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本の好みと過剰な自意識

本屋さんで、ほしくて探してる本が見つからない。
本のタイトルしか覚えてない。
ぐるぐる探し回る。
あっちかな、いや、こっちも見てみよう。
それでも見つからない。

近くにいる書店員さんに聞いてみようか、と思ったけども、なんとなく気恥ずかしい。

どんな本を欲しがっているかを言うことは、私はこういう趣味嗜好の人間です、と伝えることに近い気がする。

だから、家の本棚を見れば、私が好きなものとか大切にしていること、どんな生き方をしたいと考えているのかが、実はにじみ出ているんじゃないかと思う。

そんな謎の気にしいだから、書店員さんにほしい本を伝えるのはちょっと気恥ずかしい。
その本自体はとても人気があるし、書店員さんは全然気にしないとわかっているのだけれど。

ちょっとした照れを乗りこえて、その本のありかを聞いてみたら、書店員さんはすぐに連れて行ってくれた。

ようやくその本と出会えた。
やっぱりわからないことは素直に聞くべきだよなぁなんて思いながら、本を手にウキウキで家に帰った。


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