ステッパーとサブスクリプションビジネス
最近、妻が「ステッパー」なるものを購入した。
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その場で足踏みをして、足腰の健康維持に用いられるものである。
妻には申し訳ないが、購入しても継続せず、部屋の隅でホコリをかぶる運命なんじゃ・・と、心配していた。
が、
僕の心配をよそに、妻はステッパー無しの生活は考えられないほど、日常的に活用しているではないか!!
すごい。健康グッズってここまで生活に浸透するもんなんだ・・と、人生で初めて思ったかもしれない。
歯磨きしながらステッパー。
ドライヤーしながらステッパー。
上半身の運動をしながらステッパー。
読書しながらステッパー。
スマホをいじりながらステッパー。
ヒマさえあればステッパーを踏んでいる妻をみて、習慣化の破壊力を思い知ったのである。
ここで僕は、サブスクリプションビジネスが思いついた。
ステッパーをサブスクリプションにしたら、どうなるんだろう?とか、考えてみた。
例えば、ステッパー自体を月額〇〇円でレンタルする。もちろん、足が触れる部分はいつも清潔な状態でお客様にはお渡しする。
で、通常コースであれば、運動後に飲むことでさらに健康促進に役立つプロテインを定期的にお届けする。
また、専用アプリを活用し、ステッパーを用いた効果的な運動方法の動画を配信してくれるサービスもお付けする。
みたいな感じ。どうだろうか?
ステッパーを日常的に活用している人にとっては、サブスクリプションにしてもお金を払ってくれるような気がする。
つまるところ、サブスクリプションが強力な理由は、
生活の一部になるから
だと思う。
僕はKindle Unlimitedや音声コンテンツに課金している。
通勤中に音声コンテンツを聴くこと、そして、スキマ時間にKindleを読むことは、もはや生活の一部である。
もちろん、一度課金したけど、あまり使わなくなってやめたものも沢山あるのだが。
サブスクリプションで代表的なのは、
このあたりだろうか。
また、ソーダストリームなんかも、定期的にガス交換が必要になる、という点でサブスクリプション形式だと言える。
個人的にうまいなあと感じたのは、ライザップが始めた「チョコザップ」というサービス。
月額料金を払って、コンビニ感覚でジムに通えるというもの。さらに、ジムによってはネイルやカラオケなど、独自のサービスも備えているというから驚きである。
これは「手軽にこっそり運動したい!ネイルもしたい!一人カラオケしたい!」みたいな多様かつ細かな欲求を捉えた魅力的なサービスだと思う。
で、
動画配信にしろ、健康サプリにしろ、飲料系にしろ、
正直、アレば使うし、無ければ無いで生活できるっちゃできるもの、ではないだろうか。
けど、一度使って「コレはいい!」という感動を味わってしまうと、やめづらくなったりする。
また、30日くらいお試しで継続すると、冒頭に話したように「生活の一部」となり、それが無いと気持ち悪い状態になるのだ。
まあ、健康系のアプリとかはソレが狙いなんだろうけど。
だからこそ、「初月無料!」「満足できなかったら即解約OK!解約金なし!」「30日間は条件無しで全額返金します!」みたいな謳い文句は効果的だと思う。
ようするに「始めるハードル&リスク」を極限まで下げているわけだ。
僕はステッパーが我が家に来るまえから、毎朝の運動を習慣にしていて、およそ3年ほど継続できている。
で、その経験から言える習慣化において重要な要素は、
・最初のハードルを限りなく小さくする
・めんどくさくない
・ちゃんと報酬がある
ということだと思う。
まず、最初のハードルが高いとまず継続できない。
モチベーションが高いのは最初だけ。2〜3日した後、だんだんと高ぶった気持ちが落ち着いてきて、めんどくさくなり、やめる。
そして、取り掛かるために手間がかかるのも良くない。道具をアレコレ準備して〜みたいなのは、やめてしまう確率を上げてしまう要素になる。
また、しっかりと「効果を実感する」というのも非常に重要。これが無いと、「これ、続けてても意味ないかも・・」となってしまう。
こうした要素を上手く利用しているのが、ゲームアプリだ。
ゲームを始めるのにハードルは低いし、手間もかからない。かつ、毎日「ログインボーナス」という分かりやすい「報酬」もある。
知らず知らずのうちに習慣化してしまう典型的な例だと思う。
また、特に動画配信系のサブスクリプションに言えることとして、欠かせない要素は「追加コンテンツ」である。
例えば、Huluオリジナルドラマ、Netflixオリジナルドラマだったり。もちろん、扱う映画・アニメの種類を増やすのも重要。
こうした「追加コンテンツ」こそ、サブスクリプションの旨味でもあると思う。
で、これはビジネス・教育系コンテンツにも言えることだと思っていて、コミュニティ内でシェアされる情報が追加されていくのはもちろん、
オーナーが事業をやっている様子、失敗談をリアルタイムでシェアする、というのも、価値の高い一次情報になりうる。いわゆる、プロセスエコノミーというやつだろうか。
つまるところ、健康サプリや飲料系のような有形商材は定期的に「良質なモノ」を届ければいいけれど、
ビジネス・教育系コンテンツのような無形商材の場合は、「変化している様子」や「他では取得できない一次情報」というのが価値になりうるように思う。
僕は今後も様々なサブスクリプションにお世話になるだろうけど、
僕が書いた文章もまた、誰かのサブスクリプション的要素になれたらいいなと、小さく野望を抱いている。