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【読んだよ】 周木律『眼球堂の殺人』

数学や物理学が苦手なのに、SFや理系ミステリに惹かれてしまうのはなぜなのでしょう。
それがわたしにとって永遠のミステリかもしれません。

周木律のデビュー作『眼球堂の殺人』を読了しました。
本書は奇妙な建物に閉じ込められた中で連続殺人が起こるクローズドサークルもので、かつ理系の蘊蓄が披露される理系ミステリでもあります。
さらに各界の天才たちがごろごろと登場します。

数学者の十和田只人とジャーナリストの陸奥藍子が山奥の屋敷(と呼んでいいのかな?)に辿り着くと、そこにはとんでもない建物が。
横からではよく分からないのですが、見取り図によるとその形は

      眼球!!  Σ(@д@;)

リアリティがないとかそんな建物作れるわけないとか、そのような細かいことを気にせず物語を楽しめる方におすすめです °+(*´∀`)b°+°

“館ものミステリ“を読むコツ

ミステリにはよく舞台となる建物や周辺の様子について見取り図が示されます。
この小説をより楽しむためのコツが1つあります。

それは、見取り図を見て小説本文の描写を読み、できるだけ建物をイメージすること。
物語を先へ先へと読み進みたい気持ちは抑え、平面図を立体的にイメージしてみましょう。

そうすれば話の内容が頭に入りやすいですし、もしかするとトリックもわかってしまうかも? (●´艸`)

この表紙を見て、
「卵型の建物…バランスを保つのがすごい」
と思ってしまったのが恥ずかしい ...(((;´ω`)

主人公の十和田と藍子は、天才数学者と彼をルポするジャーナリストという関係ですが、まるで師弟かつバディのようにも見えます。
それが森博嗣のS &Mシリーズを彷彿とさせ、理系ミステリでもあるので森博嗣作品が好きな方にはおすすめです。




ここからはネタバレになるかもしれない感想です。
未読の方はお気をつけください。




【感想】

放浪の数学者というよく分からない職業の十和田只人、藍子を戸惑わせるような言動をするのでミステリによくいる変人キャラかと思いきや、意外と気遣いのできる常識人でした。

藍子ちゃんも若い割にかなり頭が切れる上、殺人が続いても落ち着きがあるなあと感心。

本書のトリックは建物の構造のせいだろうと何度も見取り図を見返して考えました。
予想が当たったのは構造のうちの1つだけ。
落下した2人の殺害方法です。
もう1つのあの構造は……気づいた人いるのかな? (^^;)
作者さん以外にわかる人がいたらすごいなと思います。

それとトリックがわかった更に後のアレなのですが、
途中で記述が奇妙だなと思っていましたが真相までは気づきませんでした。
ちょっと残念だけど驚かされたので良かったです。
うとうかみさんも出てきたことだし。

面白かったのでシリーズ全作を読みたいと思います (=^_^=)



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