早起きは三文の徳

とはいえ3時に目が覚めるというのはいかがなものか。
豆腐屋でもパン屋でもないのにこんな時間に覚醒するとは。
身体を壊して療養中の身であるため、仕事は「基本在宅」というスタイルを昨年12月より許されている。
しかし1週間に1度、上長とのミーティングがあり、それは必ず対面で。と言う条件が年明けに出されて驚いた。
なんだかすっかりいろんなことがほとほとばかばかしくなってきて「3月いっぱいで辞めます」と先週会社へ報告をした。
受理されているのかどうかは謎ではあるが。

辞めるんだからもう行かなくても良いじゃないか。病気なんだし。具合が悪いのだし。オフィスへ行かなくちゃいけない。と思っただけでろくに睡眠もとれなくなってしまうのだ。

それでも生来の真面目さと、よくしてくれてる上長への人情があり、のろのろと勤め人としての支度を始める。

でもやっぱりいやなのだ。
早起きは三文の徳だというけれど、いったいなにが徳なのだ。
出勤中になにか徳に出会えるのか、と、誰彼構わず食ってかかりたい気持ちになってくさくさする。
「あんたかわりに行っておいでよ」
丸く眠る猫たちを恨めしげに夜明けをぼんやり待っている。