大丈夫かなぁ…先輩とディベートしたら大変なことになりそうだなぁ…と思ってたらみるみる詰められて心が苦しくなりました。
うさぎみたいな感覚。
でもなんか最終的に、あれ……この子…自分の可愛さ若干理解してるだろ!!!と勝手に思って更に苦しんでました。あそこまでおばか屋敷にアピールされて気がついてなかったら怖いよ!!気がついててもそれはそれで女子って怖えよ!!ってなる。
多分吹奏楽のクラリネットみたいな金管系とか文化部だったら書道部とか茶道部なイメージ。
不安げな顔が続いてた分、浮気現場再現のツーショットの時の顔が良すぎてスタングレネードくらったみたいな気持ちになった。眩しすぎる。
ラストのアイスクリースマスの退出を指摘する場面のニヤリとした顔!!最高だなぁおい!!ってテンションぶち上がった。
一年生の頃って上の学年の人達ってすんごい大人に見えるから、憧れるけど同時に少し怖かったりもするんだよなぁってのを思い出しました。
1年3組 おばか屋敷
愛すべき全力空回り男。女子との距離のつめ方下手くそ過ぎて、俺は昔を思い出して心が辛いよ…
好きな女の子の似顔絵描いてポエム書いちゃうのさてはお前漫画研究とか美術部だな?
絶対クラスのカースト上位の女子に代表者押し付けられてなったタイプ。
長谷川君なにもんなんだマジで…
浮気写真の下りで1人だけ別件でそれどころじゃないの凄い笑った。
バトル漫画ぐらい飛んだり跳ねたりするじゃん…汗だくになって熱弁する様はかっこいい様なちょっとだけダサい様な…それが最高なんだけど。
あんだけ歪みあってた海のyeah!と癒着指摘で同じになるの敵の敵は味方であるっていう感じがしてワクワクした。
その恋愛多分、いや9.9割で叶わない気がするけど頑張ってくれ!!!!!
癒着トリオの勢いホンマ好き。
序盤の3148さんと話そうと脳内シュミレーションをずっとやってる動作好き。
2年1組 海のYeah!!
話せば話すほど好感度の下がる男。サブスク浮気男。
最初は先輩によく居るクラスで1人は存在するお調子者系サッカー部男子だ!!!イケメンで眩しい!!とか思ってたんですけどね。
いや8回って!!!仏で三度やぞ!!阿修羅でギリよ!?!?
でも8回も浮気して尚且つこんだけ色々やってんのに好感度が最悪にならなさそうなのが行動の端々のイケメン感で感じられて最悪(褒め言葉)
あんなに人がズボン下ろして大立ち回りしてるの人生で初めて見た。
パンツなのにイケメンなのずるくない??
今後女子ネットワーク経由で吊し上げられそう。これからの彼に祈りを…って思ったけどどう足掻いても自業自得やったわ。
必死になって最後に人の内容にイチャモン付けようとするのダンガンロンパみたいで面白かった。
どさまわりにそんなに文化祭らしさが大事じゃないんすかみたいに言ったとこかっこよかった。
教師にまで手を出してるとかすげぇよそこまで来ると。もう漢として逆に尊敬する。
絶対にいつか刺される。100%もつれる。
卒業まで彼は生きていけるのだろうか…
こういう感じの愛されクズ的な演技を出来る役者さんが好きな人なので凄い気になった。
2年2組 アイスクリースマス
激カッコよクール討論男。『リーガルハイ』の古美門研介ばりの弁論(?)に痺れた。
3148を詰めてる時のあの余裕たっぷりの動きと仕草!!
絶対学年で3本の指に入る秀才だよアレは…
あくまで合理主義ですって考えが動きと言動から見えたけど、その分最後の3148からのお願いで動くとこがね……完全に脳内で逆転裁判の『追求』のBGMが流れてた。
ゆっくりと、尚且つ必要な部分をしっかりと伝える様に顔を合わせて穏やかに詰めてくんのめちゃくちゃ怖い。
絶対映画とか演劇とか好きそうだから三年生になって演劇やる事になったら演出とかで凄い頑張りそう。
眼鏡をクイってする動作マジでカッコいい!
