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占いの大先生
「久しぶり!! 元気だった?」
「お父さん、お饅頭」持ってきてくれたよ」
この夫婦の会話
いつも思う、こいつのお父さん?の言い方
この「お父さん」のイメージがわいてこない
まあ、いいか!
人んちの夫婦の会話だ
「うん、糖尿病促進剤だ」
『どうした、少しは進んだ?」
「あんただけだよ、あからさまにいうのは」
女房が、なんだか数値を言い出したがわからない
「わからないよ、そんなこと言われても!」
分ったことは今日は生きているということか
そんな話をしていてお客?が来たので黙る
初めて見る顔だ
「こちらは?」と聞かれた
必ず聞かれる
女房すかさず答える
「お父さんの愛人」
これは初めての人へは必ず言うセリフだ
これは大体の人はびっくりする
この亭主、女にも仕事にも固いで通っている
私はニコッと笑うだけだ
亭主が言う
「もうながいんだ、・・・な」
お客は誰も同じことを言う
「奥さん、公認ですか?」
「奥さん、心が広いんですね?」
3人で腹の中でおなじことを思う
「バカか、こいつ、真面目に聞くなって」
「で、こちらは何をなされている方?」
また、続いているよ、あの話
私はどうでもいいけど、ね
相手にしていられない
「あんたらが考えられない女だよ」
亭主が笑いながら答え
女房は、しらっと柿を剥いている
話題の中心かもしれない
私はコーヒーをに飲んで和やかだ
で、そこへここの次男坊が来た
「こんにちわ、お饅頭、食べて?」
買ってきたのだから、まだ私のものだ
倅、「いただきます」
従順の倅だ
お客は聞かなければいいものを
「息子さんも知っているんですか?」
「何を?」
「いや、今聞いたんですが
こちらとお父さんのこと、」
この倅、役者だから
「ああ、親父とこの人のこと?」
「知っていますよ」
お客の感動の声
「ここの人は皆さん心が広いんですね」
ここまでからかっていると面白みはなくなってくる
「忙しんだろうから注文の品物渡してやれば」
と追い払った
女房と倅とお客は出ていった
誰もいなくなり二人きりになった
「元気だったか?」
「うん」
「まめに来いよ、みんな心配しているからな」
「目が変わったな、いいことでも有ったか?」
私は、これが聞きたくて来た
「ねえ、私を見てと言ったら見てくれる?」
「駄目だ、俺は二度と見ないといっただろう」
「俺は三人見た。あれから見ないことにした、言っただろう」
「なにがあった?」
「なあ、これ以上は苦しむな」
「ねえさ、やっぱりいや?」
「これは人それぞれだ。あの時はっきり見えた。
立て続けに同じものを見た。
でその三人は見たとおりになった」
あの時続けていたら、権威者になれたはずだがやめた
俺の霊力は確かなものだった。
が、平凡に生きることにしたんだ」
女房と倅が戻ってきた
「本気にしていたよ」
「言い出したのはあんた、
知らない人は信じるよ、あんな言い方されたら
本気にするよ、ましてあんたが言えば」
「で、教えたの。本当のこと?」
「うん、珍しいですねってさ」
「ねっ、あんたとあろうものが
こんな男のところに嫁に来るからね」
倅が笑っている
自分の親父をここまで悪く言える人はいない
「・・・・・まめに顔を出してね
心配しているから」
亭主と同じことをいう
亭主とは13歳から
女房とは18歳からの知り合いだ
長く、付かず離れず付き合ってきた
帰り際に倅が一言
「親父も、
お母さんも心配しているからまめに来てください」
の、この言葉に見送くられて帰ってきた。
最後までお付き合いいただきありがとうございました
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