①第二問、勘定記入の解き方

仕訳はできるけど、なんか勘定記入が苦手。という人向け

まず最初に大事なのは、”損益項目”なのか”貸借対照表の項目”なのかを明確にすることです。

損益項目は、会社にとって利益なのか損なのか、それを求めるために必要な項目。

例えば、現金100 / 受取利息100
こういう仕訳を見たとき、簿記学習を始めた頃って現金が借方があるんだから現金が増えたんでしょ
現金100が損益じゃないの?と思うのが普通です。
しかし、現金が増えた理由って色々あります。
拾ったお金かもしれないし、借りたお金かもしれない。
借りたお金ってことは返さなきゃいけないし、それだと手元に100円増えたけど儲かったわけではないよね。
てことは、現金勘定って損益ではないです。

受取利息100は、金を貸したというリスクはあるけど、利息そのものは収益として得られたものです。
なので損益計算書に必要な項目です。

こんな感じで、損益に関するものなのかそれ以外なのかということ。


”貸借対照表”は、どれくらいお金持ってるよ。どれくらい在庫あるよ。
こういった、損益以外の管理部分です。
損益計算は、その年の利益を計算して終わりだけど
貸借対照表はその年で終わりません。
これはややこしく考えないで、
今期現金100円持って終わったら、来期も現金100円持ってるところからスタートという当たり前の話

今期に貸してるお金があったら、それはそのまま来期も残ってるでしょっていうこと

つまり、期末にあったものは、来期もそのまま残ってるんです。
これを次期に繰り越します。 前期から繰り越してきました。
という記帳をします。
これが第二問を解くうえで重要になります。

とりあえずは頭の片隅で大丈夫です。
実際に勘定記入の説明をしていきます。




問題。
A会社に対して、X1年11月1日に¥12,000を貸し付けた。(年利率1%、期間5年、利払日は毎年10月末日)
利息は現金受け取り、会計期間は4月1日~3月31日で1年間、利息は月割計算によって求める。

※数値の簡略化で、利息は1カ月10円

仕訳するとこうです。
とりあえず前期と今期の間に線を引いて区切ったほうがよいです。


これで、”今期”の仕訳をそのままT勘定に記帳するとこうなります。

損益勘定(ここでは受取利息)は、そのまま貸借一致させて終わりだから大丈夫な気もするけど、
貸借対照表の勘定(未収利息)は少し怪しい

日付は省略可能の問題が多いけど、日付を意識しないと↓みたいになってしまって、どうしたらいいのかわからなくなってしまう。

まず時系列、日付はしっかり書いておいて、
(T勘定の頭の勘定が)損益勘定なら損益へ、貸借対照表勘定は繰越。
この2つがしっかり把握できてれば、日付付きで記帳すれば一応間違えないかなとは思う。

損益計算書の項目なのか、貸借対照表の項目なのか
最悪迷ったら、
第一問 → 第三問 → 第二問 の順に回答していく人が多いと思うので、第三問を見に行けばそこに載っている可能性が高いです。
分けられてるので。
それを見るというのも一つの手かも
ネット試験の人は間違えて終了しないように。

迷わずにわかるのが理想だけど…汗


ここからは、間違えなくしっかり回答する方法

回答するT勘定の勘定科目(受取利息と未収利息)を振り替えます。
まずは受取利息を損益に振り替えます。
貸方に50あるので、借方に50記帳して貸借一致

損益へ振り替える

こうですね。
次に未収利息を振り替えます。
これは自己流なので書いてる人はいないと思うけど、本来こうするべき(詳細はのちほど)だと思う
借方に50あるので、貸方に50いれて貸借を一致させて振替。
※繰越として勘定にしたけど、貸借対照表へ行く項目だから貸借対照表へ振替としたほうが筋は通ってる(同じこと)


繰越なので、再振替仕訳

今期も同様に

これで仕訳完了です。
今期の所をこのまま回答のT勘定に記帳して終わりです

完成

あとは余談というか、ややこしい解釈もあるので気が向いた人だけ↓↓続けて見てもらえれば。



そもそもが、仕訳内容をそのままT勘定に記帳するのに、
なぜ前期繰越、次期繰越の仕訳だけがないのか。

T勘定には繰越を求めるくせに、仕訳に繰越がない
それのせいで混乱してこの第二問が解きにくくなっている。



↓これが勉強していく精算表の流れ

今期の仕訳と前期の貸借対照表を合算したところから、更新する感じ
黄色で囲っている部分。

なのに、T勘定はこうしろと言ってくる
次期繰越と前期繰越

もちろん一緒だけど、この矛盾のせいで第二問が難問みたいな扱いされている。
仕訳ができれば解ける問題なんだから、そういう学習をしっかりさせてほしい。

この緑の所を仕訳に戻すと
次期繰越50 / 未収利息50
ですからね、なのにこの仕訳だけ習わないんです。(そもそも無い)



最初に説明しましたが、
貸借対照表の項目って、結局すべて繰越です。

会社を設立しましたよ。
現金100 / 資本金100
会社作ったけど、今年はやっぱり何もしないわめんどくせ
とりあえず貸借対照表にいれとくよ

翌期。
Q,この会社いくら持ってんだ?

