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パンフ・イズ・ノット・デッド(店番を任される)


①映画パンフ、欲しくなる

映画のパンフレットは楽しい。

パンフレットの出来も様々ではあるけど、映画そのものの製作背景や解説を読むことで、より理解も深まる。

それに、美術や衣装のスタッフさんたち(いわゆる裏方と言われる皆さん)の努力が詳細に記されてるものは、他のメディアでは読むことができない。

最近は特に、映画を観る本数が減ってきているのに対し、観た作品をとことん味わい尽くしたいという思いが強くなっている。

だから、パンフレットを読むのはとても楽しい。

そして、前に観たけどパンフレットを買わなかった作品についても、欲しくなってくる。

そして私たち(私と奥さん)は、東京都江東区南砂にある「たなべ書店」を訪れた。
いくつか探したいパンフレットもあるし、なんとなく楽しそうだし。

で、猛烈に楽しい時間を過ごした。

②たなべ書店 本店

たなべ書店に向かう前に調べたら、朝8時からやっているということに、ヤバさを感じる。
「たなべ書店」に到着。

店構えは、いわゆる街の古本屋的ではある。
お店自体は広いのだが、あり得ない態勢の絶妙なバランスで本が積んであり、通路が狭い。でも不思議と見易い。

店の左手に、一面、映画パンフレットの棚がある。
ジャンル分けがテキトーすぎるので、すべて見ていくしかない(笑)

欲しいのがドカドカ出て来る。
キリがないので、数冊をレジに持っていく。
レジのおっちゃんが、ことごとく値段を間違えるので、
ひとつひとつ値札を指して訂正してもらう(笑)

奥さんが探していたものが、お店のホームページにはあったのだが、棚に見当たらなかった。そのことをおっちゃんに伝えると、
「駅前店のほうにあるよ」
とのこと。

駅前店というのもあるのか!
ありがとう、おっちゃん!

駅前店に向かう。

③駅前店の店番を任される

本店から徒歩5分。駅前店に到着。
「駅前店」というわりに、それほど駅に近くないのがうける(笑)
(本店より少しだけ駅寄りってだけ)

お店に入る。本店に比べると小さいが、こぎれいな内装。
棚には文庫本が多く、ぱっと見、映画パンフレットは無い。

レジに座っているおっちゃん(以下、駅前店おっちゃん)に
「ホームページに載っているパンフレットが、こちらにあると聞いて来たのですが」と尋ねると、
「あ~、それはね、本店の倉庫にあるんだよね~」
と、駅前店おっちゃん。
本店のおっちゃんと言っていることが全然違ってて爆笑(笑)

では本店に戻るかな~、と奥さんと話していた。
すると。
「ちょっと取ってきてあげるからさ、店番しててよ」

店番?
まじかよwww
確かに今は我々だけだが、お客さんが来たらどうすんですか(笑)
すると。
「ん?来ないから大丈夫だよ」
来ないのかよWWWW

そして駅前店のおっちゃんは自転車に飛び乗り、
本店に向かった。
我々ふたりは残された。

自転車で去る駅前店のおっちゃんを見送った時、
お店の外側(外壁面)にも本棚があるのを発見。
どうやらこの外壁の棚にある本は、
閉店後(夜間)も、セルフで買って良いらしい。
以下がその貼り紙。

「夜間はセルフでお願いします。
代金はドアーの穴に入れてください。(お釣りは出ません)

またもや爆笑。

代金を入れるドアーの穴というのを見てみる。
穴が開いていて
「開運ポスト」と書いてある(笑)

そしてセルフで買った際、
本を入れるビニールが用意されている。
とても親切。
親切だが、その近くになぜか靴が干してある(笑)

すべてにツッコミを入れつつ笑っていると
駅前店のおっちゃんが戻ってきた。
(お客さんは来なかった。ホッ。)

駅前店のおっちゃんの手には、探していたパンフレットが!
ありがとう駅前店のおっちゃん!

お代を払いつつ、お店の成り立ちなんかを談笑。
なぜか、おっちゃんおすすめのYouTube動画をいくつか見せてもらいつつ(笑)、店をあとにした。

④本店に戻る(オードリーヘップバーンと北野武のチラシを見る)

再度徒歩5分、本店に戻る。
本店のおっちゃんにお礼を言いつつ、
店内に置かれている映画チラシをファイリングしたものを見せてもらう。
そのファイリングの基準も無茶苦茶で、
「オードリーヘップバーンと北野武」のチラシだけが入っているファイルがあったり(笑)

笑い、良いものも手に入り、ほくほく。
以下、ゲトッた品々。

⑤この街が好きよ

江東区南砂、良い街だったぜ。
と思いながら帰宅し、パンフレットを読みふける。
古書って独特な香りがする。
なんとなく、改修工事前の
文芸座を思い出した。
パンフ・イズ・ノット・デッド。

画・ひろた

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