ミニスカ論争でピクリとも動揺しなかったあたり本当に強者感感じた。
観劇後の面会で一瞬だけ話させていただいたけど、その時の凄い優しそうな感じにギャップで脳みそが耳から出そうになった。
2年3組 ハワイ庵
マイペースゆるゆるふわ系女子。すんごいブレない感じで良い味出してて、逆に他のバージョンを拝見した時に全然印象が変わった役でもあった。凄い朗らかだけど、強い(確信)
浮気ダメ絶対。分かる。多分ドラマ一本分ぐらいの過去に何かあったんだと思う。
彼女の票移動から大体物語が動く感じがした。
流されているようで自分自身の考えに忠実、軸がしっかりとしている印象を受けた。
転校したあの子からのタンブラーに放●される覚悟を決めてでも曲げない強い意志、パワーって感じがする。
クラスの女子に絶対人気だよね。いっつもお菓子もらってそう。
先輩の顔見て笑いまくるの控えめに言っても失礼で釣られて笑っちゃう。
物語のエンジンでありキーマン、そんな印象を抱かせてくれた。
議長
凄い真面目で一生懸命だけど、何処か抜けていてでもそれが良さって感じのトップ。クラスでは絶対みんなからちょっとイジられるけど頼りにされてる絶対人気者。
ジャンケンの下りの無限決議とかラスト15分の怒涛の11ぴきのエコの下りとか、とてつもない滑舌が必要そうなのに凄いなぁと改めて思った。
どんな意見を貰っても議長としてとりあえず考えるようにしている感じがして頑張って責務を果たそうとする心意気が感じられた。
多分役員議長として忙しいから少しでもクラスの為に何か出来ないかって資料作成手伝ったりしてるの良い人が溢れ出ている。
教科書忘れたら貸してくれるしノートも見せてくれるタイプ。
文化書記
クラスの上位カーストパリピ女子だぁ!!眩しい!!休憩中の会話とか細かいところに解像度の強いイマドキJK味が詰め込まれてて開演早々ここが高校だという没入感を得られた。
頼むから目を覚まそう!君が付き合っている男はとんでもない奴なんだぞ。
トイレに代理を立てないと行けないの流れでみんなの視線がスーッと書記に移っていく流れで凄い笑った。
浮気を問い詰めるときのあの鬼が宿ったかのような凄まじい気迫。凄い。
あの後是非副委員長とは仲直りしてハワイ庵と3人で海をしばき倒して欲しい。
彼氏が8回目の浮気をした挙句漏らしたなんて広まったら彼女はどうなってしまうのか…
文化副委員長
書類管理とかで疲れてそうな感じが役職と部活で大変なんだなぁって高校時代の文化祭をはっきりと幻視した。
本当に大変なんだよね書類申請のあーだこーだって、高校時代は部長、大学時代はサークル会長やってたから非常に身に染みる演技だった。
癒着を疑われた時の何言ってんだコイツみたいな引きの顔が浮気がバレそうになった瞬間変貌するの凄かった。
問い詰められた時に出た小さい星は爆笑した。
仲が悪くなりそうだったけど海という最悪の共通の敵が出来てなんだかんだちょっと仲は戻りそうで安心した。
マジでなんでキスしたん…???
監査
最強無敵の鉄の女って感じ。真面目ですっごい堅物なイメージだったけど、ミニスカの下りとか、なんでキスしたの?とか聞いちゃう所に人間味を感じて一気に好きになった役。
公序良俗の条件つらつら述べる所でみんながマジかコイツみたいにちょっとなるの好き。
事あるごとに議長にしっかりしてって注意するの議長と監査って関係性もあるけど、同じクラスっていうのも感じられて好き。
ラストの討論会はチャンバラ無双と思えるほどのバッサバッサと論破する姿にテンション爆上がりだった。
是非とも他の役員のみんなと楽しく休みにおしゃべりしに行ってほしい。絶対にミニスカサンタ似合うから!!
3年1組 花鳥風月
今回の公演では筆者の座っている位置的に背中がメインになってしまったんだけど、三年生って同じ高校生なんだけど凄い大人びたように見えるっていうか、背中に今までの色んな思い出を背負ってる。そんなオーラを感じ取る事ができた。
色んなことを受け入れる勇気、そんなものを観た気がする。
エコエコアザラシにそんな似ているのか……見てみたいエコエコアザラシ。
場の流れが混線した時にスッと収める役割、クールな先輩って感じがした。元々議長やってたっぽいし役員の苦労とかをよく知ってるが故のサポートなんだろうか。
冷静そうなんだけど、浮気とかミニスカ論争の時は楽しそうに乗ってくるの高校生って感じがする。
こういう優しく相談にのってくれそうな3年の先輩がいたら良かったなぁー!!
最後の2人のやり取りで仲が良いし過去に色々乗り越えてきたからこその絆を話し方から感じられて非常によかった。
3年2組 道祖神
この溢れでる頼りになる女バスの先輩感よ。
球技大会とかで大活躍して女子に慕われるタイプの女子。
ちょくちょく出てくる意見とかツッコミが先輩味あって好き。
Iは地球を救うとバチバチに睨み合ってる所ヒェッてなった。
というかこの演劇の三年生はみんな俺たちの記憶の中にあるカッコよくて頼りになる先輩って感じが凄い伝わる。
発電機の所で交渉成立って手を出すの凄いクールで素晴らしかった。
こういう先輩に揶揄われたり茶化されたりしながら文化祭の準備とかしたい人生だった。
3年3組 どさまわり
とにかく一番熱くてカッコ良い先輩って感じがした。
多分前の後夜祭の件をずっと引きずってるのは今後の後輩があの時の自分たちと同じような苦しみを受けない為の優しさでもあるんだと考えた。
自主自立が形骸化した中でも唯一まだ、ナイゲンだけは学生たちだけで話し合う事が出来た。だからこそこの場をとてつもなく大事にしたかったんだと思った。
エコエコアザラシ先輩に掴みかかった時ビクッとしてしまった。腕の筋肉すごかった…
ちょうどこっちから顔が見えたんだけど凄い熱意のこもった視線をしていてこっちも熱くなってしまった。
③ 最後に
ここまで随分と長い怪文書を生成してしまったが、結局のところ筆者が思った事としては、全てが熱く、全てが青春であった。この一言にすぎると思う。近年、日本は少子高齢化が叫ばれ、若者の自由だのなんだのが問われる社会になりつつあるような空気を感じる。しかし、この日本の何処かにはまさしくこのナイゲンに込められていたような全てを包んでぶっ飛ばす爽快な熱意がまだまだ込められているんじゃないかと筆者は考えさせられた。社会に出てからこの作品に出会って本当に良かったと感じる事が出来た。
改めて本公演の出演者及び、関係者の皆様にはこのような素晴らしき演劇と出会わせていただき誠に感謝を込めてお礼を述べさせていただきたいと思う。
本当にありがとうございました。
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