A,前期末に持ってた100円です。すべて資本金です。
 前期から繰り越してきてます。


貸借対照表の勘定をすべて繰越して同じことを↓

会社を設立しましたよ。
現金100 / 資本金100

なにもしないから次期に繰り越すわ
資本金 100 / 次期繰越100
次期繰越100 / 現金 100
来期へ

今期スタート
現金 100 / 前期繰越100
前期繰越100 / 資本金100

そのまま戻ってきました。
勘定記入にはこれが必要なんです。


私の知識としては、まだ2級の勉強中ですし実務経験とかもないです。
実務的に貸借対照表の全ての勘定を繰越して仕訳してみたいな処理もめんどくさいのかもしれないし、実際どうやってるのかも知らないです。
今後どのような内容を勉強するのかもわからないのであまり決めつけたことは言えません、
ただ、三級の学習上この繰越の仕組みは第二問を解くうえで理解しづらいものがあり苦労しました。


”損益計算書”、”貸借対照表”もT勘定

見た目で分かる人もいると思うけど、これらも正体はT勘定です。

損益計算書へ行くには、仕訳時点での貸方の受取利息10を損益計算書の貸方にそのまま記帳して終わりだけど、

損益に振り替えるという仕訳は、結局損益計算書に行くということ
損益に振り替える仕訳を損益計算書というT勘定に持っていくと考えても同じ。

仕訳の勘定をわかりやすいように損益計算書と書いてます。



貸借対照表への転記も同様

現金 100 / 資本金100
これを貸借対照表へ転記。

そのまま記帳

振り替えます。
現金 100 / 資本金100

次期繰越100 / 現金100
資本金 100 /次期繰越100

途中でも書きましたが、次期繰越は貸借対照表というT勘定へ行く項目なので、
現金  100 / 資本金100

貸借対照表100 / 現金100
資本金  100 /貸借対照表100
こういう解釈もできます。
要するに貸借対照表とは前期と次期を繋げてくれている存在でもあります。

この貸借対照表勘定は次期繰越にあたります。


そして、貸借対照表から仕訳へ戻すには

貸借対照表は、0になるので空になります。(仕訳に行きます。)
この貸借対照表勘定が、次期繰越と前期繰越です。


ここまで把握できれば、全体の位置関係がわかってくると思います。
よくできてますね簿記って。



ちなみに今回の繰越仕訳を"幻の仕訳"と名付けました。
T勘定にはあるのに仕訳にはないですからね

誰かに教えるときは、そのネーミングを使ってもらえると嬉しいです笑


とりあえず無いものをくどくど説明してしまいました、第二問を解くためには前半だけ把握できれば十分です。
それ以上は覚える必要ありませんが、それぞれがどういう役割なのかはなんとなくイメージできたら良いなと思い書きました。
ピンとこなければ今はスルーしておいてください。

次回、簡単な内容で勘定記入やってみます。



ということで、最後にもう一度。

"なにが損益か" "なにが貸借貸借対照表の勘定か"
これはしっかり意味を考えたほうが理解が進みます。
損益はその名の通り、いくら儲かったのか。いくら損したのか。
貸借対照表は、どれくらいお金持ってるよ。どれくらい在庫あるよ。
こういった、損益以外の管理部分です。
出てきた勘定科目を1度どんなものなのかとゆっくり考えてみたほうがいいです。


あと、借方貸方がわからないときは反対勘定が何かを想定してストーリーを考えてみるとわかってきます。

例えば受取利息という勘定を見たとき、これはどんな勘定科目なのか。
受取利息が仕訳にあるということは、それは受け取れば現金が増えるよな
ってことは、
現金100 / 受取利息100 か。

未収入金は、それが貰えてたら現金とか当座預金の増加なので、
本来現金が来る所に代わりに未収入金だな
未収入金100 / 売上100 か。
みたいなイメージを持って考えると、仕訳の左右の感覚も育ってきます。

私はふくしまさんの動画で簿記の勉強をしましたが、1つ1つをゆっくり解説してくれてたので助かりました。
点と点が線になるまで時間がかかるタイプなので、ゆっくりした学習が私には合ってました。(人それぞれ)

最後になりますが、
見てくれたということは、これから試験を受ける方がほとんどだと思います。
私から言えることは1つしかありませんが、




ちゃんと勉強しろよw

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