うちは、札幌子やてん
健康診断のために、有休をとる。
注意書きをよんでいなかったため、前日の仕事中に、同僚に指摘されて、飲食に制限があることにきがつく。
札幌市内はそこまで荒天ではないが、道路が信じられないくらい凍結で、わたしはドサンコなので、歩くのが上手だから、本当にシーズン中は転ばずすごすんだけど、これは自慢なのだけど、雪の降らない地域の人に対するマウントなんだけど、だれにむけてなのかわからんわね。
わたしは、昔、小学生の頃に、北海道の珍地名のラインナップにかなりの確率で登場する、「長万部」というところに暮らしていたことがあって、小さなころだけど、「長万部」という地名やその田舎具合に辟易して、こばかにして、札幌に引っ越して、札幌に住むようになって、札幌がそれほど都会でもないのに、その地名の、ぐだっとしたはずかしさと、響きに、子供心が反応したのだから、しかたなくって、夏休みに親戚同様の付き合いをしていた長万部のお宅に、泊まりに行かせていただいたことが何度もあった。スイカやメロンをいただいて、良くしてもらったのに、きっとわたしは、食べ散らかして、ご迷惑かけていただろう。
数年前に、その方はなくなってしまった。
その当時、貸してもらった子供用の自転車にのって、誰もいない路地を走り抜けた時に作った歌がこれ。
『うーちは、札幌、子やてん。うーちに、逆らう、ものゆるせーん』
このころから、世界に対して、わたしはおかしな対抗意識をもっていたと裏付ける出来事だと、つるつる路面をあるいて、家族を学習塾に迎えに行った。
なぜ関西弁なのか、というと、きっと、【じゃりんこチエ】のおかげ
家に帰り、飲食制限の時間をしらべると、午後十時までOKとのことで安心。
からあげたべたいーと、リクエストがあったから、疲れてるし、歩くのでもう気力ないからーといいつつ、片栗粉つけて、素揚げしたのに、甘酢のたれをかけて、夕食に。パリパリの皮に甘酢がからみ、敷いたキュウリと食べると美味で美味で、うちの料理がおいしくて大好き。
明日のバリウムに緊張しながら就寝。
桐野夏生氏の、「柔らかな頬」を読み始めて、おもしろすぎて、でも最近目がショボで、すぐに眠った。朝方、母がでてくる変な夢をみたはず。
火曜日。
朝一の検査のため、急いで身支度。検査の場所まで徒歩で、ニ十分くらいかかる。家族の一人が、友人と合流した姿と、少し振り返る姿を見送って、がちがっちの道路を見極め歩く。
家族を見送るだけで、わたしは、誇らしい気持ちになる。
これだけ寒いと、ぎゃくに、精神が鍛えられそうだと思いながら、おわったら何を食べようとばかり考え、てくてく歩く。
検査センターは、たしか今年にできたてで、清潔感とスタッフの緊張がまだ伝わる感じだった。
病院勤務なので、医療関係の施設の職員に対しては、すごく気になる意識をもって観察。制服のきこなしとか、だれが上司だろうとか、看護師のてきぱき具合とか。
バリウムの検査がはじめてだったので、検査中の自分の状況にわらいがこみあげたけれど、さらりと終わる。自意識に打ち勝った瞬間。
検査の待ち時間に、桐野夏生を読み進める。おもしろい。桐野さんはまず、凛としてる感じで、すてきな作家だなと思う。わたしは、凛として、かっこいいといわれてみたい気がする。
世間の事や、野球のルールや、経済の事も。各国の諸問題。人がどうあるべきか、指針がない。そのことが、本当に恥ずかしい。芯がない、ようなきがする。それでもいいのかもしれないけれど、生きていけるし、生きているし、わからないことをうまく誤魔化すやりかたをもううまい具合に学んできた。四十年分、学んできた。
でも、自分を変えていきたいと思う。変わるためには、怠けることからまず、逃げなくてはならない。
自分を、細分化して、見つめて、弱さを視覚化して、愛で、叱咤し、こねくりまわし、嗽し、吐き出し、湧き上がった新しい葛藤を、また自らで受け取らなくてはならない。時間が足りない。焦る。
葬儀場や、小さなセレモニーホールの前を通るたびに、いずれ近い未来に、両親とか、近しい誰かのために、どこかの土地の同じような施設を利用する自分の体つきや、体調や、化粧をしでかける身支度や、服装で悩んだり、現実的な行動を思うと、焦燥感に駆られる。
つねに、悲しいことが起こり続けている、生きている間は、その間の光の粒を取りこぼしたくない。わたしは、全部やってやると思い、小説を書く、ひとを助けたい、など、大それたことをまた考えて、ふくらんだ頭と、空腹を抱え施設をでる。無料のコーヒーを二杯飲んだ。
リサイクルショップを覗きながらぶらぶら帰宅する。
なにか食べて帰ろうか、と卑しいわたしは考えておったのに、ぴんとくる店も近所になくて、寒いし、家で蕎麦をゆでようと、近所の生めんのラインナップが素晴らしい小さなスーパーへ。ご当地の生めんがいつも数種類売られているので、選ぶのがいつも楽しいのだが、なんと、すべての生めんが半額になっていた。興奮する。二人前を五袋くらい買う。すべて種類を変えて楽しめるようにしよう。毎日蕎麦でもいい。祭りじゃ。と思い、購入。
花畑牧場のモッツァレラが激安で売られていて、それも購入。
ん、先日も、なんかモッツアレラ買ったよな。チーズが好きやねん。
蕎麦をゆでる。二人前。いつも金曜日、そういえば蕎麦を出前する日だった。忘れていた。蕎麦が好きだ、だから無問題。ということで、ニ八蕎麦っていう黒目の麺を選び、みつばを刻む。白だしと醤油で、てきとうにツユをつくる。ねぎを刻む。刻みのりも用意。納豆と、甘めの梅干しをスタンバイ。山のようにもりもりもりあがった蕎麦と、モッツアレラと、昨日の残りのなぜか旨すぎた野菜炒めをレンチンする。
うまいうまいうまい。
そして、午後は、苦しくて、動けなくなりました、腹がはちきれそうで、眠ってしまいました。小説は書けませんでした、日記はなんとかかけました、柔らかな頬は、上巻を終え、下巻をまた図書館で借りる予定。
火曜日がおわっていくよね。こうやってさ。
ラジオからは、山下達郎。
jPOPか、KPOPばっかり耳に入ってくるから、耳疲れして、久々に、RCサクセションとか聞こうかなあ、なんてさ。