【エッセイ】持続可能なわたし(前編)
自分の産後うつで死にそうだってのに、そんなもん考えてられないわ、、
子供にせがまれたいちごのヘタをとりながら、
ワイドショーの出演者が
『持続可能な社会を目指すためには・・・』
と熱弁しているのを耳にし、そう思った。
SDGsとかよく聞くけど、正直うつの私には、そんなことを気にしている余裕はない。
心の中でワイドショーの出演者に悪態をつきながら、次々といちごを小さな器にわけていく。
そもそも私自身が持続できてないっつーの、、、
あ、そうか、、、
私は"持続"できなかったんだ、、
子供を産む前の私は、とにかくがむしゃらに働いていた。
帰る時間が24時を過ぎるのはあたりまえ。
風邪をひいても生理痛で下半身が砕けそうでも、酔っ払って転んで足を捻挫したときだって、松葉杖をついて出社していた。
今考えれば笑ってしまうような社畜バリキャリ気取り女だ。
仕事もできて、自立しているかっこいい女性になりたかった。
いつか自分が結婚しても、何かあったらいつでも1人でやっていけるというカードを持っていたかった。
そのカードを手にするために、馬車馬のように働いた。出世もして、給料もそれなりにもらえるようになった。
でもそれは、"持続可能"ではなかった。